胃アニサキス症 | 院長のつれづれ日記

胃アニサキス症

最近ではピロリ菌ほどではないにしろ、胃アニサキス症 の認知度も上がってきたようです。


70 歳男性。

9 月 5 日(土)宴会でしめ鯖を食べる。

翌 6 日(日)激しい嘔吐、腹痛出現(下痢を一切認めないことが一般的な食中毒と異なります)、7 日(月)当院受診。


内視鏡検査施行したところ、画像のごとく胃体下部にアニサキスの虫体を発見しました。

胃壁を食い破ろうと、頭部を胃壁に突っ込んでいます(黒矢印)。


頭を胃壁に突っ込んだまま体をにょろにょろと動かしています。


いくら体を動かしても頭(黒矢印)だけは固定されています。

かなり貪欲な虫です。


生検に用いるのと同じ鉗子を使って虫体を摘んで取り除きました。

虫体を取り除くとすみやかに症状は消失しました。


「イカ、サバ、ハマチ等を摂取した後、発疹及びじんま疹等のアレルギー症状を示す」と成書には記されていますが、私の今までの経験ではサバだけです。

怖くてサバは食べられません。


この患者さんもよほど辛かったのか、


「もう二度とサバは食べん」


と言われてました。