映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(日本、1997年) | 落語探偵事務所

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映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』日本、1997年。

3月31日の夜にNHK-BSで放送されたものを録画しておいて、今日観ました。

1997年当時の『シト新生』で一騒動あった記憶はありますが、どのような事件だったのかの記憶はなく、また観るのも今回が初めてでした。

アニメ版のラスト2話(第25回・最終回)の作り直し版でした。

退廃的とも思える部分もあり、自分には受け入れがたい部分もあるのですが、こういうテーマをアニメ(しかもロボットアニメ)で表現するという凄味と面白さ満載で、十分堪能しました。

「他者との和解」「他者からの承認」という問題の解決としての自我の崩壊・他者との融合、しかし結局のところ、やはり他者が存在するから自分も存在するのだから他者を受け入れよ、精神の世界・観念の世界に閉じこもるな、現実を見ろ!…という精神世界・観念世界の問題を描いた作品?ということでいいのでしょうか(?)。

難解であり、一度観ただけでは分からないし、そこは観客自身が補完してくれ、でも最後は現実を見て現実を生きなさい、という作り手からのメッセージを感じました。

観ながらも、何だかよく分からないのですが、最後まで観てみようと思わせるシーンの連続であり、また観終わって、やっぱりよく分からないのですが、時間を置いてもう一度観てみよう・観てみたいと思わせる映像の作り込みっぷりの凄さには驚嘆しました。
グロテスクなシーンも多いのですが、観応えありました。

公開からちょうど20年なのですね。
当時、アニメ版にもハマり切れず、また劇場版の騒動には全く乗れませんでしたが、20年前に観ていたらどんな感想を持ったのか、想像できません…。ハマったのかなぁ…。
ハマっていたら人生変わっていたのでしょうか…。

この10年後の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』3部作もいずれ観るつもりです。