ルーティーン整備 | Fiat Panda 30 Life

ルーティーン整備

 昔々、トリノに住んでいたころ、それまでバリバリのモーターサイクリストだった
私も、寄る歳波には勝てず寒い冬の移動手段にとついに車を買う決意をした。
その初めての車は5年落ちの初代プント75ELX、メタリックグリーンだった。
 ある日いつものように通勤に使用していると、やけに後ろの車がパッシングを
したり、クラクションを鳴らしたりして来る。人懐こいイタリア人のみなさんは
何か有ると放って置かず、こうやって直ぐに知らせてくれる。
直ぐに路肩へ止めて確認してみると、ブレーキランプが灯いていない。
 その前の週に日本の車検に当る、Revisioneを受けに行ってきた時、確かに
検査官のお兄さんが、灯き具合が悪いというような事を言っていたのを
思い出した。 ペダルの部分にスイッチが有ってそれは5000リラ(250円)もしない
部品なので交換しておくようにすすめられていた。 当然日本の車検の様に
厳しいはずもなく、口頭で悪い部分の説明を受けてそれで合格だった、
それが仇となってか、ついうっかりその部品を交換し忘れていた。
 仕事場へ行く途中に有るFIATの部品屋へハザードを付けっ放しにして
のろのろとたどり着き、その部品を購入 昼休みに交換して事なきを得た。
 このFiatの部品屋昨年店員さんの平均年齢70歳を期に店じまいしてしまったが
延々とこのころから続いた付き合いだったのた。
 部品は確か3500リラ(175円ぐらい)だった。イタリアでFiatの消耗部品を買うと
拍子抜けするぐらい安かったのを覚えている。 現在はユーロ導入後の価格改定や
ユーロ規格化などでさほど安いと思える物は無くなってきているのも事実だが。

 さて 最近春が来たヤナガワさんのブログに有ったトレンタ君のペダルOHに付いての
記事を読んでからずっと気になっていた、はたしてあのスイッチは健全なのだろうか?

日本ではおそらくイタリアの様にみなさん一生懸命知らせてくれるようなことは
期待できないので、ここは転ばぬ先の杖と、この部品をチェックしてみる事にした。



こんな時簡単に外すことの出来る30/45のシートは大変便利である。



幸いスイッチは接点にも腐食など見られず良好な状態だった。

もう一点気になっていたのは、極稀に寒い、それも氷点下10度を下回るような時の始動時に
踏み込んだクラッチペダルが戻って来ない事が2.3度ほどあった。
 条件からして、グリスが寒さで粘度を増し、戻らなくなるので有ろうと
推測していた。 実際暖かくなってからは再現していない現象だ。

しかし物はついでなので、グリスアップをかねて分解してみた。



 分解して見ると、グリースは切れる寸前で、29年目の春はスペースシャトルも
引退するぐらいにやっぱり意味が有るらしい。(そうなんです、スペースシャトルと同い年
だったんですね)



問題のクラッチペダルは、やはり一部グリース切れで焼き付いた痕がある。
ヤナガワさんのブログを見たお陰で思わぬ危険回避が出来た!
ああ、これが春のおっそ分けか!!感謝。



元通り組みなおして完成。
思わぬ収穫のルーティーン整備となった。

ところで、今日は札幌で赤メタの4x4に遭遇した。 夏場は黒いアルミホイールをきめた
カッコ良い4x4だが、今日はベイジュのホイールに鏡面のホイールカバーだった。
 これで札幌で見かけたパンダは3台目だ。 希少だ!!