お見積もり 札幌のOさん | tmpブログ

お見積もり 札幌のOさん

6/22 ヨコハマ真夏日です。かなり気温も上がりそうです。

でも助かるのは湿度が久しぶりに50%切ってる事です。これで塗装が出来ます。でも気温がかなり上がりそうですからピークに達する前に済ませた方が良さそうなので今日は昼飯抜きで作業します。

写真はチューンナップ依頼で届いたOさんの某工房製カスタム製作品(ブランドは伏せます)の50's仕様のレスポール。基本的にはヴィンテージ・スペックに拘った内容で丁寧な作りではあります。

この個体はレリックまで施されたオリジナルに拘った仕様に一見見えますが、実際には意図的なのかどうかは分かりませんが、数カ所オリジナルとも異なり、このままではベストな鳴りは得られない設定となっています。実際にテンション・バランスが整っておらずドンシャリ状態です。

この個体へのチューン・プランですが、まずペグロケーションでこのままでOKなのは3,4弦のみで、それ以外はリロケーションの必要があります。またペグ穴加工自体も宜しく無いです。

次はネックの仕込み角が少なくとも0.5度きつ過ぎます。これでは材の良さも構成も生きて来ませんので音痩せしています。これに対してはリフレット(元々ご本人からリフレットの要望有り)時に指板上面角の修正を行ない適正角に変更します。
また、この個体のネックグリップは基本的に50’s仕様ですが、ナットからネック端末に向けて徐々に細くなっているんですね。指板上面の角度を落としますので指板上面が元の状態から端末に向けて薄く加工し直しますので、それだけでもネックグリップは端末に向けて薄くなるので、この点が問題です。
出来る限り薄さを感じさせない程度でナット部分の無駄な肉を落としてスムースなグリップに仕上げる必要があります。この点の修正は結構難しい作業となりそうです。

次は本体をバラしますと、やはりピックアップ・キャビティが必要以上に深過ぎます。これも音痩せの原因ですので埋木加工しタイトな本体鳴りが得られる様に修正します。

パーツロケーションはたぶんオリジナルの50’sレスポールからコピー位置取りしたものと思われ、設定自体に問題は無いです。但しブリッジ本体はtmp仕様のブラスサドル・タイプに変更します。

後は当然ながら燻煙処理をしっかり行なう訳ですが、ピックアップやアッセンブリーは音質劣化の原因と成る様な品ではないので、このままでもいいかと思いますが、配線のホットラインだけはtmp製のクライオ・フラットケーブルに変更し情報量を増しましょう。

以上、取り敢えず作業項目としては、燻煙処理、指板上面角度修正した上でのリフレット(ミディアム.サイズ)ペグ埋木加工&リロケーション(元のペグ再使用)、ネックグリップ変更&再塗装処理、ピックアップ・キャビティの埋木加工、ブリッジ本体変更、配線:メインライン/CFケーブル弾き直し(その他パーツ現状)となります。
ここまでの工賃合計で税別¥215.520、納期スタートから1ヶ月先を予定しています。

Oさんに確認させて頂きたいのはペグのリロケーション時にヘッドロゴをどうするか(このまま残すのか、潰し塗装か)そして調整弦のゲージ指定ですね。出来れば最低でも010~046をお勧め致します。

また、サーキット自体をMV+LCV+2T、もしくは2V+LCV+MTのいずれかの変更を行えば、特にカッティング時のバリエーションは倍増致します。現代音楽にはオリジナル回路よりも現実的なメリットは多いです。
この場合は使えるパーツのみ残してLCV用のポット&コンデンサーを追加し、内部のキャビティに追加加工を施す必要が有りますので(現状の座グリがロングシャフト仕様な為)パーツ代込みの部分木部加工&配線処理工賃が¥10.700アップとなります。ご希望の場合はMV+LCV+2Tか2V+LCV+MTの指定とLCVの位置指定をお願い致します。

以上、札幌のOさんへのお見積もりでした。ご連絡をお待ち致しております。

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