息子は、駒場の教養学部時代に、よくアルバイトで家庭教師をしていました。
その中でも一番多くのご依頼は、中学生をお持ちのご家庭からの「数学ができないのでなんとかしてください。」というご依頼でした。
やはり、東大の理系の学生というだけで、こういったご依頼は多いのです。
家庭教師をお引き受けするにあたって、息子には私なりの信条を息子に伝え、誠心誠意努めてきなさいと教えてきたつもりです。
お子さんの成績の悩みを抱えているご家庭は、その悩みが深いからこそ、わらにもすがる思いで家庭教師にお願いされています。ですから、大学生がアルバイト気分で、引き受けられるほど甘くはありません。
もし、相手のお子さんが自分の兄弟だったら、どうしてあげたいか、そして、学生という身分に甘んじることなく、誠意をもって指導ができるように研鑽を惜しんではいけないと言い続けてきました。
ここでは、息子の指導方針のコアになっている部分をお伝えしたいと思います。それが、ヒントになって、少しでも数学の苦手感が払しょくされるお子さんが多くなればいいと願っております。
まず、息子が最初にご家庭に伺った際に、質問させていただくのは、どのレベルまで引き上げたいかということです。成績のスコアとか試験の点数といったものです。
少しバードルが高すぎるレベルをおっしゃるご家庭が多いのですが、それでは、到達に時間がかかり過ぎ、それによって挫折感を味わってしまいます。
ですので、最初は、少し頑張れば手が届く程度に設定する方が、子供にとってのモチベーション維持になります。
次に設定したレベルに届いていない単元の洗い出しをします。その後に、なぜその単元で躓いたのかという原因を探っていきます。
だいたいの躓きの原因は、大まかに分けると2つのパターンがあるそうです。
1. そもそも基礎的な理解がされていない。
2. 基礎的な問題は解けるが、少し形を変えられると理解できない。
たいていの問題集は、前半は基本問題、後半は、応用問題から構成されています。
単元の問題のうち、最初の基本問題からできなければ、1のタイプ、基本問題ができていて、後半の問題ができていなければ、2のタイプのお子さんと考えられます。
1のタイプのお子さんには、コツコツと考え方の基礎を説明していきますが、2のタイプのお子さんには、応用問題をたくさんといて問題を解くカンを養うようにご指導していきます。
1のタイプのお子さんでも、基礎問題が解けるようになったら、スッと応用問題も解けるようになるお子さんもいらっしゃるそうです。
勉強を道に例えると、道のどこに石があるのかを発見して、手前の石を取り除く、そしてまた石にぶつかればその石を取り除くということだそうです。
人は、必ず手前の石しか見えないので、石にぶつかる度に1つ1つ取り除くように努力していくことが、数学ができるようになる近道だそうです。
もし、お子さんが数学につまずいていらっしゃるのなら、どこに石があるのかを、お子さんと一緒に考えてみてあげてください。
意外なところに石があるかもしれません。
あと、同時に計算力をつけることも重要なので、石を取り除く努力と並行して、取り込む必要があります。ちなみに、計算練習ですが、息子は、中学入学から高3まで、毎日必ず15分ずつやっていました。
あと、1単元ずつ積み上げ式で進んで行くように指導していたそうです。
数学のできない子は、数学での成功体験が少なすぎて、自信がありません。
絶対できるという自信が持てる単元を1つずつ増やすことで、数学全体の苦手感が払しょくされ、自信が生まれて、いい循環で回っていくようになるそうです。
以上、息子の家庭教師での経験談として、書かせていただきました。もちろん、息子は、教育産業に従事しているわけではありませんので、そこまでたくさんの家庭教師の経験もありません。
また、お子さんもタイプも千差万別ですので、単に「もし、我が家で東大生を家庭教師に雇ったら、どんな感じかな?」というスタンスでお読みいただければと思います。
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