【CDアルバムレビュー】期待してた分、そのショックも果てしないわけで… | トドのひとりごと。~the second~

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三枝夕夏 IN db「U-ka saegusa IN db Ⅲ(通常盤/CD-R)」






今回は、三枝夕夏 IN dbの3rdフルアルバム「U-ka saegusa IN db」を取り上げます(通常盤をCD-Rに入れた音源を聞いてレビューします)。






<注意!>


かな~り・半端なく厳しい文面になってます。おそらく前ブログでアップした記事も含めて今までで一番キツイことを書いてます。「それでも読む!」という人だけ読んでください。好きな方・ファンの方でも「こういう意見があるんだなあ」と受け入れられる人ならかまいません。


今回、正当な理由以外での批判コメントは受け付けませんし仮に書かれたとしても無視するか削除します。


それでは読んでもショックが起こらない方だけスクロールしていってレビュー記事をお読みください。








































【各曲紹介】




:素晴らしい曲(以前の評価では★×4.5~5.0)

:良い曲・まずまずの曲(以前の評価では★×3.5~4.4)

黒:普通・及第点の曲(以前の評価で言うと★×2.5~3.4)

:イマイチな曲(以前の評価で言うと★×1.5~2.4)

:駄曲(以前の評価で言うと★×1.4未満)




1.飛び立てない私にあなたが翼をくれた

タイトル通りの世界観が広がるアッパーソング。哀愁漂う畳み掛けるようなメロディが展開されており切なさ溢れる仕上がりになっています。サビメロ含めてその点に関しては好きなんですが、何より歌詞が悪すぎます(誰でも書けそうな気が…)。


2.ジューンブライド~あなたしか見えない~

コナン主題歌にもなったバラードナンバーでウェディングソングがテーマになっています。優しいメロディに優しく語りかけるような歌声が乗ることで良い雰囲気は出てると思います。ただサビだけ浮いてたりメロディが間延びしてたりと、作曲した徳永さんの悪い方の「クセ」が随所に表れているのが残念…


3.君の愛に包まれて痛い

「どんどん恋に溺れていく姿」を唄ったアッパーソング。一見するとおちゃらけてるように聞こえますが、ちゃんとまとめてきてますね。三枝さんの「けだるさ」を出しつつも無理をしていない歌唱とパンキッシュで感じの良いメロディラインとがうまくマッチしています。キュートさとちょっぴりエロさを含んだ良曲だと思います。


4.愛のワナ

「恋に堕ちた姿」がテーマとなっているパンク色の強いアップテンポチューン。しかし相変わらずこの曲も歌唱が不安定(特にメロ部分)、また歌詞も微妙…さらにメロディ展開がチグハグすぎ!そのチグハグのせいでこの曲に勢い自体まったくないのに、なぜか無いはずの勢いでそのまま持っていこうとする強引な展開はどうかと…


5.夏のフォトグラフ

「失恋への未練」を唄った曲。切ない哀愁漂う雰囲気こそ良いですが、何よりもサビメロが弱すぎ&間延びしすぎであまり好きになれないです。


6.君の中に僕の居場所を探したい

「二人で未来を見出していきたい」と唄われたパンクチューン。まず5曲目とサビメロの雰囲気似てるし、曲全体で歌詞も含めて明るくしたいのかダークチックにしたいのかチグハグすぎて意味不明。コーラスもこんなに中途半端じゃ「焼け石に水」です(汗)


7.もう自分が自分に嘘をつかないように

6曲目とほぼ一緒の世界観が描かれたアッパーソング。サビメロはそんなに悪くないし、前向きにいこうとしている歌詞の内容やメロディラインの展開は聞けないことはないですが(ちょっとサビに向けてが強引なような気はします)、この曲の場合特に「歌詞のメロディに対する合わせ方」があまりにも雑で字余りしまくり!サビでそれが顕著に出ており、聞いていると間延び感と気持ち悪さしか感じません。せっかくメロディはまずまずなのにもったいない…


