本が 読みたい熱 発熱中。
『異能の画家 伊藤若冲』。やっぱり すごいわ若冲。
『没後200年 若冲』『アート・オブ・スターウォーズ』を企画された
狩野博幸(かの ひろゆき)さんが質問者にこたえる形の前半。
解説も愉快です。 以下、太字は 引用。
釈迦三尊像の両側を飾る30幅の掛け軸。
ハスの葉っぱは 縁起もの。絵で飯食う人ならば
虫食いの ハスなんて描かない。それはプロフェッショナルの常識。
虫くってるわ。枯れてるわ。笑
若冲が寺院に「寄付」したものですから、描きたいように描くわ~。
青物問屋の若旦那。しかも土地持ち。家督は弟にゆずって 悠々自適。
質のよい絹本に、いい絵具で描いてあるため、現在も発色が美しい。
職業画家には まねしがたい、
なんだろね~。
おちてくる雪の速度まで わかりそうです。
ある生き物をずっと見て、見尽くすと、
その生き物の持つ「神気」が見えてくるというんです。
そうなったら、その生き物はどのようにでも描ける。
そして鶏にそれが見えるようになれば、他の動物や草木にも、
全部「神気」が見えるようになると。
技術も反骨。
↓「正統派の禁じ手を活用」した水墨画。
画箋紙という薄手の安っぽい紙に墨を落とすと滲みが広がる。
広がっていく墨の面と面が出会うと境目が白く残る。
狩野派の絵画教育では邪道もいいところ。
それを若冲はあえて使った。
描かずに見せる。
「滲みを利用して濃淡に分け、花弁や羽や鱗を描く。
これは風流というべきで、未曾有のものである。」
実際、やってみるのは大変だよ。大変な技ですよヽ(゚◇゚ )ノ
版画もあるとは知りませんでした。すっっごいわ~(TωT)
蒔絵みたいだ~。
美しい。眼福。幸せ。いやされる。
奇をてらう、ことが最先端の気分としてあった時代。という分析も一つありました。
勉強もできず、商売に興味なく、酒もだめで女にも興味がない。
唯一のめりこんだ絵で「後世に残るものを」望んだ若冲。
正伝寺にある中国画を模写した「虎図」には
若冲自身がこんな意味のことを書いています。
「自分は本当の物でなければ描かないことにしているが、
わが国には猛虎が棲息していないので中国の絵に倣って描く、と。
そこに書かれた若冲の言葉は、
自分が眼にできるもの、見て感じるものしか描かないという、
画家としての決意表明でもあるでしょう。
この一文を、若冲を語るお気に入りとして覚えておきたい。
美術家 森村泰昌さんが綴る後半も、また別な視点でおもしろいです。