2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)


**原作沿い設定作品


※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)

特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。





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敦賀さんの病室へ通い始めて数日が経った。
病院食を嫌う敦賀さんにお弁当を毎日差し入れし、仕事がない時は他愛ない話をし、帰っていく。

敦賀さんは『敦賀蓮』をだいぶ研究したらしく、すっかり以前の『温厚紳士な敦賀蓮』を取り戻していた。

(本当の敦賀さんは、何故か私には意地悪だったのにね)

私にもその『温厚紳士』で通してくる辺り、やはりまだ記憶の戻る気配はないのだろう。
だけど、私は敦賀さんの記憶が戻らなくてホッとしている自分もいる事に気付き始めていた。

(私の事はやっぱり冗談で『キョーコ』さんの身代わりでした…じゃ、虚し過ぎるわ)

もやもやとする胸の奥に蓋をするように仕事に向かおうとした時、社長さんからの呼び出しを受けた。





「え…敦賀さんと一緒にですか………?」
「あぁ。暫く蓮と一緒に暮らしてほしいんだ。」

社長さん曰く、私といる時とてもリラックスした表情をしていたらしい。
………見間違いだと思うのだけど。

だって今はもう意地悪似非紳士の顔が出てこない。
私は特別扱いじゃなくなってるはずだ。

「それに、あいつはほっとくとまた食事抜きの生活に戻りそうだしな、退院してからもまだ少しは療養期間として休みを与える予定だ。みっちり三食食べる習慣を付けさせてやってほしい。」
「…そういう事ならわかりました。最上キョーコ!敦賀さん食育プロジェクト、必ずや成功させてみせます!!」
「(…プロジェクト?)…まぁ最上くんの好きなようにやってみてくれ。」


またヒール兄妹のように過ごす日が来るとは思わなかったが、少しでも敦賀さんのお役に立てるのなら私は何でも良かった。

側に居られるのなら、道化にだってなろう。
本物の『キョーコ』さんが見つかったら、私は敦賀さんとの関わりを断とう。
これを最後の恋にしよう。


敦賀さんの退院まで、あと3日………






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ちょっと短いけどキリ良く行きたいので。
というか、また目線を変えてしまうので…




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