大飯原発再稼動をめぐって | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

大飯原発の再稼動に向けて、さまざまな動きが活発化しています。

http://mainichi.jp/select/news/20120520k0000m040063000c.html

(引用開始)
大飯原発再稼働:細野氏が関西広域連合会合で理解求める
毎日新聞 2012年05月19日 20時54分(最終更新 05月20日 01時45分)

細野豪志原発事故担当相と斎藤勁官房副長官が19日、大阪市で開かれた関西広域連合(連合長・井戸敏三兵庫県知事)の知事や政令市長らによる会合に出席し、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を妥当とした政府判断に理解を求めた。首長側からは安全確認の手法に批判の声が上がり、再稼働への賛成論は出なかった。

 冒頭、斎藤氏が野田佳彦首相からの「明日の生活に責任を持つ現実的な判断が求められている」との伝言を紹介。細野氏は政府による安全確認の状況を説明した。

 大阪市の橋下徹市長は政府の基準について「安全基準ではなく津波に備える対策で、原発が本当に安全なのかは別」と疑念を呈し、「1カ月、2カ月、3カ月という動かし方もある」と期限付きで再稼働を容認する可能性を示唆した。
(引用終わり)

しかし、そもそも東京電力では夏場でも電力が足りるのに、なぜ関西電力では不足するか不思議ですね。
テレビ朝日の番組『モーニング・バード』でその解明を行っていたようで、動画がありました。



YouTubeに記載されていた要約を引用します。

(引用開始)
そもそも原発事故のあった東京電力で夏の電気は足りるのに、事故のなかった関西電力で足りないのか。

関西電力は原発への依存度が高いからだと思ってる人も多いだろうが、2010年の夏のピーク時の原発依存度は、東京電力が16.7%で関西電力が25.6%と、思ったほど­違わない。
では暑かった2010年と今年ではどこがちがうのか。

東電では去年から緊急設置電源を準備していたが、関西電力はほとんど作らなかった。
もし用意していたら、関西の電気も足りていたかも。
ではなぜ関西電力は努力しなかったのか。

古賀茂明氏は、今は「電力が足りない」という脅しを続けて再稼動に向かおうとしている、という。
経産省と関西電力が一体となって進めている話として、当初はプランAというものがあった。
それは311から1年たったら、喪が明けたということで早々に原発再稼動を決めてしまおうと。
決めても、国民は一年たったら忘れているよと。
ところが実際には国民はそんなに甘くなかった。そんなにバカじゃないです。

そこで、このままじゃいけないということで、プランBに移った。
これは無理やり政府が強行するのではなく、わざと時間をかけて電気が足りないんじゃないかとPRしていく。
政府の需給検証委員会もそうです。
するとそのうち、中小企業や自治体の中に、もう我慢できない、心配だから動かしてくれという声が出てくるだろう。
それを受けて、わかりました、そこまで言うなら動かしましょうという作戦がプランB。

ところがそれをやっていくうちに、大阪の戦略会議などから、もっと数字が出せるんじゃないか、ひょっとすると足りるんじゃないかという話になってきた。
それで計画停電とか電力使用制限令など、新しい脅しを出してきてますが、それで再稼動までいけるか不安が残る状況だと思います。

でもこれで終わらないんじゃないか。プランCがあるかもしれない。
それは最悪のシナリオだが、何がなんでも原発を動かしたいということになると、ある意味で停電テロみたいなものだが、そこまでいくんじゃないか、と古賀氏は言う。

要するに去年から準備をしてれば電気は足りるのに、今までのばしている。
これはなんとかして停電にもっていきたいと思ってやってきたとしか思えないんです。
需給検証委員会をなんで4月にやるのかと。
(引用終わり)

経産省の官僚なら、わざと準備不足のままにして電力不足に持ち込み、停電するぞと脅しをかけて原発再稼動につなげるくらいのセコイまねをすることは十分考えられます。

しかも東電の原発を最初に稼動させるのは批判が強すぎて考えられないことから、関電に悪者になってもらって第一号を稼動させ、それを契機に他の原発も順次稼動させるように持っていこう、など、いかにも思いつきそうなことです。


