2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)
**原作沿い設定作品
※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)
特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。
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『敦賀蓮、撮影中に事故』
未確認の情報ながらも、朝の情報番組はそのニュースを大々的に報じている。
私は霞がかかったようにぼんやりとした頭で、マリアちゃんと共に車に乗り込む。
運転しながら、セバスチャンさん(仮)が知り得る限りの情報を説明してくれた。
敦賀さんの今日の早朝ロケの現場が工事現場だった事。
そこで子役の女の子を庇って、鋼材の下敷になった事。
外傷はそこまで酷くはないが、頭を打った為に意識が戻っていない事。
こんな状況でなければ乗るのもワクワクできたであろう、クラシカルな宝田家の高級車。
まだ泣き止まないマリアちゃんを宥めながら、私は後部座席から前だけを真っ直ぐ見ていた。
そうでないと、余計な事を考えてしまいそうだったから…
*
裏口からこっそり院内へ入り、敦賀さんのいる個室へと向かう。
有名人という事で普通の術後室へは入れられなかったらしい。
中に入ると、敦賀さんの横たわるベッドの側には社長さんが。
少し離れたソファに青ざめた顔の社さんと松島さんが座っていた。
敦賀さんは、体や頭に何本かの線が繋がっていて。
頭に巻かれた白い包帯とネットが、敦賀さんの綺麗な顔立ちに不似合いだった。
「キョーコちゃん…蓮に会いに来てくれたの?」
社さんに声をかけられるが、うまく答えることができずに私はただ頷いた。
「おじい様、蓮様の具合は…」
「うむ、脳に損傷はないから直に目醒めるだろうと医者は言っていたぞ。」
マリアちゃんは社長さんの側まで寄って、敦賀さんの顔をのぞきこんだ。
私もふらふらとベッドに寄り、顔を見た。
いつもより顔色がよく見えないのは、包帯やベッドのリネンがやたら青白く見えるせいだろうか。
無意識のうちに私は敦賀さんの手をそっと握り締めた。
いつかのアクシデントの時のように。
その時、敦賀さんの瞼がうっすらと開いた。
「おぉ、蓮!目が醒めたか?」
「蓮様ぁっ!」
社さんと松島さんもベッドの側に駆け寄ってくる。
「……………」
敦賀さんはそんな私達の顔を見渡して、ゆっくりと口を開いた。
「……あの、申し訳ありませんが、どちら様でしょうか……?」
その瞬間、その場にいた全員の顔から表情が消えた。
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ベっタベタな展開。
工事現場がロケ現場って現実に有り得るのかな?
どんな撮影だよ!って感じですが、私の中では刑事物。
んで、人質役の子役がいて…って感じ。
子役の子も追々話に参加予定(未定)
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