平和記念資料館


「広島で再び平和について考える」


これが今回の旅行のメインテーマの一つであります。戦争が終わって70年、人々は平穏な生活を送ってはいますが、今の日本は平和と言えるのでしょうか?


平和とは一体何なのか?今回広島を訪れ、もう一度平和について考えてみようと思いました。


原爆ドーム、平和記念公園を訪れ、最後は平和記念資料館と平和祈念館を訪れました。




資料館前の噴水


資料館前の噴水。




嵐の中の母子像


嵐の中の母子像。このモニュメントは、原水爆禁止運動推進を記念して建てられたモニュメントで、原爆の中を2人の子供を庇いながら懸命に逃げ回る母をモチーフにしています。作者は「わだつみの像」で有名な本郷新氏。


資料館前にあるモニュメントですが、これを見ていると悲惨さ、悲しさを物語っていると一瞬で感じます。




平和記念資料館


広島平和記念資料館に着きました。時刻は8時半前でしたが、多くの方が列を作って並んでいました。その中には海外から来られた方々も沢山いらっしゃいました。


平和記念資料館は、被爆の実相を展示する事で、核兵器廃絶と世界恒久平和を訴える施設として公園の中心部に建てられた建物です。


建物は東館と本館に別れていて、東館は被爆前後の広島の歩みをパネル、映像、模型を使って紹介されていますが、現在東館はリニューアル工事が行われているので、入る事が出来ません。

9年前に東館に入りましたが、今も申しましたが、被爆前後の広島の歩みがご紹介されていました。パネル、映像、模型を見て、広島の歩みを隅々まで見て行きましたが、学校で習った時以上に戦争の悲惨さを知りました。



現在は東館は入れないので、今回は本館のみ開館されていました。入場料50円を払って本館に入りました。


中に入ると、一番最初にきのこ雲の写真が沢山展示されていました。原爆が投下された瞬間の写真が沢山展示されており、呉市から撮影した写真でも、きのこ雲が目立っていました。



「何故広島に原爆を投下したか?


アメリカは、原爆の効果を正確に推定出来るよう、直径3マイル(約4.8キロメートル)以上の市街地を持つ都市から投下目標を選びました。

広島・小倉・新潟・新宿・長崎のいずれかへの投下命令を下し、その後広島を第1目標としました。それは、目標都市の中で唯一、連合国軍の捕虜収容所が無いと思っていた為です。その為、広島に最初に原爆が投下されたのです。


広島に投下された原子爆弾は、長さ約3メートル、重さ約4トン。開発当初の設計よりも短くした為、「リトルボーイ」と呼ばれていました。リトルボーイの強烈な熱線と爆風は、爆心地から2キロメートル以内にあった殆どの建物を破壊し、焼き尽くし、放射線によって急性障害が一応収まったとされる1945年12月までに約14万人の尊い命が失われました。



平和記念資料館では、9年前に訪れた頃と違い、現在は写真撮影が可能らしいのですが(但し、フラッシュ撮影は禁止)、私は敢えて撮りませんでした。何故ならば、長崎の時にも申しましたが、やはりこう言った施設は写真で撮るよりも、自分の目でしっかりと焼きつけた方がいいと思うのです。



本館では、破壊された当時の広島のジオラマや、戦争の悲惨さを訴える写真や絵画、そして遺品が展示されていました。数年前、マネキンを撤去すると言ったニュースが流れていたみたいですが、マネキンも展示されていました。

9年前マネキンを見ましたが、マネキンとは言え、本当に凄まじかったです。余りの凄まじさに戦争の悲惨さを経験されたと思われる老人の方が「あの時は本当に怖かったねぇ」と孫らしき子供に話しかけていたのを今でも覚えています。


まだウェブリ版が本店だった時にも広島の旅行記を掲載した時、コメントが寄せられたのですが、そのコメントには「余りの悲惨さに失神して救急車で運ばれた外国人もいらっしゃった」とありました。平和記念資料館を改めて訪れると、本当に戦争と言う物が如何に残酷であるというのが分かります。

色々な資料を見ている最中、すすり泣く声が聞こえてきたので、隣を見ていたら、私の隣で資料を見て涙を流していた小学生の女の子がいました。私も小学生の頃、社会の時間で毎日のように戦争の事を教えられましたが、資料館に展示されている展示品を今回訪れた方々の瞳にはどう映っていたのでしょうか?



