No Communication, No Love | In The Groove

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a beautiful tomorrow yea

 
社会的階層の中で、知人、友人、親しい仲間を選ぶ場合、ある傾向がある。形式化された会社のつき合いでは、「新たな知り合いを増やす」可能性は狭まるばかりだが、「第三の場所」ではその可能性を広げ、人との出会いを限定する傾向に対峙する。なぜなら、その場所はみんなに開かれていて、社会的ステータスによる区別にとらわれない出会いの質が強調されるからだ。「第三の場所」で重視されるのは、その人の性格や魅力といった個人的な事柄であり、社会的身分ではないのである。

レイ・オールデンバーグ著『The Great Good Place』より

 

ニーチェの誕生日

 

前回は、フリードリッヒ・ニーチェの誕生日10月15日)に、“Dear Friedrich(親愛なるフリードリッヒへ)”といったタイトルで、23時台にブログを気まぐれに書き始めたが、更新した時点では、日付は翌16日に変わっていた。また、ブログ内で取り上げたエミネムの誕生日は10月17日だ。

 

フライデー・ナイト

 

神宮前の『BOOKMARC』、銀座5丁目の『PRADA』路面店、銀座7丁目にオープンした新しいレストランについてツイートしたのは、都心で日中30℃を記録した、1週間前の金曜日だった。

 

当日の俺は、セカンド・プレイスから銀座7丁目での会食前に、同3丁目の松屋銀座、同5丁目のプラダを経由し、最終目的地であるレストランへと向かったのだ。

 

帰宅後、それらについてTwitterで連投したが、プラダの3度目の移転について「プラダの移転は、有楽町1丁目にはじまり、銀座6丁目、そして今回の銀座5丁目。ご苦労様」と。そして最後に「メイ・ゴッド・ブレス・ラグジュアリー!Good night!」で締めくくり、翌土曜日は、ファースト・プレイスから外資系ラグジュアリーホテルへと向かった。

 

サード・プレイス

 

三連休は、ダニー・ボイル監督最新作『トランス』と、3本のDVD【ジャン=リュック・ゴダール監督作『勝手にしやがれ』(1959/仏)、ロバート・デ・ニーロ主演作『恋におちて』(1984/米)、ウディ・アレン監督作『世界中がアイ・ラブ・ユー』(1996/米)】を鑑賞した。

 
また、三連休の読書に選んだのは、アントネッラ・アンニョリ著『知の広場』(2011年/みすず書房)だ。1952年生まれのイタリア人女性が書いた同書のはじめには、「日本のみなさんへ」といったメッセージが書かれており、一部抜粋して紹介したい。

 

私たちは昨今、iPhoneiPadなどの液晶ディスプレイに釘づけになり、Twitterやテキスト・メッセージだけを通じて友達や家族とコミュニケーションをとる時代に直面しているのでしょうか? いいえ、私はそう思いません。だからこの本を書きました。

 

私たちは本当のところ、一人きりで、氾濫する文化情報についてゆこうとディスプレイに夢中になりたい訳ではありません。私たちが本当に選んでいるのは、ある場所」―広場、図書館、書店など―に行くこと、そしてそこで音楽小説映画芸術ファッションレストランについてちょっとしたおしゃべりのできる人にめぐり会うことなのです。私たちは人に出会い、経験を共有し・・・

アントネッラ・アンニョリ

 

私的にはとても興味深い1冊だったが、この本の中で目に留まったのが、1932年生まれのアメリカの都市生活学者レイ・オールデンバーグ>の名前だった。なぜなら、1989年に出版された彼の著書『The Great Good Place: Cafes, Coffee Shops, Bookstores, Bars, Hair Salons, and Other Hangouts at the Heart of a Community』は、国内外問わず、数多くの書籍で取り上げられているからだ。

 

例えば、

common cafe(コモンカフェ) 人と人とが出会う場のつくりかた(2007年/西日本出版社)

ワールド・カフェ カフェ的会話が未来を創る(2007年/ヒューマンバリュー)

cafeから時代は創られる(2011年/いなほ書房)

 

家(ファースト・プレイス/第一の場所)、職場や学校(セカンド・プレイス/第二の場所)はさておき、オールデンバーグが「都市の魅力を高める概念として提唱した『サード・プレイス』とは、職種や居住地区とは関係のない出会いの場を「第三の場所」と定義しているのだ。人々がただそこに居たいというだけで一緒に居られる場所のことだ。

 

