こんにちは。 留学のための しけんや英語塾主宰、TOEFL受験コンサルタントの しけんやしのぶです。今日も訪問いただき、ありがとうございます。
年も新しくなりましたので、Reading Sectionのお話しから、さらーっとしてみようかと思います。
TOEFLのReading Sectionは、おうちでじっくり読むならまだしも、本番の、不思議な環境で、1パッセージ20分という短い制限時間でやり抜くのは、けっこう大変です。世界基準で言えば、おそらくもっとも厳しいセクションだと思われます。(だから、なおさら、Readingが29点とれるのに、Speakingが18点しかない日本の平均的エリートビジネスピープルのいびつなスコアメイキングが目立ってしまいます。)
(ゆっくり読むのと、テストはまた緊迫感が違います。)
Readingでもっとも大切なのは(これは他のセクションでも同じですが)、
満点を取りにいかない
ということです。
ものすごい初心者の場合には、
パッセージは基本3つあるのですが、最初のパッセージの第1文を読んで、「これは無理かな(内容的に)」と思ったら、そこの問題は(単語の問題以外)ぜーんぶAなりをクリックして、次のパッセージに移ってもかまいません。もしかしたら、そのパッセージは、今までに準備していて読んだことがあるかもしれないからです。
しかも、「これ意味不明なんだけど・・・」と思ったパッセージは、結局、最初から全てAをクリックした場合と、変わらないと思いませんか?単語は知ってるものがあるともったいないから見た方がいいですけど。
そうすると、実力よりは、すこしいいスコアがとれます。
もちろん、20点以上を目指さないといけない受験生は、全部真面目にやりましょう。
で、全部真面目にやる、といっても、一番最後の6つの中から3つのメインアイデアを選ぶ問題は、十分時間をとって(といっても2分くらいですけど)しっかり正解しましょう。
この問題は、大学受験を経験した人には、おそらく簡単に映ると思います。もう間違いの選択肢は、「間違いオーラ」がすごいですよ笑
これ、2つ正解で1点もらえるし、3つとも正解できると2点なんです。これが、3パッセージあるので、30点満点のうち、6点が、この超簡単問題!
なのに、この問題までたどり着けない受験生がほとんどです。
それは
「満点をとろうとして、全ての問題を同じようにやっているから」
です(ここでつながります)。
むっちゃ一生懸命考えて、けっきょく「勘」なわけですよ。それなら、最初からAにでもしておいたほうがよくないですか。そのかわり、読めば読むほど正解率が上がる最後の要約の問題に時間をかけるほうがよいと思います。
28とか29はとれません。けれど、23点くらいなら、本来18点くらいの能力の人でもなんとか稼げると思います。
それ以上は、「実力」だけです笑
だから、ETSのスコアレポートでは、23以上がGoodと表示されているんですね。23以上では、luckはほとんど働きません。
luckがいい意味でも悪い意味でも働かないのには、実はもうひとつ理由があります。
1つのパッセージは全問正解すると、基本、14-15点になります。これが3題あるので、素点で言うと、42-45点なんですけど、このセクション、30点満点ですよね。
つまり、12-15点分、ズルしないと、30点にならない、というわけです。
だから、たとえば、
45問正解で、30点
44問正解で、29点
43問正解で、29点
42問正解で、29点
41問正解で、29点
40問正解で、28点
39問正解で、28点
38問正解で、27点
37問正解で、27点
と、Official GuideのPractice Test 3のReading Sectionの換算表には、そうなっています。
例えば、満点取れる人からすれば、8問間違えるって、相当の重傷を負った気がすると思うのですが、それでも、結果は27点、となります。他のセクションのスコアによっては、全体が上がることだってあるでしょう。
逆に、25点の人にとってみれば、これまでたどってきた道の険しさが、もっときつくなっていますね。ちょっとできた感じでもスコアが上がらないんですけど!ってなるわけです。
だから、100くらいのスコアを目指しているのであれば、Readingがすでに25あります、という場合なら、そこから3点4点を上げるのよりも、もしかしたら、Writingが22とかであれば、これを27にするほうが、得策になるかもしれませんね。
Readingは、単語とか覚えておけば、なんとかなるよ!
