お母さんからの軍配 | 播磨の甲斐遊記

播磨の甲斐遊記

 播磨の山間部で甲斐犬とともに自然を満喫しています。家族と楽しく梨栽培など色々なことを無理なく負担なく行っています。こんな環境に感謝しつつ、これからの歩みを遊記として綴っていきたいと思います。

2月14日 世はバレンタイン

そんな浮いた気持に成れない我が家

先日も記した通り この日は義母の命日

いつになったらこんな気持ちが

和らぐのだろうか?

そう思う気持ちも有るし

そう考えることが間違っているのでは?

罪さえ感じる今日この頃


当日 届いた軍配は総欅作り

一本ものの手作り品


これまでも弟には2本の軍配を贈っている

地元の木工所 指物大工さん

それぞれに頼んで作って頂いた2本


現在も弟は本場所 巡業と使い分け

一番一番を裁いているようです


軍配に記した文字

いつもこれで悩まされていた

過去にあまりないもの 

現在使用されてないもの

重複しないようにと様々に考えた


入門して初めての3月場所

大阪の宿舎に届けた軍配は

「明鏡止水」

曇りのない鏡と静かな水 なんのわだかまりもなく

澄みきって静かな心の状態の意味

そんな姿を求めて記した


揮毫して頂いたのは

我が家の祖母の従兄弟にあたる

筆の名手

新弟子に合うように楷書でしたためて頂いた


2本目は5年目の3月場所

兄弟子行司さんに

助言を頂いたのをきっかけに

ひょうたん型の軍配の改良型

もっとくぼみをはっきりした方が

カッコが良いよ!


そして作った軍配は「桜梅桃李」

桜は桜  梅は梅 桃は桃 李は李

それぞれの姿 特質がある

桜は決して梅にはなれないけれども

桜であるからこその美しさがある

同様にどんな人にも その人でなければ

発揮できない素晴らしい個性や役割・使命がある


より成長した弟に期待を込めた

軍配の裏には

行司より 我を生かし創るものなし 

この道一途 ちょっとした歌を記した


下手くそながらも弟が

「秀ちゃんが書いてくれたら良い」

そう言われて書き記した文字


そして私たちの結婚10年の節目

頑張る弟にも記念の品を贈りたい

何を贈ってあげようかな?


装束も考えたが 生憎金欠

マイカーも買ったし先立つものが無し

甲斐性なしの兄であることを詫びながら

やはり思いついたのが軍配


この度 作成を依頼した所は

モンドやブンジなどをお世話頂いた

藤神犬舎さんの木工部

ブログやホームページからも分かります通り

様々な作品を作製されておる匠の技と作品


ご負担をかけてはと思いながら

ご相談を申し上げると

快く引き受けて下さり話はトントン拍子


今回はたまご型の軍配

そしてやや大ぶりの軍配に

型紙を作って 細かな依頼を記して

見本の軍配と一緒に発注依頼


仕上がりを楽しみに待つばかり


そうそう軍配の文字を決めなくては!

表の文字 四文字熟語

決まりはないが 辞書片手に引くが

イマイチ思いつかない 


こうなったら人に聞くのが一番!

甲斐犬談義中の小林代表に

軍配に記す四文字熟語と言ったら何?

即答で「そりぁ風林火山だろ」


流石は代表!

秀朗もしってる小林代表!

武田信玄 甲斐犬 

行司の道にも通ずるものが大いに有る


何でこんな立派な言葉がすぐに

出てこないんだ・・・・・

頭の悪さをつくづく感じた


「風林火山」

風のように素早く動いたり 

林のように静かに構えたり

火のような激しい勢いで侵略したり

山のようにどっしりと構えて動かないの意

転じて 物事の対処の仕方にもいう

時機や情勢などに応じた動き方


正しく裁きにふさわしい心得


お次は裏面 実況放送で耳にする

「さぁ制限時間一杯 軍配が返りました」

立ち合いの時 行司の軍配は裏

制止する瞬間 よく目立つ時でも有る


何にするか???

表は行司としての心得

裏はやはり人としての心得 あり方・・・

昨年の夏 弟に贈った「修身の教科書」


その昔 日本には修身という教科が

小学校で教えられておりました

修身では 努力 友情 親孝行 公益 正直など

25項目に及ぶ徳目を日本人にとって

馴染みの深い過去や現代の偉人や

有名人の言葉やエピソードを

ふんだんに用いて教えを受けていました


国技に生きる身

相撲とも非常に関係の深い明治天皇陛下

修身 教育勅語

「修身」を頂くことに決定


表は「風林火山」 裏は「修身」

藤神さんの奥様も書がお上手

とある日のブログを拝見して

是非とも頂きたいと思った書


作製と同時に文字入れもお願い

見事に甲斐犬を通じた関係で仕上がった軍配1本


手に持った時の自然木の温かさ

絶妙な柄の丸み具合が手になじむ

木目も美しく 字を引き立てている

特に柄の木目が最高である


木取りに最新のお心を使って頂いたのを

様々な個所から察することができる

銘木を惜しげなく使って頂き完成した軍配

我が家の床の間に ずっと飾っていたいぐらい


丁寧な作業と木の木目を見抜かれた眼力

私たちの心に響きました

その木その木のもつ木目を生かす

犬を見る眼にも通ずる心意気を感じました


あとは地位にあった色の紐と房を付けるだけ

これは身長によって長さが代わるので

弟と装束屋さんに任せる


この軍配が届いた日 母の3回目の命日


たまたまの偶然とは思えない

何らかの縁に所縁があったに違いない

生涯忘れない母の3回目の命日


そして手元にある この軍配

送り主の私としても最高の宝物である

甲斐犬を飼わなかったら誕生しなかったこの軍配


この軍配が私たちの心を励まし

結婚10年目を飾り 弟の手元へ届いて

土俵に上がる

これ以上の幸せはないと身に染みている

亡き母からの贈り物でもある軍配

母の気持ち魂も込められた

行司団扇 「風林火山」


どうか木村秀朗には

この軍配を末永く使って頂きたい

母の思いを胸に抱き 行司道に邁進してほしい

そして夢のまた夢


千秋楽結びの大一番 

立行司・木村庄之助の口上

「この一番にて千秋楽に御座りまする」

この軍配をもって述べれる日が来れば

そんな果てしない夢 弟の姿を想像する


この世界 歌舞伎とにたような所があり

軍配も名前も先代からの

「譲り団扇」に「譲り名」がある


その昔 弟が呟いた

「俺は別にずっと秀朗の名前でも構わないよ」

さらっと聞き流した どれだけ嬉しかったか

親方が父と私の名前から一字づつとって

付けて下さった初めての名前

そんな名前を大切に思ってくれる弟


だからこそ私らも懸命に弟に尽くしたいのだ

でもそれなりに出世したら

先代からの譲り名を希望する気持ちもあるが

弟が言ってくれた何気ない一言が

未だに忘れられない今日


3本目の軍配を眺めながら これまでを振り返り

今後を展望する


最後に藤神さんには

大変 立派な軍配を収めて頂き心から

感謝を申し上げます


二つとない軍配

大阪場所 初日から使わせて頂きます

まだBSでしか確認できない弟ですが

どうかご覧を頂きたい


甲斐犬がとりもった縁と言えるこの軍配

我々にも上がるであろう勝鬨の軍配

千代に八千代に大切に使わせて頂きます


有難う御座いました


頂いた軍配 どうかご覧頂きたい

言葉は要りません・・・・・

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