東京シティハーフマラソンから東京マラソンへ | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

さて昨日は、「チャレンジダート IN 大井競馬場」の計測を担当させて頂き
ましたが、大井競馬場と言えば、私にとって思い出すのは、かつて開催
されていた「東京シティハーフマラソン」です。


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今から17年前、1997年1月19日に開催された「'97東京シティハーフマラソン」
の写真です。写真右側のナンバー1075が当時21歳の私です。
この大会は、新宿の東京都庁をスタートするハーフマラソンで、フィニッシュ
地点が大井競馬場でありました。大井競馬場と言えば、この思い出です。


実はこの東京シティハーフマラソンは、現在の東京マラソンまで続く大会
と言ってもよい大会です。


以下に簡単にまとめます。
「東京シティハーフマラソン」から「東京マラソン」への変遷の系譜・・・。


【1】 東京シティハーフマラソン(1992年から1998年まで7年間開催)
・主な主催者は東京都。
・スタート地点が東京都庁、フィニッシュ地点が大井競馬場。
 スタート地点に関しては現在の東京マラソンと同じ設定。
・距離はハーフマラソン。
・トップアスリートによるエリートレースと、大規模な市民マラソンの融合型。
 現在の東京マラソンと同じスタンス。
・現行のIAAFルールでは公認されない「ダウンヒル(下り坂)コース」の
 ため毎年のように好記録が出ていた。
 世界最高記録、日本最高記録が連発された大会。(※後述)


【2】 東京ハーフマラソン(1999年から2000年まで2年間開催)
・主な主催者は東京都。
・前身の東京シティハーフマラソンからコースが一新され、開催地は
 お台場となる。お台場をスタート・フィニッシュとするハーフマラソン。
・距離はハーフマラソン。
・トップアスリートによるエリートレースと、大規模な市民マラソンの融合型。
 現在の東京マラソンと同じスタンス。
・2000年には高橋健一選手が1時間0分30秒の日本新記録で優勝。


【3】 東京シティロードレース(2002年から2006年まで5年間開催)
・主な主催者は東京新聞。
・なお、この大会の前身は「神宮外苑ロードレース(主催:東京新聞)」
 という市民マラソン。
・日比谷公園をスタート、国立競技場をフィニッシュとする10kmレース。
 現在の東京マラソンのコースの最初の10kmを逆走するコース。
・大規模な市民マラソン。ただしトップアスリートのエリートレースでは
 なくなった。
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2002年の第1回の東京シティロードレースのスタート地点。


【4】 東京国際マラソン(1981年から2006年まで26年間開催)
・主な主催者は日本陸連および読売新聞・産経新聞(隔年で交代)。
・国立競技場をスタート・フィニッシュとするフルマラソン。
・トップアスリートによるエリートレース。
・瀬古利彦、宗茂、ジュマ・イカンガー、谷口浩美、アベベ・メコネン、
 中山竹通、森下広一、スティーブ・モネゲッティ、エリック・ワイナイナ、
 高岡寿成といった時代の名選手が優勝者に名を連ねている。
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2006年の最後の東京国際マラソンのフィニッシュ地点。


【5】 東京マラソン(2007年から2014年現在まで8年間開催中)
・主な主催者は日本陸連と東京都。現在は東京マラソン財団。
・トップアスリートによるエリートレースと、大規模な市民マラソンの融合型。
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2007年の第1回の東京マラソンのフィニッシュ地点。



思えば、私はこの5大会すべてに何らかの形で関わってきました。
「東京シティハーフマラソン」・・・選手として出場。
「東京ハーフマラソン」・・・前勤務先時代に計測を担当。
「東京シティロードレース」・・・前勤務先時代に計測を担当。
「東京国際マラソン」・・・前勤務先時代に計測を担当。
「東京マラソン」・・・個人事業主時代に計測を担当。


今や、時代の寵児ともいえる存在の東京マラソンですが、2007年に唐突に
誕生したわけでは決してなく、

「東京シティハーフマラソン【1】」および後継の「東京ハーフマラソン【2】」の
ような「トップアスリートによるエリートレースと大規模市民マラソンの融合型」
を目指して、2006年時点でおこなわれていた大規模市民マラソンの「東京
シティロードレース【3】」と、エリートレースの「東京国際マラソン【4】」の両者を
統合する形で、2007年に「東京マラソン【5】」が誕生した。


と言えるでしょう。実に5大会にまたがる歴史です。
これらをまとめるだけで、軽く1冊の本が書けそうです・・・。(書きませんが)


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※参考資料「東京シティハーフマラソンで誕生した記録」
・1992年のこの大会でS・モネゲッティ(豪)が1時間0分27秒の世界最高。
 女子ではL・マッコルガン(英)が1時間7分11秒の世界最高。
・1993年のこの大会でS・モネゲッティ(豪)が1時間0分6秒の世界最高。
・1994年のこの大会で片岡純子が1時間8分41秒の日本最高。
・1995年のこの大会で浦田春生が1時間0分49秒の日本最高。
・1996年のこの大会で大崎栄と早田俊幸が1時間0分42秒の日本最高。
 女子では真木和が1時間8分18秒の日本最高。
・1997年のこの大会で千葉真子が1時間6分43秒の日本最高、当時の
 世界最高まであと3秒と迫る世界歴代2位。
■上記すべての記録は現行のIAAFルールでは公認されていません。
 ダウンヒル(下り坂)コースのため。