びわ湖ホール・・・

外からは見たことはあったが入ったのは恥ずかしながら初めて。

京都会館再整備の議論の中でたびたび登場するホールなので、視察に来た。


http://www.biwako-hall.or.jp/  


1998年9月にオープン。

ミュージカルは梅田、コンサートは京都コンサートホール・・・

全体の文化ホールの状況を踏まえ、ゼロから考える中で、

びわ湖が生き残っていこうと思えば、オペラしかない、との結論に至ったとのこと。

しかも、ただのオペラではなく「創造型」でいこう、と。


神奈川など国内はもちろん、リスボンなど海外の劇場とも協力し、オペラを制作しているとのこと。


京都市議・とがし豊/子育て市議奮戦記-大ホール

客席から舞台を望む。


京都市議・とがし豊/子育て市議奮戦記-奈落

舞台が丸ごと沈んでいく。逆に1.8mのせり上げも可能。


京都市議・とがし豊/子育て市議奮戦記-奈落の底
奈落の底から見上げる。深さ15mだが、この下にさらに3mに機器がある。

舞台から、スノコまでの高さは30m。


内部だけで、活用される空間は45m。


年間14億円の維持管理費


詳細は資料が手元に来ることを待たねばならないが、建設費総額は245億円。


当初は、建設費の1割程度が運営費で回ってきていたとのことだが、現在は総額で約14億円。2006年から指定管理者制度が導入され、県の運営する財団に移管され、年々、予算が削られるようになっているそうだ。ホールの入場・貸館による収入


財団には、県から13人、プロパーが13人、臨時・嘱託など計47人で運営されており、費用の多くは人件費にさかれているという。舞台装置を安全に動かすにはどうしても人の目が必要だからだ。芸術監督もいる。そのうち、施設の管理に2億円、舞台管理に1億4千万円となる。県の負担は、指定管理者に対する9億1千万円だけで、足りない部分を財団でなんとかしろということになっている。


景観に配慮


パークアークテクチュアという考えを取り入れ、背景の山並みと一体に、公園との連続、建物全体が上に行くほどセットバックしていく構造にされたという。


実際、大ホールホワイエや、ロビーからは琵琶湖が広がって見えるため、ホワイエの空間がより外に向かって解放されている感覚をうけた。


京都会館でいえば、岡崎公園に溶け込み、第一・第二ホールのホワイエと中庭が平面でつながることで生み出されるホワイエのゆとりある空間づくりに相通じるものを感じた。


絶え間ないメンテナンスの発想


びわ湖ホールは、建設にあたって余分に部品を一定確保しており、不具合がおこれば直ちに部品を取り換えるというメンテナンスに心がけているという。



感想


びわ湖ホールをみて、京都会館の再整備はもっと全体的な文化ホールの状況や役割分担などの中で考えるべきものだと確信した。京都会館でなんでもやろうというのは「失敗」につながりかねない。びわ湖ですら、力を入れる分野を絞っているのですから、京都会館にあまり過剰に詰め込むことを考えるべきではないと思いました。


いったい、京都会館で何をするのかという、根源的な点から掘り下げた検討が必要だし、市民的な議論をもっと行うべき。それがなければ、どんな改修あるいは改築案となってもうまくいくはずがない。


維持管理費の膨張については、大変心配になったのも事実。


ロームの50億円も、途中で返せといわれば返さねばならない契約になりそうな雰囲気もただよっているし、特定企業に依存しすぎは非常に危険ではないか。