2013年12月 * 拍手設置(あとがきのみ加筆)





石投げられなかったから書いちゃおう☆
あくまで桃色風味。

嫌な人はばっくおーらい。





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「きゃぅっ!?」

いつ来ても肌ざわりの良いソファーの上に、私は少し乱暴にぼすっと落とされた。

「キョーコ…誰とでもキスできる心構えが出来たんだったら、その先も大丈夫だよね?」

ジャケットをするりと脱ぎながら覆いかぶさってくるのは、『芸能界1イイ男』に君臨している敦賀さん。
…………畏れ多くも私の彼氏サマでもある。

「いいいいいえっ!決してそのような事ではございませんでして…」

あぁもう、なんでこんな事になっちゃうのかさっぱりよぉ!



あのオファー……(街中で[私にキスしてください)という看板を持ってたら、何人がキスしてくれるか)の話の途中から、大魔王が降臨なさった敦賀さんに軽々と抱き上げられ。
光速の早さで愛車の助手席に座らされ、あっという間にここ…敦賀さんのマンションに連れ込まれてしまった。

「ねぇ、キョーコ?俺は確かに言ったよ。『キョーコの心の準備が出来るまで待つよ』って。でも、準備をしてくれる前に馬の骨を量産しようとするってどういう事かな?」

いつの間にか大魔王が夜の帝王まで出現させていて、私は視線をさ迷わせながらあわあわと逃げ場を探す。

しかしいくら一般庶民の家のより大きくても、しょせんはソファー。
すぐに間合いを詰められてしまう。

「うぅう馬の骨って?私はそんな……んぅっ!?」

そんな事してないと言い返そうと思った口は、敦賀さんの艶やかな色気を湛えた唇に反論を押さえ込まれた。

初めてのキスの時もビックリするくらい激しいと感じたけれど、二度目のキスは噛み付かれるような荒々しさだ。
まるで本当に食べられてしまうような………

「ぅ…んんっ………ぁっ?!」

それと同時に脇につかれていた手が、ウエストラインから脇にかけてさわさわと撫で上げてきた。
ぞくりと身体の中で何かが反応する。

「…やぁっ………怖い……っ」

初めて経験するその感覚に恐怖を覚えて、涙が滲んできた。
唇が離れた瞬間にふと漏れた本音。


「…ごめん。焦ったりして。だけど辛いんだ。」

敦賀さんは自分の上体を私から少し離してくれて、そっと私の顔を覗き込んだ。

「君はどんどん綺麗になってくのに無自覚で。どんどんライバルだけが増えていくのは嫌なんだ。俺ばかり嫉妬して、俺ばかり求めてて…やっと手に入れた『恋人』の位置なのに、不安で仕方ないんだ。」

ぽつりぽつりと話してくれる敦賀さん。
………辛いのは私だけじゃないの?

「…嫉妬なら、私の方が多いですよ。キスシーンやその…その手の撮影…多いじゃないですか。敦賀さんの演技はとっても勉強になるけど、私…見るのどうしても…つ、辛くて……」

ダークムーンで見事嘉月の恋心を演じた彼は、それから恋愛物のドラマのオファーが増えていた。
最近放送されていたドラマもディープな恋愛ドラマで、濃厚なベッドシーン付きだった。

勉強になるとわかってはいたけれど、どうしてもその回は見る事が出来なくて、まだ録画しただけで観られていない。


いつまでも返ってこない返事にふと目線を上げると、驚いた表情の敦賀さんがいた。

……………どうしよう!?面倒な女と思われたかしらっ!?
次の言葉が『別れて』だったらどうしよう!

自然と涙が止まらなくなってしゃくり上げてしまったら、敦賀さんの柔らかい唇がそっと目元の涙を拭っていった。


「…ん。キョーコも妬いてくれるの?俺だけが求めてるわけじゃないって思っていいの…?」
「おっ、重たい女ってっ!…っく。…思わない、ですか…?」

思ってもなかった敦賀さんの言葉に顔を上げると、そこには今まで見たこともない神々スマイルの敦賀さんがいた。

「うん。むしろ嬉しいよ。キョーコ…怖い事なんて何もないから俺を受け入れて。俺もキョーコの全てを受け止めるから……」


恥ずかしい事のお願いをされたとはわかっているけど、敦賀さんが私と同じ気持ちでいた事が嬉しくて。
そっと首に腕を回して抱きつくと、そのままソファーにゆっくり倒された。







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今読み返すとえろは恥ずかしいわー(まだちゅーだけだろうが←)

*2013年12月25日*




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