2013年12月 * 拍手設置(少々加筆有)



**原作沿い設定作品


※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)

特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。













『また明日』

あなたのその言葉が聞けない日が来るなんて、その時は思いもしなかったから。
私はあなたに背を向けたまま挨拶すらせず、ただ黙ってしまったんだ。


あなたはどんな表情をしていたのかな。
もっとちゃんと見ておくべきだった。


でも後悔しても、もう遅い…





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚  ビター・スウィート ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




今年のバレンタインは異様な熱気に沸いている。
アルマンディと某有名チョコレートメーカーがコラボした商品が男女問わず人気を集め、完売続出なのだ。

そのCMには抱かれたい男NO.1の敦賀蓮が起用されている。

『今年は男から愛を囁く』というコンセプトのそのCM。
老若男女問わず人気を博し、結果どの銘柄のチョコレートも売り上げを伸ばしているのだ。




「じゃぁ、今年は敦賀さんもチョコを用意してるんですね!?」

ニッコリ営業スマイルを張り付けてトークに応えるのは尊敬する大先輩、敦賀さんだ。

「はい、あのCMで食べたのと同じ物を。とても美味しかったので…」
「でも敦賀くんほど人気があれば、義理チョコの数も半端ないんとちゃう?」
「いえ、1つしか用意してませんよ。」

その途端、スタジオから黄色い悲鳴が響き渡った。

「えぇっ!!それは言っちゃってええんかいな?敦賀蓮初ロマンスをうちの番組が取り上げられる日が来るとはーっ!羨ましいお相手は誰だーっ!?」

盛り上がる芸人司会者の横で、顔を赤らめながら局アナが慌てて会場のお客さんを静めようとしている。
私はそこまで番組を見て、ぷつっとTVを消した。


「………何で敦賀さんも社さんもこの番組見てねなんて言ったのかしら。」


数日前に収録があったこの番組を見てほしいと、二人ともそれぞれ連絡を寄越してきたのだった。

「ついに『キョーコ』さんに告白するのかな………」

用意しているチョコは1つと言っていた。
どう考えても本命に渡すのだろう。
昔、坊越しに聞いた16歳の女の子…今は18歳になったであろう、敦賀さんの初恋の相手。

その子にあげるのだろうか?

それにしたって、今の番組を自分に見せる理由が全くわからない。


「まさか想いがバレて、迷惑だって事の遠回しな言い方なのかしら!?

もっとしっかり鍵をかけなきゃっ!絶対、伝えるわけにはいかないんだから………」

無意識のうちに握りこんだ両手が痛い。


今はまだ手のかかる後輩でいい。
そばにいられるだけでいい。

だからこの想いは閉じ込めるんだ。

明日のバレンタインデーは会う事ができないから、誕生日プレゼントと一緒にゼリーを贈ってるし。



大丈夫、私は大丈夫………。







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悩んだ挙げ句、基本はきょこたん目線で話を進めることにしました。
見切り発車おーらいっ。






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