7月30日と31日の2日間で、根室市でトコロジスト養成講座の講師をやってきました。

トコロジスト生活

根室市は漁業の街。
と同時に、春国岱という広大な湿地帯をはじめとした豊かな自然を生かしてエコツアーを産業として定着させようと力を入れている街です。

トコロジスト生活

数年前からネイチャーガイドの養成を進め、バードアイランドフェスティバルというお祭りを通してフィールドとしての魅力の発信にも努めています。


今回は、そのエコツアーガイドの養成講座の一環で呼んでいただきました。
というのは、エコツアーガイドの基本はトコロジストであるということで、全6回にわたる「ねむろトコロジスト養成実践講座」の最初の2回分を担当させていただいたのです。


参加者は10名。面白いところでは、農業高校の先生や漁師のおかみさん、その他に山歩きが趣味の方やリタイヤ後の活動として参加された方、それから観光関係の方などなど。年齢も20~60代まで多彩です。

でも、みなさん共通していたのは根室に対する思い入れが強いこと。特に、一度根室を出た方が多く、「東京でOLしてました」とか、「アメリカでしばらく生活していた」とか、外へ出ることによって根室の良さがわかったという人が目立ちました。


さて、講座ですが、冒頭はボクから「トコロジストのすすめ-概論編」「トコロジストのすすめ-技術編」と立て続けに2本の講義。


ここは、
「おっ、なんかトコロジストっておもしろそうじゃん。」
「なんか、俺でも(私でも)できるかも。」
と思ってもらえれば成功。


昼食の弁当を食べながら、会話の端々に「・・・トコロジストって、・・・」とときどきフレーズが聞こえてくる。割と印象に残ったみたい。うん、まずまずの出だしかな。


次に、今度は地形図をもって、フィールドに出る。
会場になっている春国岱原生野鳥公園には、参加者は何度も来ていてなじみの深い場所だ。
でも聞いて見ると地図を見ながら歩いた人は誰もいない。
道に迷う心配はないからわざわざ地図なんか見ないんだよね。


トコロジスト生活

ところが、あらためて地図を見ながら歩いて見ると、意外と普段見落としていることが見えてきたりする。「ええっ あんなところに電波塔があったけ?」
「そうか、地形的にはこんな位置関係にあるのか。」

などなど、色んな発見があるものだ。

そう。「歩く目線」と「地図の目線」ってまったく違うんです。地図は歩く目線では得られない視点を補ってくれる。

だから、たとえ歩きなれたフィールドであっても、フィールドのことを深く理解しようと思ったらまず地図を入手して、地図を見ながら歩くこと。
これはフィールドワークの基本ですね。


というわけで、地図の見方の練習した後は、このブログでもおなじみの生きもの地図をみんなで作ってみました。

トコロジスト生活

今回は、2班で、シカギク、マルバトウキ、アッケシソウ、ヨシ、ハマニンニク、マイヅルソウの6種類。調べた結果は、後ほどアップしますがなかなかの地図が出来上がりました。


トコロジスト生活

このタイトル、主催者の担当者直筆!


2日間通して、トコロジストとしての考え方と実技を伝えてきましたが、アンケートの結果を見る限りはまずまずの反応だったようです。
特に、「自分もフィールド持って通ってみようかな。」と思ってもらえたことと、「地図を使って歩いてみよう。」と思ってもらえたことは良かったと思います。


今後はぜひ、自分のフィールドを何度も歩き、長い時間をかけて見ていくことの楽しさと、場所への愛着感をかみしめていってほしいです。

講座は、これからあと4回続きます。皆さん頑張って、よいガイドになってくださいね!お疲れさまでした!