ダイエットに於いては殆どの場合にある程度の食事制限を伴います!


そしていったんは減量できてもその後のリバウンドが当たり前のように起こります。


この経路は、


食事を制御したことによって体内では生体を保つためのエネルギーを使い切り、蓄えていた余剰なエネルギー(体脂肪)が失われて体重は減って行きます。


この時、体脂肪が減って行くと共に身体の構成組織(筋肉や骨など)の一部も失われてしまう為にダイエット前よりも生体に必要なエネルギーは少なくなります。


その結果、今までよりも少ない食事量で過ごす事が出来るようになって“ダイエット成功”と言うことになって行きます!


しかし身体のメカニズムは複雑に絡み合い、脳内視床下部にある摂食中枢(食欲中枢)はセットされていた体重に戻そうと言う働きがあり(セットポイント=長期間維持した体重がその人の適正体重としてセットされる)、どんどん活発に働き始めます。


するといったんは食事量を減らした食生活で維持していたものの摂食中枢の働きで我慢不可能となって食欲は自ずと増えて行きます。


一方、同じく脳内視床下部にある満腹中枢(食欲抑制中枢)は、やはりセットされていた体重に戻そうとして体内に栄養素を引き込む働きで活動が鈍くなってしまいます。


その上、筋肉や骨の一部が減っている身体は体温が低下して、活動量が少なくなり、基礎代謝や食後のエネルギー発散(DIT)も低下してしまうので交感神経の働きも低下し、副交感神経とのバランスが悪くなってしまいます。


つまり身体は省エネモードを保ちつつ、脳でコントロールされた食生活は過食モードになるので“一方通行出口なし”状態となって短期間で体重は元に戻ってリバウンドへと進行してしまうのです。


前置きが長くなりましたが…、


妊娠中の胎児の体重は遺伝子に組み込まれてしまうので更に複雑です!


特に日本女性は妊娠中の体重管理には敏感で、古くから「小さく産んで大きく育てましょう」何て言われているように胎児の体重を増やし過ぎないような食生活に気を配ります。


もちろん肥満や妊娠糖尿病、妊娠中毒症などを予防する為にも食生活の管理は必要ですが、あまり気に過ぎるあまりに妊娠中にダイエットしてしまうのが危険なのです。


食事を制御するとその生体反応はどうなるのか…と言うことは前述しました。


胎児も必要な栄養素が摂れていない状態で育つと遺伝的にエネルギー発散が少ない省エネモードのまま産まれてきます。


この場合にはセットポイントがまだ存在していないので脳内機能は乱れていませんが、他人と比較して少食で育てないと肥満児~成人肥満へと至る可能性が増えてしまいます。


しかし幼児から児童に至る段階では園や学校での集団生活で食事量はほぼ平等、そして家庭でも一般的な食生活とおやつだけでどんどん体重は増え始めます。


この状態は前述の「小さく産んで大きく育てましょう」に適っているので喜ばしいように思えてしまいますが、最も注意を注がなければならない時期になるのです。


体重が増え始めた子供は脳内の摂食中枢の働きが活発になり、満腹中枢は鈍くなってしまうので過食が進み、更に活動量が低下して肥満児への道が近くなってしまいます。


小児肥満は成人肥満へと移行する確率が高く、生活習慣病のリスクも高くなってしまうので充分注意して下さい。