日本の医療を考える8/医学部卒業→テレビ局に就職問題 | 東京中央美容外科【TCB仙台院】 院長 安本 匠 美容外科の匠

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「医学部を卒業→テレビ局に就職」が物議を醸す
本来、誰がどんな仕事に就こうと、他人がそれに文句を言う権利などないはずだ。しかし就職に際し、非常に珍..........≪続きを読む≫
「医学部を卒業して国家試験に合格したけど、テレビ局に就職しちゃった人がいますよ」ということで物議を醸していますね。なんでこんなに騒がれているか理解に苦しみますが、就職先がテレビ局だったからでしょうね。もし、就職先が厚生労働省、WHO、保健所、製薬会社だったらニュースにもならなかったでしょう。たくさんいますからね。中には、作家、弁護士、政治家、経営者などになる人もいれば、国家試験に受からずに一般企業に就職する人、国家試験に受かったけど臨床医を目指さず、基礎研究者になる人、病理医や放射線科医になって患者さんに会わない人などもいます。純粋な臨床医になる人が大半ですが、一般の方が知らないだけでそうでない人も毎年沢山いますよ。

私の知る限り、全国の医学部医学科で原則的に医師になるという進路が決められているのは、防衛医科大学校、自治医科大学、産業医科大学の医学科卒業生だけです。他大学の学生は、進路は自由であり、なんのペナルティもありません。医師になるつもりはないけど、純粋に医学を学びたいからという理由で医学部に入っても、現行制度ではなんら問題はありません。学問の自由や職業選択の自由は国民に認められた権利です。

もちろん、医学部の役割の多くは臨床医を養成することですので、多くの卒業生が臨床医になることが望ましいのですが、全員が臨床医になってしまうとそれは社会にとって不利益となります。医学知識を持った他の専門職も社会のために必要だからです。公共の電波を用いて放送をしているテレビ局に、医学知識を持った局員がいれば、一定の役割を果たせるかもしれません。即就職ではなく、医師としての実務経験を積んでからの方が良かったとは思いますが。

今回の件を受けて、多くの批判的な意見は、「多額の税金を医学教育にかけているのに医師にならないなんてけしからん」というものです。1人の医師を養成するのに1億円かかるなんて言われていますけど、都市伝説のレベルの話だと思います。附属病院、医学部の職員の人件費、維持管理費、設備投資費などを学生の頭数で割れば、確かにそのくらいかかるかもしれませんが、医学部の役割は臨床、研究、教育です。どこにお金がかかっているかは、6年間通えば明らかです。臨床>>>>研究>>>>>>>教育です。学生の数が多少前後しても、億単位の経費が増減することはありえません。医学部の講義は臨床と研究の合間のごく僅かな時間にパワーポイントをヒタスラ流す、実習は附属病院で医師のそばに付いて見学したり、患者さんの話を聞いたりです。講義は他学部と大差ないし、学生がいてもいなくても、附属病院の経費は大して変わらないと思います。また、税金の投入を持ち出すのであれば、例えば法学部などでも同じ議論が成り立ってしまいます。

6年間という医学教育を受けてきて、様々な理由で「臨床医になること」以外の道を選ぶ学生は少数派ですが、一定数います。そのような学生を非難するのではなく、「臨床医になること」、「臨床医であり続けること」が、彼らにとって魅力的になるような仕組みつくりが、ニッポンの医療にとって必要なのではないでしょうか。



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