奴の行動のすべてが、むかつき苛立つ。
何故だかは十分理解している。
同族嫌悪って奴だ。
奴のすべての行為が、
俺の嫌な部分に類似する。
むかつく事、この上ない。
大勢が集まる飲み会で、
ほんの10分ほどだったが、
奴と2人きりになってしまった。
奴は
「俺の事、嫌いだろ?」
と聞いてきた。
俺は酒の勢いもあり
「嫌いだ。」
と言った。
すると、奴は
「俺もお前ような奴は、嫌いだ。」
と言った。
俺は
「同族嫌悪?」
と聞いてみた。
奴は笑って
「そうかもな。」
と言った。
そして
「嫌う趣向が似ている・・・そういった意味では、俺たち気が合うな。」
と言った。
俺は笑った。
奴も笑った。
その笑いは、
まるで鏡を見ているように俺に似ていた。
忌々しい事に、
奴は俺を理解していたし、俺は奴を理解出来た。
多分奴が、俺の最大の理解者だ。
忌々しい・・
終わり
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