昨日は静岡県御殿場市において
秩父宮記念 第41回富士登山駅伝
が開催され、計測工房でタイム
計測を担当させていただき、私・
藤井が計測ディレクターを務めさ
せていただきました。
(計測工房スタッフK氏撮影)
御殿場駅前をスタート、富士山を
駆け上がり、山頂で折り返して、
そして富士山を駆け下りるという
よりも「落ちる」、最後は御殿場市
陸上競技場にフィニッシュする、
1チーム6人、全11区間、全長
47.93km、標高差3,258m、今大会
は地球上に唯一無二のオンリー
ワン駅伝です。
御殿場における富士山での競走
の起源は実に100年前、1913年
(大正2年)7月25日の富士登山
競走までさかのぼります(現在、
山梨県富士吉田市で開催されて
いる同名の大会とは別です)。
富士登山駅伝は、日本最古の
登山レース(現在のスカイランニ
ングレース/トレイルランニング
レース)の直系の大会なのです。
この駅伝は、秩父宮記念の冠が
ついています。秩父宮雍仁親王
と勢津子妃が過ごされた別邸が
御殿場市にあったご縁によります。
総合優勝したチームは、一年間、
秩父宮記念賜杯を保持する栄誉
が与えられます。
大会当日の朝、七合五勺地点
(標高3,090m)からのご来光。
いよいよレースの日が幕を開け
ます。(岡本撮影)
スタート地点は御殿場駅前です。
今年は131チームがエントリー。
タスキに装着されたICチップにて
計測をおこないました。
(計測工房スタッフU氏撮影)
第1中継所は青少年交流の家。
(標高707m)
地面にはタイム計測用アンテナ
マットが設置してあります。
(緒方撮影)
第1中継所でのタスキ渡し風景。
(緒方撮影)
第2中継所は馬返し上。
(標高1,040m)
地面にはタイム計測用アンテナ
マットが設置してあります。
(計測工房スタッフI氏撮影)
第3中継所は太郎坊。
富士山御殿場ルートの新五合目
です。(標高1,440m)
地面にはタイム計測用アンテナ
マットが設置してあります。
(高橋撮影)
各中継所で計測されたデータは
陸上競技場の記録室に送られ、
記録室で集計されます。
(高橋撮影)
第3中継所でのタスキ渡し風景。
(高橋撮影)
ここまではロードですが、ここから
先、いよいよ登山区間になります。
富士山の御殿場ルートの特徴は、
この大砂走りです。火山岩が細か
い砂になって5km以上も続きます。
(計測工房スタッフK氏撮影)
第4中継所は二合八勺。
標高2,085mです。
大砂走りと呼ばれる地形のため、
地面へのアンテナマットの固定が
出来ません。代わりにタイム計測
用アンテナフェンスが設置してあり
ます。
(計測工房スタッフK氏撮影)
4区走者から5区走者へ。
標高2,085mでのタスキリレー。
(計測工房スタッフK氏撮影)
そして第5・第6中継所は七合五勺
の砂走館。標高3,090mです。
今大会で最も高い計測地点になり
ます。地面にはタイム計測用アン
テナマットが設置してあります。
(岡本撮影)
第6走者は、ここから山頂まで駆け
上がり、山頂の浅間神社でタスキ
に検印を押してもらったら、一路、
引き返して下山します。
第6走者から第7走者へ。
標高3,090mでタスキリレーを
おこなう駅伝は地球上でここ
だけでしょう。
(計測工房スタッフK氏撮影)
そして、下りも大砂走り。
(計測工房スタッフK氏撮影)
第7中継所は再び二合八勺。
標高2,085mです。
(計測工房スタッフK氏撮影)
下りの大砂走りの中継所こそ、
この大会のハイライトであり、
シンボリックな風景です。
第7走者は上から弾丸の如く
大砂走りを落ちてきます。
(計測工房スタッフK氏撮影)
タスキを渡した前走者は、すぐに
止まることが出来ず、そのまま
駆け抜けていき・・・
ほとんどの前走者は転倒して
ようやく止まります。
これぞ富士登山駅伝。
(計測工房スタッフK氏撮影)
二合八勺と七合五勺の地点へ
計測機材を運んでいただくのは
ブルドーザー。富士登山駅伝を
支える影の立役者です。
(計測工房スタッフK氏撮影)
標高2085mでの機材積み込み
作業風景。
(岡本撮影)
下山を終えて、再びロードへ。
第8中継所は太郎坊。
(標高1,440m)(高橋撮影)
第8中継所でのタスキ渡し風景。
(高橋撮影)
なお、復路の太郎坊では繰り
上げスタートがあります。
全チームのうち、実に半数が
繰り上げになるというハードル
の高さ。
第9中継所は馬返し上。
(標高1,040m)(2015年撮影)
第10中継所は青少年交流の家。
(標高707m)(緒方撮影)
第10中継所でのタスキ渡し風景。
(緒方撮影)
そしてフィニッシュ地点は、
御殿場市陸上競技場。
(標高580m)
地面にはタイム計測用アンテナ
マットが設置してあります。
(藤井撮影)
今年も総合優勝を果たしたのは、
地元の雄、御殿場滝ヶ原自衛隊
でした。3時間49分46秒で、2区
から1度も首位を譲らず、2位に
5分以上の大差をつける圧勝。
この駅伝で最多優勝を誇るチー
ムですが、41回の歴史の中で
これで23回目の優勝です。
(藤井撮影)
そして総合で7位、自衛隊を除く
一般の部では9連覇達成となった
のがトヨタスポーツマンクラブ。
(計測工房スタッフU氏撮影)
計測オペレーションをおこなった
記録室です。
(藤井撮影)
今年から記録速報のWEBサービス
「駅伝速報」も弊社にて実施しまし
た。URLは→こちら
(富士登山駅伝は、優勝チームの
アンカー11区走者がフィニッシュ
する頃、最後尾はまだ5区を走っ
て山頂に向かっている途中という
ほど先頭と最後尾の差が開きま
す。さらに繰り上げスタートがある
ため、全チームのアンカー11区
走者が走り終わっても、まだ8区
の走者の最後尾は走り終わって
いないという特異な構造をしてい
るので、速報といってもタイムラグ
があります)
仕事を終えて、計測工房スタッフ
19名全員で記念写真。
この19名というスタッフ総数は、
計測工房が計測する大会の中で
最も多い人数です。
この難易度の高いエクストリーム
な計測に尽力してくれたスタッフ
の皆さんには本当に感謝です。
This is timing man.
We are professional timing man.
Born this way.
This is an everlasting journey.
今回も一期一会の貴重な仕事の
機会を頂戴したことに感謝です!
この現場が次の現場に繋がり
ますように。