8.明日に降る夢よ

「久しぶりに会った彼とこれからは一緒に人生を歩んでいきたい」という気持ちを描いた曲。ピアノから始まり徐々にバンドサウンド色が強くなりアップテンポになっていきます。優しさが感じられ曲の雰囲気とピッタリな歌唱も含めて、この曲は初期のサウンドにバンドサウンドの傾向を強めた感じで良いと思います。


9.100もの扉

愛内さんとのコラボ曲でポジティブさを出したアッパーパンクチューン。コラボするときは「どんな曲ができるんだろ?」と期待してましたが、メロディや雰囲気があまりにもアイドルテイストの濃いものになっており個人的には苦手です…それでなくてもサビメロは弱いし、コーラスが中途半端すぎて存在意義無いし…完全に三枝さんのための曲といった感じで、なんか愛内さんが気の毒に思えて仕方ない…


10.空飛ぶあの白い雲のように

前向きな世界観が描かれているこの曲は、自身が作詞提供した曲のセルフカバーVer.になっています。情景が浮かぶような世界観と曲の雰囲気は良いですね。メロディもチグハグさはあるものの、歌詞と一体となって何とか場面転換しようとなされてます。サビメロも良くなかなかの出来だとは思うんですが、どうも解せないのは「ラストの終わり方」。なぜもう1回サビがない?聞いてて「終わり?」という感じになります。


11.Everybody Jump

ライブをテーマとしたアップテンポ曲。ライブで盛り上がりそうなノリの良いナンバーですが、良いのはノリ「だけ」のように思います。この曲に限らずバンドサウンドがまったく生かされていないし三枝さんの歌唱も力みすぎて不安定、「みんなで今日は騒ごうぜぇ」を始めとした歌詞もイマイチ(ファンの方には申し訳ないけど、中学生以上なら誰でも書けそうな歌詞のように思われます)…少なくとも言えるのは「シングル表題曲向きではない」ということです


12.Fall in Love

恋模様を描いたAサビ構成の曲。メロディが2パターンしかないシンプルな構成になっています。懐かしいアメリカンロックの匂いのする雰囲気は良いけど…メロディも歌詞もすこぶるダメ。「ハートがチカチカ Fall in Love」とか歌ってて恥ずかしくならないのか?もう少し実年齢(20代後半)と噛み合った歌詞を書いて欲しいです。


13.愛言葉

ファンとのつながりをテーマとしたアップテンポソング。てか完全にファン向け。そういう点を考慮してもあまりにもお粗末です。同じメロディの繰り返しで飽きるわ、途中でわけのわからない転調があるわ、符割を完璧にスルーした歌詞がめちゃくちゃ…後でまた書きますが、この曲も含めラスト2曲の歌詞はある意味「凄まじいもの」がありますね。


14.Honey

「愛しい人への甘い気持ち」を唄った曲。テンポが途中で変わりますが正直そうした理由が分からないです。途中で「Honey」と言ってますが完全にコアなファン向けでしょう。それにしても「キュンキュン、おーキュンキュン」って…
















【総評】




全体の評価は100点満点で、

100点~95点:紛れもなく名盤
~90点:かなり良い作品
~80点:良い作品
~60点:まずまず・及第点の作品
~40点:イマイチ…
それ以下:駄作



評価:23点




「君と約束した優しいあの場所まで」などのコナンタイアップの曲で有名な4人組バンド・三枝夕夏 IN db2010年1月で解散するということで「一体どんな音楽やってたんかな?」という気持ち、そしてこの作品が恐ろしいくらい賛否両論だったことから一回自分の耳で「ホントはどうなんだろ?」と聞きたくなったという想い、また今作収録されてる「君の愛に~」や「飛べない私に~」はなかなかの出来だったので「オリジナルアルバムはどんな感じなんだろ?」といういろいろな理由が重なって今回聞いてみたわけですが…


音楽には「合う」「合わない」というのもありますが…合わないとしても「ここは評価できる」「これは良い」「尊敬できるポイント」というのがあるはずなんだけど今回それがないということは「合う」「合わない」以前の問題なような気がします。今作を聞いてるとホント「どうしたの?」の一言に尽きますね。ブログを始めてから、総評のときに「40点以下は駄作」と書きながら今まで1回もその点数を下回った作品がなかっただけに今回ショック…



