経理と財務の違い
私は4年間税務署において国税専門官として働きました。主な仕事は税務調査。これはこれで非常に面白い仕事でしたが・・・やはり公務員。普通の企業というものを知らないままでした。(自分では結構わかっていたつもりでしたが)
転職しようと思った時に、やはりやりたいのは数字に関連する仕事。転職サイトを見て選ぶ職種は「経理・財務」。正直、転職してから数ヶ月は経理と財務の仕事の違いをわかっていませんでしたね。
元公務員時代の同期から転職の相談を受けますが、やはりほとんどの友達は経理と財務の違いをわかっていません。いまでこそ「そんなこともわかっていないのに・・・転職して大丈夫!?」と思いますが・・・
公務員ではなくとも、実は経理と財務の違い(もしくは共通点)をわかっていない人も多いのではないでしょうか。
■経理と財務の共通点・相違点
【共通点】 ①数字を扱う職種
②1円も金を生まない
【相違点】 ①経理は事実を数字にして財務諸表を作るが、
財務はできた財務諸表を読み、そこから何らかの洞察を得る
②経理は過去を扱い、
財務は将来を扱う
③経理は付加価値を生み出さないが、
財務は付加価値を生み出すことができる
経理にしても財務にしても、何人いても会社に1円のお金ももたらしません。当り前です。
しかし財務は付加価値(企業価値)を生み出すことができます。この違いは決定的です。
財務が付加価値を生むということを想像できない方へ
【例】 ①財務諸表からあるべき会社の目標(利益率・資本率など)を設定する
②法人税等の額を減らす(節税方法を考える)
③B/S等をきれいにして株価を上げる
経理は起こったことを「揺るがし難い事実」として数字に落とし込みます。
財務は起こりうることを想定して数字で判断します。
経理をバカにしているのでも、財務がスゴいわけでもありません。どちらも企業にとって不可欠な職種です。
問題なのは、この違いをわからないでこの職種についている人達です。
ちなみに私は現在、経理でも財務でもありません。