紡ぎ出される「音」自体が、ピアノという楽器の音色としてではなく、
「音楽」そのものとして響いてくる・・・
キース・ジャレットの最新ソロ・アルバム ”Paris/London：Testament
（テスタメント）”
今作は３枚組の大作で、１枚目に’０８年１１月２６日パリのサル・プレイエル公演、２，３枚目に同年１２月１日ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール公演を収めている。
これ程の名盤が聴けるとは、驚き！以外のなにものでもない。
定評のあるキースの即興ソロだが、今回はもう次元が違っている。
「即興」「ライヴ」という言葉から読み取れる「曖昧さ・逃げの要素」が全くなく、昨今のアブストラクトな即興の一部に垣間見られた、クドさを伴うような反復フレーズが見事に皆無なのだ。
これが「即興で可能なのか！？」と疑いを抱く隙さえ与えない程、それぞれの音が「無くてはならない」一片として全体の中に着地している。楽曲的に完成され、各曲の流れ・曲順のバランスが有機的に繋がり、まるで計算され尽くしたようにも感じてしまう作品となっている。
キース自身の達成感がストレートに味わえるように、彼の数多いライヴ盤の中でも、非常に早いリリースになった点にも感謝したい。
＊データについてはウィキペディアが詳しく、試聴は北米アマゾンで可
Paris Part VII
London Part VIII
London Part X
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