小島慶子『気の持ちようの幸福論』 | 落語探偵事務所

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落語・講談・浪曲、映画、囲碁・将棋、文学、漫画、その他備忘録を兼ねて綴ります。読みたい本、観たい映画、聴きたい落語、並べたい名局、たくさんあります。書き過ぎでネタバレするかもしれないのでご注意ください。

$日本文化万歳!落語万歳!将棋万歳!
☆小島慶子『気の持ちようの幸福論』集英社新書、2012年、を読みました。
☆元TBSアナウンサーの人気ラジオDJによる「幸福論」の本です。著者にインタビューしたものを書き起こし、著書としてまとめたもので、口語調でさくさく読めます。筆者の講演を聴いているような気分になれます。
☆「幸福論」とはいえ内容は多岐に渡っています。コミュニケーション論、メディア論、親子関係、などなど、さらには、筆者のツイッターとの関わり方の根本思想も語られています。
☆筆者は、ラジオの生放送中にもツイッターで、上げ足を取られたり、悪口をツイートされたり、罵(ののし)られたりする日々のようですが、そうした匿名のツイートをする人々の気持ちのありようを考え想像するそうです。そして全面否定はしないのだそうです。どこかで共感できるところがあるかもしれない、という可能性について考えるのだそうです。
☆他にも色々と強烈なメッセージが述べられていますが、一つ挙げるとすれば「あなたはないものばかり見ていない?手にしていないものに価値があると思い過ぎていない?今ここにあるものだって、悪くないかもよ」(160ページ)という、筆者が良く語るという言葉が印象的です。
☆人間関係、コミュニケーションのことで何か悩みを抱えている方に一読をお薦めしたい1冊です。何か得るものがあると思います。