ちょっと体調悪くして、更新とどこおりがちになっています。
まあ、のんびりやっていきますので、暇なときにでも。


以前書いていた、FF13の戦闘システムについての考察です。
やたら長い上に、まとまりも結論も出てないんですが(笑)
まあ、せっかくかいたので載せておきます。


こちらは前編になります。


●「MPの廃止」


 今回のFF13の戦闘システムの最大の特徴は、「MPシステムの廃止」かなあ、と思います。


 プレイした方は当然ご存知のとおり、今作には、
 いわゆる「マジックポイント」に当たるモノが存在しません。
 魔法は基本的に使い放題、ということになります。


 いったい、どうしてこういうゲームデザインになったのか?
 このあたりの分析と、推測をまとめてみよう、というのが今回の主題です。



 従来のRPGにおいての「MP」とは何か、というのを、
 非常に乱暴に説明すると、以下のようなものです。


 「プレイヤー側の"消耗"を示すためのゲージ」


 要するに、パーティがそれまでの戦闘でどれだけ消耗したか、
 これからどれぐらい戦闘できるのか、を示す指標、ということです。


 強力な敵と戦えば、それだけMPが減り、
 MPがなくなれば、プレイヤーは、街に引き返して
 回復するかどうか、という決断を迫られます。


 MPとは、「パーティがあとどれぐらい戦えるか」の目安であり、
 これが切れないうちにいかに目的達成をするか、というのが
 RPGというゲームの基本システムである、といえます。


 では、それをなくしたFF13の場合、いったいどういう変化が起きたのか?


 「消耗」がなくなったんだから、簡単になった?
 もちろん、そんなわけはありません。

 ご存知のとおり、今回の戦闘は、相当な難易度に仕上がっています。

 私自身、ザコ戦でも相当な回数全滅しています(笑)
 


●「ザコ戦が難しい?」


 たとえば、従来のRPGでは、「苦戦するけど勝てる」敵は、
 ゲームの障害として成立しました。
 苦戦する=MP消費が激しい、ですから、
 「苦戦するけど勝てる」敵と3回戦えば、MPが尽き、
 「これは難しい」とプレイヤーに歯ごたえを与えることができます。


 ところが、FF13のシステムでこれをやっても、
 消費は一切ないわけですから、「障害」としては成立しません。


 ダメージや消費があとに残らないのですから、
 一戦一戦「殺しに来る」敵でなければ、「障害」としては成立しないのです。
 「時間がかかった」という部分で代用できるかもしれませんが、
 それは結局「面倒くさい敵」であって、「強い敵」とは本質的に一致しません。
 

 従来作なりの「歯ごたえ」や「障害」を与えるためには、
 一戦一戦を高難易度に設定せざるを得なかった、という事情が見てとれます。


 極論ですが、今作の難易度の高さは、
 「MPを廃止した故に、雑魚戦の難易度が上昇した」
 いう見方ができるかと思います。


 「MPを廃止」したまま、戦闘の難易度やゲーム性を別の方向で表現しようとした結果、
 かなりピーキーな難易度設定になってしまった、というわけですね。


 個人的には、「難しいゲーム」だったのはアリだとは思います。
 (誘導や設計がアレなのは、最初の感想で述べたとおりですが)
 とはいえ、特徴的な部分だけに、いったい、どうしてこんなゲームデザインになったのか?
 という部分はどうしても気になるところですね。


 ここまで、「今まであったMPを消した代償」として、
 マイナス面の要素をあげてきましたが、
 もちろん、MPをなくしたことによって得られたメリットもあります。


 そして、おそらくは、デザイナーの意図は、このメリットの側にあるはずです。
 ひきつづき、MPをなくしたメリットについて、検討していってみましょう。


(後編へ続く)