軸となっているのは「パンクをメインとした懐かしさ溢れるサウンド」で、デビュー以来本格的なバンド編成にし、よりバンドとしての音を出したいという気持ちでこの路線になったんだと思います。個人的には「優しいメロディ」が多かった初期サウンドの方が好きですが、そういう点から言うとこの路線変更もある程度は評価できます。「君の愛に包まれて痛い」は今回のこの路線変更の唯一の成功例と言えるでしょう。



しかし…あまりにもマイナスポイントが多すぎます。それでは一個ずつ書いてきますが…


まずメロディのチグハグさ特に三枝さんが作曲したものに関して言うと、すべて間延びしまくり・場面転換が不自然なものばかり。現に彼女が作曲した6曲すべてが赤評価以下ってどういうことですか…


次にメロディに対する歌詞のフレーズの合わせ方。これまたすこぶるひどいです。もともと彼女の書く歌詞って字余りっぽいところもあったけどある程度「許される」範囲だったんですよ。ただ今作の場合はその傾向に拍車がかかってます(汗)ここまで強引にフレーズを詰め込んでしまうと聞いてて違和感しか感じません。7曲目がその最たるものでしょう。

アレンジに関しても「厚み」というものが全くなく、バンドサウンドを強めにしてるはずなのに、バンドサウンドの魅力がほとんど出てませんこれではただ薄っぺらく聞こえるだけなのでは?また歌唱はもともと未熟な部分があったわけですが、今回バンドサウンド主体・彼女の声が全面に押し出されるかっこうになっているので余計にそのツメの甘さが目立っています


そして致命的なマイナス点は歌詞。三枝さんには悪いですが、ホントライティングセンスを疑います。というか何でいきなりここまでになってしまったのか(過去には「I can't see,I can't feel」のような素晴らしい歌詞もあるのに)…たしかに普通な歌詞の曲もありますが、それ以外がひどいというか見るに耐えかねるフレーズがあちらこちらに存在してます。特にひどい一部を抜粋すると…


「あなたがいるそれだけで 風が吹くたび地球が笑ってる気がするよ」(1曲目)

「恋はお酒と同じ 強い程酔っちゃうし後に残るよ でもいつか冷めちゃうのかな??」(4曲目)

「みんなで今日は騒ごうぜぃ」(11曲目)

「浮気なアイツに Fall in Love」「ハートがチカチカ Fall in Love」(12曲目)

「愛言葉はdb db(デシデシ) Happy人生 db db(デシデシ)」「恐がり屋の自分に負けそうになる 考え過ぎるとお風呂に入りたくなる」「どんなときもどんな状況も 今日もご飯が美味しい」「(体中の)細胞のひとつひとつが みーんなゴキゲン 感動しよう」(13曲目)

「アチチ真っ赤なハート」「キュンキュン、おーキュンキュン」「無理しちゃうこと 機嫌とろうとしちゃうこと 誰だってあるよね はぁ~毎日肩凝るなぁ」(14曲目)


本人はまじめに作ったつもりでいても、これでは適当に作ったとしか思えないです。


そして以上の点も含めてラスト4曲の流れの酷なこと酷なこと…ファン向けであるということを考慮しても、あまりにも…な感じでこれでは逆にファンに対しても失礼な出来だと思います。またシングル曲がいきなり4曲串刺しというのも萎えます…



結局今作は三枝さんの大暴走そのままに作られたものであり「ご乱心」にも程があります(汗)ホント聞いててここまで悪い意味で鳥肌が立つのも珍しいです(というか初めてです)…本人たちは「ちょっとダサいのがウリです」とか言ってるみたいですが、いくらなんでもここまで来るとやりすぎです。

もともとこういう音楽ばっかりやってるバンドなんだったら別に文句言わないしタッチしようともしないんですが、過去なかなかの曲も作ってきてるだけに今作に関して言うと「非常に残念」としか感じません。とにかくこのアルバムは正直受け付けません3曲目がなかったらどうなってたことか…