ダーウィンの進化論。
それは、音楽の世界にも当てはまる。
例えば、楽器。ピアノだって初めからその形でじゃーん、と登場したのではない。
一番根底にあった問題は、「どうすれば大きな音が出るようになるか。」
これを可能にしたのは、18世紀以降の産業革命があったからこそ。

ハープシコードが弦をはじいて音を出すのに対し、弦をハンマーでたたく方法を取る、
初めて今のピアノの原型となるフォルテピアノが登場したのが1709年。
イタリア・フィレンツェのクリストフォリ(Bartolomeu Cristofori[1651-1731])の手によるもの。
今は一つの音に対して弦が3本引かれているが、当時は2本。
でも、まだまだ音はいまいち・・・・
その後、イタリアでは後継者がなく、ドイツのオルガン制作者ジルバーマン(Silbermann)に引き継がれ(参照
ドイツでは、Silbermann, Zumpe, J.Steinといった制作者が、
イギリスではBroadwoodがピアノの楽器の開発に貢献。

鍵盤の拡張。
1790年に5オクターブ半(Broadwood)だったものが、1794年に6オクターブに。
それが、100年後の1900年には88鍵の今の平均的な形に。

サイズもどんどん大きくなる。
アクションもどんどん改良され、ダンパーやソフトペダルも追加される。(1783 by Broadwood)
そうやって実験的な改良が試されている時は、いろいろな面白いものも登場する。
例えば、ドイツのあるピアノは5つか、6つか、ペダルが付いていて、
シンバルのような効果音が付けられるものも見たことがある。
例えば、トルコ行進曲。あの太鼓のマーチのような部分で一緒にそのペダルを踏むと、
「バン!バン!ベル
という効果音を付けられる。
これを初めて聞いた人はさぞかし驚いただろうなあ。
想像しただけで微笑んでしまう。なかなかeffectiveだったと・・・。

音量と共に音質も研究、改良を重ね・・・・・。
みんな良いものを作ろうと、努力してきたわけだ。
「ローマは一日にしてならず」、なのである。

ピアノの詳しい歴史については、いろんなページで紹介されているから、
そちらを参考に・・・。
YAMAHA:ピアノの歴史
Pinao, Wikipedia (英語)
Piano History (英語)
A History of the Piano, 1157-2007 (英語)

進化してきたのは、楽器だけじゃない。
音楽の形式や、スタイル、そしてジャンルも。
また、その話もしたいと思う。