(前編「理想体重とベスト体重~1~」 )
前回は、
BMI=22が、
必ずしもその人のベスト体重とは限らない
というところまで、お話を進めました。
なぜ、僕はそのように考えているのか?
その理由は2つあります。
1つめは、
BMIは身長と体重のみを使って求める値であり、
その人の体組成を考慮していない
ということです。
スポーツをする人の中には、
筋肉はつけたいけれども、
体脂肪はできるだけ減らしたい、
と思われる方が少なくないと思います。
(20~30代前半の頃、
僕は筋肉ムキムキ、マッチョな体型を目指していました)
体脂肪に比べて、筋肉は比重が大きいので、
(同じ大きさ(体積)であれば、
体脂肪よりも筋肉の方が重い)
筋肉の量が多く、
かつ、体脂肪の量が少ない人の体重は重くなり、
結果として、BMIの値も大きくなります。
(お手元に、プロ野球、サッカーなどの選手名鑑がありましたら、
参考までにBMIを計算してみてください)
ですから、そういう人は
BMIの値が大きい = 健康上、問題のある肥満
とは言えないのです。
その逆に、
「隠れ肥満」の方もいらっしゃいます。
「隠れ肥満」とは、
見た目や体重は普通、
あるいは、普通よりも細いくらいの人でも、
筋肉の量がかなり少なく、
体脂肪率が高くなっている状態のことです。
体重がそれほど多くはないため、
BMIの値も小さいのですが、
仮にBMIの値が22前後であっても、
体脂肪率が高いので、
健康的とは言えません。
~体脂肪率の目安~
男性:25%以上 女性:30%以上で肥満
※学会等で統一された基準ではありません。
こういう場合は、
食事と運動によって体脂肪を減らして、
運動を続けていける分の筋肉をつけると
健康な体に近づきます。
その時に、体重が減って、BMIの値が小さくなって、
例えば、BMI=20くらいになったとしても、
体脂肪率が高い状態でのBMI=22よりは健康的です。
このように、
BMIは身長と体重のみで計算される値であり、
体組成(体脂肪率や除脂肪体重(脂肪以外の体重))を
考慮しているものではありません。
これが、
BMI=22が
その人のベスト体重とは限らない
と考える、1つめの理由です。
2つめの理由については、
次回、お話ししましょう。
(『理想体重とベスト体重~3~』へ続く)