北風と太陽 | Post-Babson MBA Diary-Vision, Passion, Action-

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2014年Babson College MBA卒業後、某外資系Tech企業で新たなキャリアをスタート。


たまには仕事絡みのことを書こうと思う。

自分は今の会社に新卒で入社して8年目で、去年から約40名のビジネスユニットを担当している。
メンバーには新卒から50代まで、営業からデザイナー・プランナーまでが在籍している。
これまで自分は営業畑で突っ走ってきのだけれど、社内では結構厳しい(恐い?)人って感じで
思われていると思う。実際、結構な勢いで叱るし、容赦なくレビューでもゼロからやり直しさせる。

自分の一つの強みはコミットメントの高さだと思っているが、反面、マネジメントという側面から
見ると、なんとか自分の要求するクオリティに「引き上げよう」として、それぞれの個性や自主性を
殺してしまっているのではないか、と思う部分があった。

幸い、自分の直属の課長たちは自分よりもフレンドリーにメンバーと接していたので、まぁそれで
バランス取れていればいいかな、と思っていたのだけど、自分自身の仕事の仕方、マネジャー
としての在り方を少し考え直した方がいいんじゃないかと思って、少し今までと違う試みをしてみた。

内容は特段変わったことではないのだけど、全メンバーとの評価面談において、アチーブメントや
貢献、成長などプラス面のみに絞ってプレゼンテーションをさせるというもの。
これ、もちろんメンバーの為にやったのだが、自分の為でもあった。
これまで本人の成長の為と思って、ダメな所を指摘することが多かったのだけど、そういう気持ちを
ぐっと強制的に抑えて、お互いにひたすら良い部分に注目するという時間にした。

結果としては、大成功。
1つには、全体で見るとあまり目立たないメンバーの中にも、飛躍の兆しが見える部分に気付いたこと。
もう1つは、「自分の強みは何か?」と自問自答して絞り出す作業は、特に普段褒められる経験が少ない
人ほど貴重な時間になっていたように見えたこと。明らかに普段と顔つきが違うメンバーがいた。
そして、自分自身も「自分では気づいてないかもしれないけど、君ははここが強みだと思うから、
この部分では誰にも負けないくらいにしてほしい」といったポジティブフィードバックが自然と出来る
ようになっていたこと。


自分の役割は、全員を自分のコピーにすることではなく、それぞれの特徴・強みを見出して、
それに応じた役割を与えて、それぞれの強みを伸ばせばチーム全体の完成度が高まる、というように
設計することなんだと改めて思った。
今まで、頭では分かってはいても、実際のシーンではどうしても指摘が多くなっていたので、
お互いに強制的にポジティブトークのみでコミュニケーションできたのは大きかった。


いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれる22~25歳くらいまでの層は、確かにその上の層の同年齢の時と
比較しても打たれ弱くて、マニュアル・安定志向が強く感じる。
比較的オフェンス型のうちの会社でもそうなのだから、全般的にはもっと顕著なのかもしれない。
今まではビシバシ鍛えて、色々失敗させて、ストレッチすることで成長できる、と確信していたけど、
今の若手世代は筋肉痛を感じる前に筋が切れてしまう印象がある。
ちょっとやり方を変えて、とことん強みを意識させて、その部分でまず成長してもらって、自信や
やる気をつけてから、他のエリアを底上げする、という感じがいいのかな。人にもよるけど。

北風と太陽と言ったら大げさかもしれないけど、恐怖政治よりもポジティブマネジメントの方が
健康的だよねって思う。出来ていない所を指摘するのはもともと得意(?)なので、抑えていても
ちょっと出てしまうから、ゆるゆるのマネジメントになることはまずないし、100%ポジティブで
行こうと思っているくらいが自分にはちょうどいいんだろうな。


MBAではもっと複雑で多様な人達とどうやってチームビルディングしていくかがテーマ。
日々いろんなジレンマと格闘して、リーダーとしての器を大きくしたいと思う今日この頃。