前回紹介した原爆の子の像を建てるきっかけを作った佐々木禎子さんの年表が展示されていました。

佐々木禎子さんは、2歳の時に被爆されました。一命は取り留めたものの、10年後、突然白血病と診断されました。

赤十字病院に入院し、病気の痛みに耐えながらも、健康の回復を祈って鶴を折り続けましたが、願いも叶わぬまま8か月の闘病生活の後、短い生涯を終えたそうです。

資料館には、実際に禎子さんが折った折り鶴も展示されていました。放射線の被害は数年後も拡大して行き、ケロイドや白血病、ガンも発生させ、人々を苦しめました。佐々木禎子さんもその中の一人でした。


広島市は、佐々木禎子さんをはじめ、原爆で亡くなった子供達を慰霊する為に「原爆の子の像」を建設されたそうです。


今回で2回目でしたが、1回目以上に戦争の悲惨さを感じました。資料館にはメッセージノートもありましたので、今回もメッセージを書いて来ました。約1時間半でしたが、平和記念資料館で戦争について色々と考えさせられました。




被爆したアオギリ

次の目的地である平和祈念館に行く途中、アオギリに遭遇しました。このアオギリは「被爆したアオギリ」で、被爆当時、熱線と爆風をまともに受け、殆ど焼けてしまいましたが、翌年の春、奇跡的に芽吹き、被爆と敗戦の混乱の中で虚脱状態にあった人々に生きる勇気を与えたと言われています。

1973年に平和記念公園に移植され、その後も種子を付けており、これらの種子は国内外へ現在も贈られています。




平和祈念館

平和記念資料館とは目と鼻の先の距離に平和祈念館があります。




8時15分のモニュメント


祈念館位置口付近には、8月6日8時15分を示すモニュメントがあります。その周囲には、水を求めて亡くなられた方々を弔うため、噴水を配しているそうです。

ここから北東に約200メートル離れた「島病院」の上空約600メートルで原子爆弾が炸裂しました。




平和祈念館入口


国立広島原爆死没者追悼平和祈念館。原爆死没者の尊い犠牲を銘記し、追悼の意を表すと共に、永遠の平和を祈念する為に検察された建物です。2002年に開館し、原爆の悲惨さを全世界の人々に知らせ、その体験を次の世代に継承する為の施設です。


入場は無料です。


ここも、平和記念資料館同様、自分の目でしっかりと焼きつけて欲しい所です。



主な事業は


原爆死没者のお名前と遺影の展示


被爆体験記


被爆体験記朗読会


で構成されています。



中に入ると、「追悼空間スロープ」と言う所を通り、地下2階の追悼空間へと通じます。スロープの途中に原爆投下までの経緯や概要について説明されています。


地下2階に入ると、そこは追悼空間になっていました。追悼空間は原爆死没者を静かに追悼し、平和について考える場所になっています。

中央に配しているモニュメントは、地上部と同様、原爆投下時刻である「8時15分」を表しています。壁面は、原爆で犠牲になった14万人と同じ数のタイルを用いて、広島周辺をパノラマで表現しています。


私はここで約10分間、静かに考えていました。8時15分、広島は一瞬にして壊滅し、多くの命を奪われました。ある書籍によると、原爆で犠牲になった方々は「一気に死を飛び越えて魂になってしまった感じだった」と書かれていましたが、本当に戦争の恐ろしさを感じました。この日だけで10回以上は感じていたと思います。




1945年8月6日午前8時15分、広島で何が起こったのか!?



今回広島に再び訪れて、平和について再び考えましたが、やはり、広島には絶対に訪れるべきだとも思います。長崎も同じです。一度現地に訪れて戦争と言う物、平和と言う物を自分の目、肌で感じないといけないと思います。施設を訪れ、戦争の悲惨さをその目でしっかりと焼きつけておくべきです。


戦争が終わって70年経ちますが、世界各国では今も戦争が続いています。戦争を無くす事は出来ないかも知れませんが、その戦争の悲惨さを次の世代に伝える事は出来ます。その為には、戦争の事をもっと知るべきだと思います。


会社の先輩が「将来人生の役に立つ」と言っていましたが、今回再度広島を訪れてそれを確信しました。広島を訪れて本当に良かったと感じました。




公園周辺の桜


公園周辺の桜 2


公園周辺には、満開ではありませんでしたが、綺麗な桜が咲いていました。こう言った光景を見てると、戦争を二度と起こさないようにしなければいけないと思いました。


今の自分達に出来る事は何なのか?今一度考えなければいけない。そう考えさせられた時間でした。




次の目的地は広島城ですが、広島城へ行く前に私は紙屋町で昼食を取る事にしました。



次回は


「紙屋町で昼食を」


をお送りいたします。




<広島市平和記念資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館のご案内>

共にJR広島駅から広島電鉄宮島口行きの電車に乗り、「原爆ドーム前駅」下車、徒歩5分


平和記念資料館は入場料大人50円、高校生30円、中学生以下は無料、団体(30人以上)は大人40円で大人以外は無料


追悼平和祈念館は入場無料



詳しくは


平和記念資料館のホームページ


http://www.pcf.city.hiroshima.jp/



平和祈念館のホームページ


http://www.hiro-tsuitokinenkan.go.jp/


にアクセスして下さい。





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