終了報告 & 半音ダウン設定について | tmpブログ

終了報告 & 半音ダウン設定について

11/28 ヨコハマ曇り空 寒々しい日です。

これだけ気温が下がりますと屋外塗装はちょっと無理。困るなあ。

写真は半音ダウン設定化とLCV回路化が終了したOさんのアイバニーズです。
半音ダウンで使用する場合は専用の設定に変更する必要が本来あるんですよ、と言う説明に対して質問を何件か頂いておりますので失礼ながらここでまとめてお返事させて頂きますね。

まず通常のレギュラー・チューニングで使用していた楽器を半音音程を下げた場合、楽器に架かっていた張力負荷が減少する為に音のコシとクリアーな音抜けや音程感をも失います。早い話し音程が下がっただけでなく音質も劣化してしまいます。

その意味で、例えばストラトをメインで演奏されている方の場合で言えば、曲によって同じスペックのストラトをもう1本用意して半音ダウン専用に作り替えて、レギュラー/半音ダウンチューニング仕様の2本体制で臨むのがベストですよと言う事ですね。

半音も音程が下がった場合、張力負荷が落ちます。それがナットとサドルを下に押し下げる/下への圧力がレギュラー・チューニング時より落ちる為に音が分離しなくなることで特にバンド・アンサンブル中でぜんぜん音が抜けて来なくなります。
本来音程が下がった事でラウドなサウンドによる重厚感を求めた筈なのに結果的には音がぐしゃぐしゃで肝心のサウンドに迫力が出ていないハードロックバンドが巷にあふれてますよね。

写真のアイバニーズも実際には市販品状態からかなりの手を加えた上で成り立った個体です。
ヘッド部では指板上面からヘッド面の段差をより深く変更してナットからペグまでの固持角を変更し、更にはネックの仕込み角と指板上面高も変更し、弦高自体は変更せずにブリッジサドル高を高める設定にすることでサドルを弦が押し下げる圧力を高めてあります。その為には弦のボールエンドをトレモロブロックの最後尾で止める様にトレモロブロックも作り替えてあるのです。

ここまで行えば半音ダウン専用の設定に追い込む事が出来ますので、レギュラーチューニング時と変わらない音抜けを得る事が可能となります。元の市販楽器のままと変更後の半音ダウン時のサウンド比較すれば違いは歴然と現れます。特に大音量で鳴らした場合などは元が同じ楽器と信じられる人など居ない筈です。そのくらいの差が生まれます。

この半音ダウン設定化作業をご希望の方は使用楽器の写真を貼付の上、メールお問い合わせ下さい。元の状態がどんな仕様の楽器かによって作業工賃は大きく異なりますので、その都度の作業内容となります。

以上、参考までに。

2枚目の写真はセロギター用のトップ材のブックマッチ接ぎの最中のショット。こうする事で左右の素材特性を同じにする事が出来るわけです。その為に1枚板で木取るよりもブックマッチ接ぎ仕様の方が素材のバランス自体が優れているのです。

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