尚、レイ・オールデンバーグの1989年の著書『The Great Good Place』の翻訳本『サードプレイス コミュニティの核になるとびきり居心地よい場所』が今月26日、みすず書房から出版される。

 
アメリカにはかつて、歴史あるイタリアのバール(エスプレッソ・バー)をはじめ、フランスのカフェイギリスのパブなど、市民が集うような場所が存在せず、この「サード・プレイス」の概念を参考にし、誕生したのが、他でもないスターバックスなのだ。尚、スタバの創業者<ハワード・シュルツ>は、著書『スターバックス成功物語』(1998年/日経BP社)の中で、次のように述べている。

 

スターバックスはアメリカ市民の「サード・プレイス」を求める欲求を充たす店づくりをこれからも展開していく。

 

以前のブログで書いたかもしれないが、イタリア旅行に行った人であればご存じだろうが、歴史ある独特のカフェ文化が発達した芸術の国<イタリア>には、スタバは存在しないのだ。ハワード・シュルツはイタリア旅行後の翌年、イタリアのバール文化に魅了され、スタバを創業したのは有名な話だ。とはいえ、スローフードな美食大国イタリアにも、(赤いポップな看板ではなく)黒いシックな看板のマクドナルドは存在するけどね(笑)。

 

付け加えると、比較的に割安なアメリカン・ブランドの中でも、ラグジュアリーと位置付けられるトム・フォードや、ラルフ・ローレンの「パープル・レーベル」など、最高級のものには全て、“MADE IN ITALY”(イタリア製)のタグが縫い付けられているのも確かだ。それが何を意味するのか、このブログを読んでいれば、説明は不要だろう。

 

リッツオーリ

 

ニューヨーク好きで、写真集が好きな人が、必ずといっていいほど足を運ぶ57丁目の書店が、同57丁目に位置する<フォーシーズンズホテル>や<バーグドルフ・グッドマン>から徒歩数分の距離に位置する本屋『Rizzolii(リッツオーリ)』だろうか。五番街に面した56丁目の<アルマーニ・フィフス・アヴェニュー>にも近く、このエリアは世界を代表する高級なショッピング・ストリートを形成している。

 

リッツオーリは、イタリアのミラノに本社を構える出版・メディアのコングロマリット『RCSメディアグループ(RCS MediaGroup S.p.A.』に属する出版社だ。先述したDVD『恋におちて』にも登場する書店としても有名だ。

 

去る13日には、ツイッター上で、同書店でもオススメされていた本3冊をRTしたが、その1冊がアラン・デュカスの『J'aime New York: 150 Culinary Destinations for Food Lovers』(写真:一番上)だ。

 

アラン・デュカスとニューヨーク

 

彼が、ニューヨーク59丁目のエセックス・ハウスに出店した超・超高級フレンチアラン・デュカス』は失敗に終わったことは、数年前のブログで書いたとおりだが、その後、55丁目のセント・レジス内に超高級フレンチ『アドュール』をオープンさせ、俺は2009年に早速足を運んだが、今年の5月にクローズした。同じく55丁目に位置するアラン・デュカスのビストロ『Benoit(ブノワ)』にも足を運び、2009年のブログで、写真付で紹介したが、同レストランは営業中だ。不況が続いたとはいえ、フランスのスーパースターシェフ<アラン・デュカス>でさえ、ニューヨークでは四苦八苦しているのが現実なのだ。

 
  
そう、2010年7月28日付ブログ“And we all get it in the end”では、先述したアラン・デュカスについて書いているので、興味のある方はどうぞ。また、当時のブログで触れた人気レストラン『ELEVEN MADISON PARK』で働いていたシェフ<ブライス・シューマン>が独立し、今年レストラン『Betony』をニューヨークで開業させたため、先日ツイッター上で目に留まり、RTしたが、私的に気になる店ではあるが、興味のある方はどうぞ。

 
最後になるが、今月3日から2週間にも及ぶ、サンパウロ在住のあるブラジル人女性のニューヨーク旅行記ツイートが面白かったので眺めていたのだが、米人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』に興味のある方には、とても興味深い旅行だと思う。また、その中で、過去俺も足を運んだ高級ホテル『カーライル』で、楽器を演奏するウディ・アレンの写真が目に留まったのでRTした。

 

そう、たしかにニューヨークの物価は高い。

だが、ここには払う金額に見合う素晴らしい店もある。

―タキ・テオドラコプロス

 

Have a nice weekend!