→ シブヤTHEヒーロー vol.1 の続きです

●新作カブキ踊り
「KONNOHMARU伝説」
  市川染五郎作


渋谷金王丸/市川染五郎
渋谷川の川神/尾上青楓
桜の精/尾上京

ラップ/ケーダブシャイン
エレキ三味線/常盤津菊与志郎


物語
源義朝が平家方に討ち取られ
その御曹司たち(後の頼朝・義経)に危機が迫る
これを知った金王丸が彼らを救うべく
川神と桜の精の力を借り走り続ける
家宝の霊玉を手に主君の敵を討つ時が!


歌舞伎に ラップ・エレキ三味線?!
何年も染五郎さんを追っかけてる方なら
もうそうそうの事では驚きはしませんよね(笑)
それに今回はカブキ踊りですし
がやはり楽しみは楽しみでありまして~
どんなことを?とは思いましたが

KONNOHMARU伝説に入る前に前座的に
エレキ三味線の常盤津菊与志郎さんのソロ演奏に始まり
ケイダブシャインさんが一曲
午前の部ではさすがに会場もご本人も
ちょっと戸惑いの空気が見えたような(笑)
歌舞伎にラップという点にではなく
単にラップがあまり身近でない為の違和感?
午後の部ではお互いに慣れたかなと
通し観劇の方も結構いらっしゃったようなのでね

KONNOHMARU伝説 もう 傾奇踊り完全復活!
ノッケの音楽からもう :*:・( ̄∀ ̄)・:*:
これから突っ走りますからね~宣言にもとれます(笑)
それぞれの登場の仕方がまたかっこいい
歌舞伎 同様 カブキ ですから“名乗り”もあったり

要所で字幕を使ったりはいつもの事ですが
暗転の代わりにブレヒト幕の役割をする
左右に稼動する舞台装置(板)で
人の入替わりをスピーディーに見せていたり

それとお衣裳!これで登場されたら
思い出すしかないでしょう?
 ティンク の 覚え書き-20101127渋谷金王丸伝説衣裳
ちょっと年月を経た為?かライトによるものか
色が若干霞んでいたように思いますが
麻布十番ん のものだと思います
 ※画像は5年前パーティー写真から抜粋

振り付けも音楽に関しても“麻布十番ん”
を彷彿させるもので 当時もそうでしたが
今回もこれに関してはご本人達も楽しむというか
超マジメに超真剣に全身全霊かけて
全力疾走で走り続けるが如く踊り続ける
噴出す汗 にもかまわず ひたすら踊り狂う
滝の様に流れる汗さえ美しい
その姿がね~また萌えるんですよ(笑)
なんでこんなに美しいんでしょ
観てる私もテンションMAX!!!
ビートの効いたお三味線音楽を
聴いてるだけで条件反射的に
身体がリズムを刻んじゃいます
カブキ踊りはこういう点でも楽しいから大好き

激しく一心不乱な踊りですから
例の如く?見えちゃいけないものも ちらリズム~(笑)
いけなくはないんですけど
着流しの裾がこうなってああなって~

すると どうなります(笑)?
色っぽいおみ足が~言わずもがな
ああ~すみません おバカで~
こんな楽しみ方も間違ってませんよね?


途中 桜子ちゃんは川神君に
プロポーズなんかされちゃうのですが
返事しないうちに彼女は勝手に散っちゃたり
川神君はそのことを金王丸に内緒にしていたのか
水臭いぞと詰め寄られる始末(笑)
詰め寄られた川神君 川なんだから水臭いのは当たり前
と揚げ足取りのような訳わからない応戦です(笑)
(家宝の霊)玉を失くしたくせにと
痛いところを突かれる金王丸 アハハ‥

喧嘩になりそうな気配を桜子ちゃんが止めに入りますが
泥臭い川ちゃんも うっかりものの金(きん)ちゃんも
どっちも好きよ!とそれがまた 可笑しい!
泥臭いんじゃない水臭いんだ!
金(きん)ちゃんじゃない金(こん)ちゃんだ!と
なんだか堂々巡りのような言葉遊び?も楽しかったな~
3人とも大真面目ですしね 会場もかなりウケてました

そしていざ!失くした霊玉を捜し求め旅に出る・・・
旅支度も早々に 山を越え海を越え 進めば進むほどに
川ちゃんの気持ちが・・・orz(笑)
実は川ちゃんが・・・川底に霊玉を~
身体が重くて気がついていたけど言えなかったと
悲しみと すまなさに打ちひしがれる(笑)川ちゃんなのでした
(shibuya konnohmaru~♪ songs by KDシャイン)
川ちゃんから霊玉を無事戻してもらった 金王丸
霊玉手にした金ちゃんはパワー満タンみなぎらせ
桜子ちゃんと川ちゃんを従えて いざ敵討ちへ~

約30分弱?お三人さんとも
後ろかえりみずのような勢いで
最初から最後まで全力疾走
飛び散る汗  発せられる気
もたもたしてるとおいてっちゃうぞ的な
無言のメッセージさえ(笑)聞こえてきそうでした

もうこれで観客の心は完全に掴んだことでしょう
劇場内の体感温度は間違いなく
子供達が出てくる為のお膳立ては整えた!って感じかな

午前と午後で違ったところ?
それは~ 川ちゃんの投げた霊玉が
午前はド☆ストライク~でしたが
午後は大暴投~金ちゃんは
上手彼方にまで拾いに行ってました
午前も観た私は思わず
まっこれもご愛嬌~♪