ただ、さすがに「停電テロ」までは考えないでしょう。
関西電力から抗議を受けています。

http://www1.kepco.co.jp/notice/20120517-1.html

(引用開始)
「本日(平成24年5月17日)、テレビ朝日「モーニングバード」の番組内で、大阪府市統合本部特別顧問・古賀茂明氏の「火力発電所でわざと事故を起こす、あるいは事故が起きたときにしばらく動かさないようにして、電力が大幅に足りないという状況を作り出してパニックをおこすことにより、原子力を再稼動させるしかないという、いわば停電テロという状態にもっていこうとしているとしか思えない」というインタビューが紹介されましたが、当社として、そのような事を検討している事実は一切ありません」
(引用終わり)

元経済産業省官僚で干されていて本を書いて有名になり、今は橋下の下で働いている古賀茂明氏ですが、ちょっと調子に乗って口が走りすぎたようです。

(関電や経産官僚が万一考えていたとしても、そんなことを他人から言われたら否定して、発言者を非難するいい口実にされるるだけです。)


(ところで、テレビ朝日がこんなに関西電力を批判できるのも、関電が(全く?少ししか?)広告を出せなくなったからでしょうね。東電の事故直後には、各テレビ局はまだ電力会社に遠慮したことしか放送していなかったと記憶しています。
昨日の『チョムスキーとメディア』で批判されている米国のメディアほどではなくとも、やはりテレビ局は利益を追求しているのであり、状況次第で報道内容が変化する好例です。)


それはさておき。

関西電力の需給バランスについては、自民党の河野太郎氏も政府に質問を提出し、その政府答弁のひどさにあきれていることをブログに書いています。

http://www.taro.org/2012/05/post-1203.php

(引用開始)
このやる気のなさ、情報の隠蔽体質、ひどいものです。
原発が止まって、需給が逼迫することをわかっていながら、何も手を打たないできた経産省の崖っぷち作戦が、停電を引き起こすのではないかと心配になります。

今の経産省では、原発の再稼働をするために、一度ぐらい、停電が起きた方がよいぐらいに思っているのではないでしょうか。
(引用終わり)

経産省の官僚なら考えそうなことであることは、河野氏もわかっているようです。


さて、あるべき今後のシナリオを私なりに考えたら、以下のようになります。

・関西電力の需給バランスを見極め、本当に電力が不足するのかどうか、今一度確認する。

・(作為によって生じた結果で、官僚の術中にはまってしまったのは残念だとしても)現実に電力不足が起きるのであれば、計画停電による工場・病院・一般市民等の被害をなくすために、大飯原発(あるいはより安全性の高い原発)の再稼動だけはやむを得ない。

・ただし、その場合でも安全を確認するのは政府(だけ)ではなく、独立した(原発推進者でもなく極端な原発反対論者でもない)中立な第三者であるべき。

・大飯原発の稼動は、今年の夏場の数ヶ月に限り、その後は再停止させることを前提とする。これにより、需給バランスからは必要のない原発が次々と再稼動されていくこと(=原発推進派の経産官僚の思惑であろう)を現実化させない。
(これ、橋下氏と同意見であることは心外ですが…。ただ、数ヶ月で停止させる法的根拠はあるのでしょうかね?)

こんなところが、現実的ではないでしょうか。


枝野大臣はどういう動きをしているのか調べてみたら、大飯原発以外の再稼動には慎重なようです。現実を見ながらも市民の感情にも敏感であり、かつ「あるべき姿」も考えている政治家らしいと思います。
やはり、私と考えが一致するようです。
(↓ちょっと古い4/20の記事ですが)

http://mainichi.jp/select/news/20120421k0000m020132000c.html


(引用開始)
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)以外の原発の再稼働が今夏までには間に合わない可能性が高まっている。枝野幸男経済産業相が20日の記者会見で、今後の原発の安全評価(ストレステスト)について「原子力規制庁の発足を待つべきだ」と表明したためだ。一方、藤村修官房長官は、規制庁発足と再稼働判断との関係を否定。電力会社も現体制での安全評価の継続を求め、枝野氏への反発を強めている。
(引用終わり)

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