2011/2/24

今日は、膀胱温存療法を積極的に進めているT大学病院でのセカンドオピニオンだ。

この病院は、他の病院以上に事前手続きがしっかりしているように感じた。
事前に送付するものが多かった(以下)。

 ・病理プレパラート
 ・画像検査データ(PET-CT、MRI、CT)
 ・過去の膀胱鏡の画像全て
 ・過去の尿検査の結果全て

しかし、病院によって提出するものが異なるのは少し困りものだ。。。
まあ、しかたないのかもしれないが。

とはいえ、K大学病院のこともあったので期待し過ぎてはいなかった。
とりあえず、質問や疑問項目は洗い出し、できる準備はしておいた。


その甲斐あってか、良い結果だった(≧▽≦)
概要は以下。
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■診断結果@T大学病院
筋層非浸潤性(T1)であり、
 筋層浸潤性(T2)とは言えない
だろう。

●印環細胞癌らしき細胞は確かに見られたが、全体ではなく一部なため、「印環細胞癌」という診断にはならないと判断。
 顔つき(悪性度)は確かに悪いが、「一部が腺癌に変異している尿路上皮癌G3」として扱って良いだろう。

●リンパ節転移の可能性は否定できない。
 再検査の結果で判断する必要有。

●当院での治療方針は以下。
 リンパ節転移なし&ランダム生検陰性&尿細胞診陰性の場合は、
 「膀胱部分切除+骨盤リンパ節郭清」
 リンパ節転移ありの場合は、まず全身化学療を実施し、
 その後良好な治療効果が得られたら、
 「膀胱部分切除+拡大骨盤リンパ節郭清」

●放射線療法は、正常な細胞を癌化させるリスクがあり、
 20年後程度で再発の確率が高くなる。
 年齢から考えると、実施すべきではない。

●腫瘍は一つで大きさも1cm程度と小さく、位置も頂部右側
(膀胱の重要な位置は出口付近だがその反対側)のため、
 現時点での全摘出は非常にもったいない。
 この状態なら、部分切除により膀胱機能を温存しながら
 根治的治療が可能と判断
する。

●膀胱部分切除術では、体内で一度膀胱を開く必要がある。
 この際、膀胱内の尿が体内に漏れる可能性がある。
 よって、膀胱内に癌が残っている場合には尿経由で
 他の臓器に転移するリスク
があり、一般的には避けられている。
 ⇒これに対しては、生きてる癌を殺す、尿を漏らさないようにすることで対策は可能

★今後、以下の予定でT大学病院にて治療を実施する。
 ・3/11(金) 生検(TUR-BT)
 ・5/6 (金) 膀胱部分切除術実施

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初めに、一般的な治療方針だとBCGか膀胱全摘出だと前置きした上で、上記治療方針を説明してくれた。
非常にわかりやすく、納得できるものだった。

元々T大学病院が提唱している温存療法は、「低用量化学放射線療法+膀胱部分切除による膀胱温存療法」だが、僕の場合は年齢的に放射線療法は適用すべきではないということだった。

「膀胱部分切除術」を提案されたのは初めてだったので、一瞬魔法の言葉のように聞こえた。
当然リスクもあるが、全摘出の場合もリスクがゼロではないので、根治の可能性と再発のリスクとQOLの確保を総合的に考えた結果、この治療法が現時点ではベストだろうと判断した。

その旨をその場で先生に伝え、異例ではあるがそのまま転院手続きを取ってもらった。
同席した母も喜んでいた。


まだ安心するのは早いが、やっと方向性が見えたということで、安堵の涙がでてきた。
後はこの病院とこの先生を信じて、治療を進めていきたいと思う。