●「渋谷カブキ音頭」
 作詞 鈴木英一氏
 作曲 村治崇光
 振付 市川染五郎


そしてフィナーレは
渋谷区公募で選ばれた皆さんと
染五郎さん青楓さん京さん 揃っての
NHK かぶき体操のご当地版!とも言える
新作カブキ音頭です
今までも茅野や出雲でご当地カブキ音頭が生まれています
お子ちゃまから上は76歳まで(午前午後約40名ずつ)
夏の暑い頃からワークショップを経ての成果の発表です

もうお子ちゃま達が一生懸命で可愛いのなんのって
大人な方々もいますが申し訳ないですが
大人はこんな時 損だと諦めて下さい(笑)
俄然お子ちゃまに目がいっちゃいます
と言いつつも~
染五郎さんから目を離す訳には参りません
ここは公募の皆さんの晴れ舞台ですから
染五郎さん方はあくまで控えめに
見守るように投げかける視線がすごくお優しくて
まつげの長~い つぶらな瞳が潤んでいるように見えました

♪ あありゃこおりゃ 渋谷はでっけぇ
♪ あありゃこおりゃ 渋谷でカブかん
   ・
   ・  
男伊達~(ば~ったり)女伊達~(ば~ったり)♪

 
もう頭の中をグルグル回っております楽しい曲でした

三部構成にはなっていますが
古典舞踊・新作カブキ踊り・カブキ音頭と全てを通すと
金王丸の誕生から主君の敵を討ち皆で歓喜に喜ぶまでが
きちんとストーリーとして浮かんでくるのですよ
やっぱり鈴木英一&市川染五郎コンビって
凄いなあ~って思うわけです
これからも なんだかんだと企てて欲しいですね

  

そしてそして
あらかじめ仕込まれていたそうですが
押し付けの様ですがって
染五郎さん自ら暴露されてまして
アンコールに突入~ パチパチクラッカー

●「かぶき体操いざやカブかん!」

“私が全国区で放送しておりますかぶき体操を”
とも言ってたな~(笑)そりゃ全国区ですとも!
ナマですよ~目の前でですよ~
これが興奮せずに居られよか~(笑)?!
それもフルコーラス~

公募のお子ちゃま方もみんな一緒にですが
ええ ええ 可愛いんですよ皆さん一生懸命で微笑ましい
け・れ・ど~やっぱり こんな滅多にないチャンス
染五郎さんから視線をはずすなんて出来ません~!!!
視界の中央には染五郎さんを据え(笑)
視界の隅っこでお子ちゃま達を捉えて拝見

染五郎さんも青楓さんも京さんも
皆さんをたててらっしゃりながら踊ってらっしゃる
とってもうれしそうなんです~特に染五郎さん
やっぱりココでもお子ちゃま達を見守る目が
なんてうらやましい~(笑)

かぶき体操歌えるし踊れるし~
いやちょっと暴言(笑)
踊れないけど手踊りだけならなんとか
観てるとウズウズしてきちゃいます
なんだか終わる時は寂しくて
ウルっ としちゃいました
とっても温かくて良い公演
やさしくなれる公演でした

考えていたよりもかなり盛り沢山で
1時間25分なんてあっという間
久しぶりに疾走する染五郎さんを拝見出来
その上 どこを切っても切っても
金(こん)ちゃんならぬ
染ちゃん(←今回だけ許してこの呼び方)オンパレード

染五郎さん的にだけ言うと
素踊りあり!傾奇おどりあり!かぶき体操あり!
“静”の染五郎さん!“激しく動”の染五郎さん!
“優(しい)”の染五郎さん・・・
ひと月公演のなかった事を埋めて下さるのに充分な
いえ充分過ぎる大満足のものとなりました

新しい劇場はいいですね
こけら落とし公演 そうそう体験出来るものではありません
初めてその劇場に命が吹き込まれるのですから
演じる側だけで成り立つものではなく
観る観客側の心も必要です
染五郎さんと子供たち そして私たち

この日の公演と同じように この伝承ホールは
温かくて優しい雰囲気を持ち続けて
これから もっともっと地域に
根ざしたものになっていくといいな


◆渋谷金王丸・番外編

公演後 金王丸 縁の渋谷金王八幡宮に
公演成功のご報告 兼 お参りをしてまいりました
まあ私が行ってどうなるものでもありませんが(笑)
こういうことでもない限り?
地元の方くらいしか知らない?
こんな街中に?というくらい
ひっそりと こじんまりした八幡さま

ひょんな事?から社務所にいらっしゃった
(衣装から察するに)宮司さんであろう方とお話も出来
ご親切にいろいろご説明下さいまして
流れで 金王丸公演を拝見して寄らせて頂いた事など
話していると 同じく公演をご存知な様子の
社務所内にいらっしゃったスーツ姿の男性が
“実は午後の部を観ていたのですよ
もしかして桟敷席とかに座ってらっしゃいましたか?”
との質問を受け
“はい 染五郎さん応援席で”と私
“やっぱり(笑)”と しばし染五郎さん談義に(笑)
染五郎ファンとなぜわかったのか?謎ですが
スーツ姿の男性 もしかして区のそういうお役の方だったのかも
それこそ宮司さんに報告に来られたとかね
思わぬところで楽しい時間を過ごす事が出来ました

 ティンク の 覚え書き-20101127渋谷金王丸伝説・八幡宮

頼朝が金王丸の誠忠を偲び名付け植えた金王桜
今度は春にでも訪れましょうか
もしかしたら 桜の精の桜子ちゃん
水臭い川神の川ちゃん
二人の不思議な力によって命を授けられた
きんちゃん じゃなくて こんちゃん
金王丸に逢えるかもしれません


私の覚書でありながら
拙い文章を最後まで読んで頂いた方
ホントありがとうございました
そして長々と失礼いたしました

お・し・ま・い

※昨夜は皆様のブログに
お邪魔できなかった事ごめんなさい