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国際感覚

毎度お世話になっております。

皆様のご心配とおり、少し、日中関係がこじれてきましたね。
ちょっと残念でしたのは、前原大臣がデモを抑制した中国政府の対応に対してメディアで感謝の意を表したことでした。

私は、日本人としての前原大臣の対応は礼儀にかなったものだと思います。

ただし、中国人から見れば、「中国政府は日本への手ぬるい対応で、船長を助けないのか?」と言うように受け取られかねません。

また、中国人の中には「我々をそれほど腰抜けの国民と思っているのか?バカにするな。」と感じた人もいるかもしれません。

こうなると中国政府は、世論を配慮して対応をエスカレートせざるを得ません。(一昨日のブログでエスカレートに言及しましたのはこう言う理由です。)

同じようなことが、宮沢首相とビルクリントン大統領の時代にもありました。

両者の会談において、宮沢首相は
I am sorry
という表現で、当時のアメリカの財政意的苦境や経済の停滞に対して同情の念を表しました。

やはり日本人としては、立派な対応だと思われます。

しかしクリントン大統領は、宮沢首相の言葉を引用し、「我々、アメリカ人は日本人から哀れみを受けた。アメリカ人として大きな屈辱である。」
という演説をして、アメリカ人の世論を一気に「日本の押さえ込み」に導いてゆきました。

ほどなく日本はバブル崩壊にいたり、その後、20年の経済停滞に陥っています。

やはり国民の世論を一つにして、力を結集すれば、勝利があるのですね。

真珠湾攻撃でアメリカ人の対日感情が一つになり、アメリカが勝利したのと酷似してませんか?

こちらが良かれと思って、謝意や同情を示しても、国際社会では相手には全く逆に受け取られたり、利用されることもあります。

日本のトップレベルにある人達でさえ、この国際感覚はなかなか判りませんので、私も含め、我々はまだまだ、国際社会とコミュニケーションに関して勉強が必要ですね。

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