東京ブラックアウト/講談社

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久しぶりに小説を読んだ。
本当は英語の勉強もしなければならないのに。しかし今日は腰が痛くてとても動けない状態。なんでだろ??

横ですが、防衛省を三流官庁だとこきおろすところ、筆者はさぞや一流官庁なのでしょうね。(国家一種合格、某官庁所属らしい)
旧大蔵省、通産省、自治省、警察庁に行ける人が真のエリートと言い放つ。
地方公務員試験に受かった連中なんて国家公務員上級職に比べたら月とスッポン、偏差値も15は違うと平気で言うからすごい。
官僚ってものすごく自尊心が高いのね。そして努力してその上級職に合格したのだから、一生特別扱いを受けるのは当然らしい。

とにかくこの本を読んでいると、官僚がどういう考えで仕事をするのかがよくわかる。
国益ではなく省益を追求する。
出世しそうな人に恩を売る。
決められた仕事以外はやらない。
原子力発電の再稼働に際し、避難計画の策定をどこの省庁がするか、で押し付けあう場面が秀逸である。

物語では再び原発が事故を起こす。
国家権力に近い人の家族だけがいち早くその情報を得、羽田や成田から飛び立っていった。
プラチナチケットを持たない一般人の悲劇がもはやリアルすぎる。

首都圏がパニックになっても冷静に対処方法のメモを作る官僚って・・・。
しかもそんな緊急事態においても省益を最優先し原発再稼働の道筋をつける。
どこまで本当かわからないけれど、電力マネーという毒まんじゅうを食らってしまう政治家。

園遊会で手紙を渡すという行為を内閣府の人が失笑していた。
そう、請願権というものが、日本国憲法にはあるということを知らないのね、と。
内閣官房内閣総務官室あてに送るとちゃんと天皇に届くらしいですよ。