2012年ニューイヤー駅伝&箱根駅伝 | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

2012年正月のニューイヤー駅伝 (全日本実業団駅伝)と箱根駅伝 が終わりました。
優勝チームとメンバー成績は以下の通りです。

2012年1月1日 ニューイヤー駅伝優勝
日清食品グループ 4時間49分32秒(2位に1分20秒差)
1区 若松 儀裕(区間1位)
2区 ガトゥニ・ゲディオン(区間3位)
3区 保科 光作(区間4位)
4区 佐藤 悠基(区間1位・区間新)
5区 高瀬 無量(区間1位)
6区 座間 紅祢(区間4位)
7区 安西 秀幸(区間5位)

2012年1月2-3日 箱根駅伝優勝
東洋大学 10時間51分36秒(2位に9分2秒差)
1区 宇野 博之(区間4位)
2区 設楽 啓太(区間2位)
3区 山本 憲二(区間2位)
4区 田口 雅也(区間1位)
5区 柏原 竜二(区間1位・区間新)
6区 市川 孝徳(区間1位)
7区 設楽 悠太(区間1位・区間新)
8区 大津 顕杜(区間1位)
9区 田中 貴章(区間6位)
10区 斎藤 貴志(区間1位)

専門的な分析はメディアに譲るとして、個人的な所感を。
まず、日清食品グループ、東洋大ともに「快勝」「完勝」でありました。特に東洋大は
「圧勝」でした。

日清食品グループは7区間中、区間1位が3名(うち区間新1名)で、最も悪い区間順位でも
区間5位。
東洋大は10区間中、区間1位が6名(うち区間新2名)で、最も悪い区間順位でも区間6位。
両チームとも、他を圧する安定感でした。

ニューイヤー駅伝は近年、2~3チームがアンカー区間まで並走し、最後はラストスパート
勝負にもつれこんで数秒差での決着というパターンが定着化していましたが、今年の日清
食品グループは独走態勢にもちこみました。
箱根駅伝は昨年、史上最少差の21秒差で早大が優勝し、東洋大が後塵を拝したのが
記憶に新しいところですが、今年は近年まれにみる大差(9分2秒差)で東洋大がリベンジ
しました。

駅伝で勝つというのは、ごくまれに「ノーマークのチームが勝利」という大番狂わせも起こり
えますが(2006年の箱根駅伝の亜細亜大学優勝とか、2011年の全国中学駅伝女子の
新居浜東中優勝とか)、今年のニューイヤー&箱根は「勝つべきチームが勝つべくして勝った」
共通項を感じました。

・チームの層が厚く、チーム内でメンバー入りをかけたハイレベルの競争がある。
・層が厚いため誰を選んでも他チームと戦えるため、コンディション優先(調子の良い選手
 を起用)でのメンバー選出ができる。
・チームとしてコンディショニング、ピーキングが巧み。
・優勝だけを目指してチームが団結している。メンバーに選ばれなかったサポートメンバーや
 スタッフも含めて。

ざっと上記のような共通項が見えます。ところで、これは今回に限ったことではありませんね。
かつてニューイヤー駅伝で圧倒的に優勝を重ねていた黄金期の旭化成や、全国高校駅伝で
同様だった黄金期の西脇工業高校などもそうでした。

ちなみに個人的には優勝するために一番重要なことは「優勝だけを目指してチームが団結
している」ことではないかと思います。要するに精神面です。おそらく、「言うは易し、行うは難し」
であって、今回の箱根で4位に甘んじた早大の渡辺康幸監督が「昨年3冠のおごりがあった」
と述べておりましたが、常に優勝だけを目指した高い精神状態(モチベーション)をキープ
するのは容易ではないと思います。
と、ここまで書いてくるとこれは駅伝に限ったことではなく、あらゆるスポーツに共通して言える
ような気がしますね。


さて、明日までオフ(冬季休業)です。