上部には岩稜もあり、積雪期には微妙な雪稜クライミングが楽しめる所ですが、4月中旬ですので、期待しないで山へ向かいました。
第1日目 美しの森観光案内所~出合小屋
天気はまずまずで、明日の天候に期待しながらの出発でした。
林道を40~50分も歩くと岩場が有ります。
良く見るとクライミングの練習をしていたと思うハーケンやボルトが沢山打ってあります。理由は不明ですが、ボルトのハンガーはない状態でした。
壁は高さは10m満たないものですが、上部には立木が有り、支点として利用できます。
時々今回の山域である旭岳や権現岳も頭をのぞかせていました。
右に落ち込んでいるスカイラインが今回のルートです。
結構雪が残っているようです。
景色や鳥の声を楽しみながら、林道歩きを2時間もあるいて沢へ下ります。
沢を5~6回は渡渉したでしょうか、いずれも靴を脱いで渡るような個所が無くて良かったです。
ストック突いてバランスをとりながら渡れました。
写真も雪解けの水が日に照らされて、幾分春の雰囲気も感じるようでした。
沢沿いの道を1時間ほどで出会小屋へ到着しました。
「思っていたより時間が掛ったなァ~。」
「水もあるし、雪もそこそこあるから寝るにも問題ないかな。」
そんな思いで沢を越えて到着しました。
整地の要らない平らな所でテント設営完了です。
小屋を覗きに行ったら、既にテント設営して食事中でした。
4時から夕食作業開始で、干し大根、干ししいたけなど、そして高野豆腐と乾燥野菜のオンパレードです。
最後のスープが出し出ていてとても美味しかったです。ご飯は「尾西の五目ごはん」でした。
お茶を飲みながらコタツ代わりに寝袋の中に足を入れていたら、気付いてら9時前、外は満天の星でした。
第2日目
朝4時半に起きて朝食、出発は6時です。
(やっぱりあと1時間早い方が良かったかな。)
今回の計画は図の赤線のとおりです。
沢沿いを少し歩いて、東稜の末端から登り始めました。
これは帰りに撮影した画像ですが、雪の斜面を登り、忠実に尾根を詰め上げて行きます。
2時間も登ると展望の良い個所へ到着、先を見るとここからはヤセを根を下ることに成りますので、アイゼン装着することにしました。
先には山が見えています。
「このまま進んで先の雪壁を詰めて稜線に出よう。」
戦略も自然に出来上がります。
「しかしと遠いなァ~。」
振り返ると・・・西側から見る赤岳も中々良いものですね。
大天狗・子天狗の岩頭も見えています。
暫くヤセ尾根を歩いて・・・
先程見ていた雪壁です。
「道は間違っていない。」 ・・・(所々トレースが残っていました。)
傾斜は立って登れる程度ですが、安全にダカーポジションで確実に登ります。
雪は締まっていて安心感抜群な状態でした。
その頃になると、「ビレー解除。」と上のほうで掛け声が聞こえました。
先行者が居たのです。
長かった雪壁は100m近くあったと思います。
登り上げると岩場です。
この岩は通称「五段の宮」と言われています。
小さな岩棚が五段になっているからだと思います。
でっかい休憩を繰り返しましたので、此処まで4時間掛ってしまいました。
「遅れているな!」
少々焦りも心に感じながらクライミング開始です。
SMさんのリードでスタートしました。
すんなりとロープが流れてゆきます。
「ビレー解除。」
今度は私が登ります。
雪は全くと言っていいほどありません。
しかし岩についている草は半分以上凍っています。
そこへ目掛けてピックを打ち込んで、体を引きあげます。
今回は草打ちの連続で、まるで草クライミングのようでした。
その上は時折こんな場所もありました。
この頃から雨と風が強くなり、びしょ濡れです。
頂上到着です。・・・テント場発から6時間少々の12時16分到着です。
荷物をザックに詰め込んで、下山開始。
6時間も登って来て頂上に居た時間は、ほんの2~3分でした。
登っている時間が良いのですよね!
ツルネから東稜を下山。
テント場着は14時半でした。
SMさんが差し出した右手を強く握りしめて、ここで握手です。
「そうか~。握手しなかったな!」
バンザイ・・・と心の中でつぶやいて登山終了。
テント撤収時も大粒の雨でしたが、SMさんが作ってくれた温かくて甘~いレモンティは、
雨の中で飲んだためか身も心も温まりました。
テント場から駐車場まで2時間で到着となりました。
旭東稜・・・
思ったより長くて遠かった。・・・我々二人の感想です。