というのは、半分当たっています。22点くらいでよいのであれば、上のようなストラテジーでいけば、本当になんとかなることだってあるからです。(もちろん、その受験生のこれまでの勉強量などにもよりますが)
けれど、半分ウソなのは、そこから先のスコアは、たぶん出ない、ということです。
だから、Readingは、23を境にして、能力に雲泥の差があるという認識でよいと思います。
このように、TOEFLには、鍵となるスコアがいくつかあります。それを知っている人と知らない人では、同じスコアを見ても、印象が異なるわけです。
さあ、そして、Reading Sectionでもっとも重要なことですが、それは、
質問は、最後の要約の質問を除いて、基本、全てが超ピンポイントの質問ばかりである
ということです。
言い換えれば、文章全体を読む価値のない質問がほとんどである、ということなんです。ほんと、この部分は、ETSは考え直すべきなんですけど、そういう形式で続いているので、受験生のほうが合わせるしかありません。
つまり、文章を速読する勉強法は、全くTOEFLには役立たないことになります。
「はい、この部分、どういうことか教えて?」
「ここ、conventional ideaって何を指しているの?」
「contemporaryって、今のこと?それとも、この作家が生きていたころの人たちのこと?」
「17世紀に何があったことになってるの?」
などという、ここだけ読んだらわかるんですけど、という質問しかないです。
だから、留学経験者で、とにかく多読ばかりを要求されてきた人のスコアが意外と低いんです。逆に速読とか意識的にしたことのない、わたしのような受験生のスコアがよい、ということになります。
だから、TOEFLのために、たくさん本を読もう!というのは、これもまた、半分正解で、半分ウソです。
正解なのは、いろんな分野の本を読んで、知識を得ることで、本番に非常にためになることが多いから。
ウソなのは、内容に興味が移ると、不明な英文はちょこっと飛ばすか、という気になるから。そして、問題に出るのは、そういう不明な英文。
速読が割と役に立つのは、Speaking / WritingのReading passageですかね。多少役に立つと思います。
まあ、このあたりも、TOEFLが少し現実離れしている印象を与えるかもしれませんね。でも、逆に言うと、このへんをしっかり認識したうえで、勉強していくことが大切です。もしかして書評に
「この本は、本番のTOEFLよりも、パッセージが短いから使えない」
というのを見かけたことがあると思いますが、そして多くの方はそう感じるかもしれませんが、それでいいんです。だって、本番は、「ここだけ読んで答えてください」という問題ばかりだからです。だから、わたしもそうだし、いろんなTOEFLの先生が推薦しているDelta's key
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のReading Sectionの問題は、とても短い1パラグラフがずらずら並んでいるわけです。そういう問題のための練習なのだから仕方がないんですね。
だから
最初にパッセージ全体を読むか、問題を解きながら進めるか、
という永遠のテーマに関しては、TOEFLでは明確な答えがあります。
23以上を目指す人で、6分以内に、完全にパッセージが理解できる受験生は、最初に全体を読んだほうが、全体像が見えて問題が解きやすいです。「23・6・完全・理解」のうち、1つでも当てはまらない受験生は、最初にパッセージを読むと、その時間(例えば10分とか)を無駄に過ごしてしまいます。20分で解け、と言われているのに、自ら10分で解いているわけです。
さて、これからTOEFLを受験する人は、Readingのスコアアップのために、多読・速読をするのではなくて、自分がわかる英文を一つでも多く増やしていく、というのが大切になります。となると、なんだか伝統的な大学受験の勉強となんら変わるところはありません。一番最初に書いた、エリートビジネスピープルの例はそういうことなんです。大学受験をしっかりやったら、TOEFLのReadingでもできる、というわけです。ぜひ、挑戦してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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