同族嫌悪 | 思考回路

思考回路

驀進して見る♪

奴の行動のすべてが、むかつき苛立つ。

何故だかは十分理解している。


同族嫌悪って奴だ。

奴のすべての行為が、

俺の嫌な部分に類似する。


むかつく事、この上ない。


大勢が集まる飲み会で、

ほんの10分ほどだったが、

奴と2人きりになってしまった。


奴は

「俺の事、嫌いだろ?」

と聞いてきた。


俺は酒の勢いもあり

「嫌いだ。」

と言った。


すると、奴は

「俺もお前ような奴は、嫌いだ。」

と言った。


俺は

「同族嫌悪?」

と聞いてみた。


奴は笑って

「そうかもな。」

と言った。


そして

「嫌う趣向が似ている・・・そういった意味では、俺たち気が合うな。」

と言った。

 

俺は笑った。


奴も笑った。


その笑いは、

まるで鏡を見ているように俺に似ていた。


忌々しい事に、


奴は俺を理解していたし、俺は奴を理解出来た。


多分奴が、俺の最大の理解者だ。


忌々しい・・




終わり





↓押してくれると、いと嬉。(*^o^*)


短編小説 ブログランキングへ