2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)
※拙宅唯一の死ネタです。
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「ねぇ、キョーコ。最近何かあった?」
「ほぇ?」
久しぶりに会った親友に聞かれた意味が解らず、キョーコは首を傾げた。
「モーッ!!最近忙しくて精気を運んであげられなかったのに、やたら元気だからよっ。
ついに自分でご飯が摂れるようになれたんでしょ?」
そう聞いてきたのは、先に一人前として認められ立派にお勤めを果たしている奏江。
落ちこぼれでいつもお腹を空かせているキョーコに、奏江は時々自分の分の精気を分けていた。
しかし彼女は魔界からの指示で半年程出張に出てしまい、最後はなかなかキョーコに精気を届る事が出来なくなっていたのだ。
「え…?そう言えば、最近そんなにお腹空いてないかも。」
「モーッ!!自分のことでしょ!?一人前になる為の試験、これでやっとパスできるじゃないっ!」
そうなのだ。
一人前になる試験を受ける為には、自分一人で人間の精気を摂れる事が最低条件で。
これさえクリアすれば勉強のできるキョーコは、あっと言う間に一人前の悪魔として魔界の役所で働く事もできるのだ。
でも、キョーコには自分で食事を摂った記憶がない。
「え?………ぅん。」
「知らない内に摂ってるって事?…そんな行為をあんたがしてるなんて意外だわ。」
「やっ!?モー子さん!!そんな破廉恥な事はしてないのよっ!!」
慌てたキョーコは顔を真っ赤にさせながら、久遠とのやりとりを思い出した。
*
「イタっ!?」
「キョーコちゃんどうしたの?」
いつもの様に泉で久遠と会い話し込んでいた時、ふとした拍子に目にゴミが入ってしまった。
「あぁ、目にゴミが入ったんだね。ちょっと待ってて?」
優しく久遠に話し掛けられたと思ったら、瞼に何かが触れる感触。
えっ?と思ったキョーコが目を開けると、端正な久遠の顔がすぐ側にあり、そのまま目をペロンと舐められた。
「☆▲○×★□×●*▽◆*■◇◎※#~~~~~っ!?!?」
声にならない悲鳴を上げて距離を取ろうとするが、久遠がキョーコの肩をしっかり掴んでいたため叶わなかった。
「うん、もう取れたかな?」
「なっ、ななななな~~!?」
目をグルグル回して真っ赤になるキョーコに対して、久遠の表情はいつもと変わらず穏やかだ。
そのまま倒れてしまいそうな勢いのキョーコを、久遠はそっと抱き締めた。
「君は本当に表情が豊かで面白いよね…ぷぷっ」
「こっこんなこと普通しませんよ!破廉恥ですっ!!」
「そうかな?でも誰にでもするわけじゃないんだから。」
「そうでなくても離してくださいーっ!」
「でもキョーコちゃん抱き心地良くって…」
「私の心臓が持ちませんーっ」
*
結局しばらく抱き締められながら、そんなやりとりを繰り返していたのだ。
(でもそんなに長い時間接触してた訳じゃないし…あれからたまに抱き締められるけど、それだってそんな長い時間じゃないし…)
そう。一番手っ取り早い精気の接種方法は「異性との接触」なのである。
それも密度が関係するため、軽い包容であれば長時間を必要とし、男女の関係に持ち込めば短時間の接触で済むのだ。
純真なキョーコは後者はおろか、前者の接触ですら恥じらい戸惑ってしまう為、精気を得る事が苦手なのだ。
「…?何一人でコロコロ顔色かえてるの?でも一人の人間に執着せずに、どんどん色んな人間から摂って行った方がいいわよ?情が湧いたらやっかいよ。」
奏江は傷付きやすい親友の為を思って忠告した。
人間と悪魔の寿命はあまりにも違い過ぎる。
まして精気を摂られるのだから、その寿命はどんどん縮まってしまう。
万が一その人間に恋をしたらキョーコは傷つくだろう。
奏江は、キョーコのその後まで心配しているのだ。
「え?そりゃもちろん…頑張るわよ。」
奏江にキョーコは返事を返しながらも、最後の一言にツキンと胸を痛めた。
(そうだよね…久遠は人間なんだから。私なんかが触れていい訳ないのよね)
なぜ自分の胸が痛むのかわからなかったが、キョーコはあの居心地のいい泉のほとりへ足を運ぶのをやめようと決めた。
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あれ?終わらない…
私は眼球舐められるのは経験ないですーっ!
されたらドンビキしそうな予感………←じゃあ書くな。
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