The Blackbyrds @ LBFF 2013 | TJ McDaddyの「LET'S GET BUSY!」

The Blackbyrds @ LBFF 2013


TJ McDaddyの「LET'S GET BUSY!」
ザ・ブラックバーズ
74年、ワシントンD.Cにある名門黒人大学Howard University / ハワード大学の音楽教授だったDonald Byrd / ドナルド・バード が在学生達を集めて編成したファンク・バンドです。

ドナルド・バードて良いですよ!




私も高校生時代にジャズ喫茶でバイトしてましたが、日本のジャズ喫茶主流って基本的にいわゆるモダンジャズのLPをかけるんですね。勿論お店はマスター(店主)の個人的嗜好に大きく左右され、その音楽に対する激しい愛情と身勝手な思い込み?こそがジャズ喫茶最大の魅力だったりします



TJ McDaddyの「LET'S GET BUSY!」

世田谷区の小田急線下●沢駅から徒歩数分、某『まさ●』なんて伝説のお店は、薄暗い店内の店員さんは決まってキレイなお姉さんのみ、それも服も髪も真っ黒のみ!と言う、黒魔術的?雰囲気のお店もありましたね。


今の若者がジャズ喫茶と聞けばオシャレなマホガニーのカウンターでエスプレッソやバーボン、はたまたカクテル出したりするようなイメージあるかも知れませんが、実は当時は店によっては何故か民芸調?だったりじゃなかったり座布団があったりなかったり昆布茶出したりななかったり、一切の私語禁止、オーダーさえ無言でメニューを指差すのみ、店員頷くのみ、だったり、男女カップルには途端に店員愛想が悪くなる(バキャロ~、ジャズなんつ~のは女子供とイチャついて聴くもんじゃネーゾ!って敵意むき出し状態)、そんなカップルが小声ながらもイチャついてたりすりと、無表情の店員が無言で『そろそろお引取り下さい』なんて走り書きした紙を渡したりします、なので、そのお店の世界観こそマスター頭中の具現化、地球上の他のどこの場所にもないワン・アンド・オンリー、銀河系に唯一の小宇宙だったりするのです。




お店によってはリクエスト用紙ってのがあって、これを目を伏せがちに店員さんに渡すのですが、これが自分のジャズに対する知識と理解度と嗜好、更には性格や人間性、自分の過去や思考経路さえ暴かれ丸裸にされ試され値踏みされ採点され審判されているかのような緊張する一瞬なのです。

今の世の中のへたれ●ターバックスのように、世界中どこ行ってもウジャウジャおんなじ、鼓膜に心地良い甘ったるいムードミュージックとしてのジャズ、ガキ共の小遣い搾取集金機能としての薄っぺらジャズ、では無いのです。ジャズに対しての愛情があくまで骨太で固く深いのです。ジャズ喫茶とはジャズがジャズとしての芸術的な意味をなしていて貴重な空間でした。
TJ McDaddyの「LET'S GET BUSY!」

基本的にいわゆるモダンジャズって範疇なんだけど、大抵のお店は得意分野があったりして、デキシー系もの多し、サッチモ全般あり、いやスイングだ、ベイシーやハンプトンの楽団系も良し、いやいやバード(この場合Charlieね)とディジーとローチです、とか音響に凝っててフュージョン系も多し、いやいやいやワシの店はピアノが主体です、とかMJQ一点張り、てのもあったりはするのですが、大抵の場合はマイルスやコルトレーン、ブレイキー、などの1940年代末期から1960年代までを中心としますね。

皆さん『ビ・バップ』や『ハード・バップ』なんて言葉を聞いたことあるでしょう?




ま、こちとら客も、その価値の最大限化の為には手段を選ばず(any means necessary)、連日開店から閉店までコーヒー一杯280円でねばりまくり、昼飯もナポリタン380円、連日連夜足しげく通い、当分の間は端席テーブル席が指定席、托鉢修行僧のようにこうべを垂れ続ける日々、雨の日も晴れの日も足繁く通い、ある午前はスイングジャーナルを読み漁り、ある午後はゴルコ13を読み漁る、更にはルパン三世、じゃりんこチエ、浮世雲などの青年漫画、更には狩撫麻礼原作&谷口ジロー画の劇画に熱中するも、単なる漫画好き馬鹿と思わるるも悔しさ千万よって手には『我が闘争』『戦争と平和』『資本論』はたまた『裸のランチ』『次は火だ』に『憂国』などを持ち込む、そしてようやく一言二言マスターが声をかけてくれる様になり、ポツリポツリと会話が始まり、しかしここで出しゃばってはもとの木阿弥、自分のジャズに対する愛情は世の中に存在するどの偏執狂(今言うストーカー?)より強し、向学心と探究心と謙虚な態度のみを前面に打ち出し、学びたいのです学ばせてください知りたいのです教えて下さいとの連日背中で訴え、やがてようやく顔を覚えられ(てか実はマスターは最初の日から知ってるけどそんな事はおくびにも出さず)、ジャズ初心者たる入門者客として認めらるるばこれしめたるもの(実はマスターはこう言う若い客を嫌がってはおらず、同じ変態フェチ仲間として迎え入れてくれるのです。しかし、仲間に入るまでに長い試験期間と試用期間があるのですね、、、)、学ラン・ボタンで高校が判明し、次に名前で呼んでもらえる名誉に預かり、序の口から幕下まで昇格したお相撲さんのような晴れたる気持ち、カウンター着席免許皆伝では横綱襲名に並ぶ喜びとなり、マスターとも目を合わせ会話を許される、うやうやしくお渡し受けるLPジャケットは表裏と舐め回すように点検し、ジャケットの匂いを深く嗅ぎ、ライナーノーツを三白眼で読み漁り、マスター直々にズージャとはなんたるか、マイルスとはたれたるか、一般人は知らぬジャズ界ならではの大法螺逸話、伝説のジャムセッションエピソードなど薀蓄尽きぬ裏話を拝聴し、発売年度順にマイルスをリクエスト、それもAB面。てな日々で少しずつ少しずつズージャの階段を登っていくのですね。
TJ McDaddyの「LET'S GET BUSY!」

その後、更に進めば、マスター休みの日に代打でカウンター奥に座り、みたいな事になり、いつの間にか、て感じ。

は~、話が逸れた、、、。




ザ・ブラックバーズの話はまた後で