大河ドラマ 平清盛 第二十二話「勝利の代償」 その背景 ~源氏伝家の宝刀 髭切/友切の伝説~ | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

大河ドラマ 平清盛 第二十二話「勝利の代償」 その背景 ~源氏伝家の宝刀 髭切/友切の伝説~

今夜はメンテナンスですのでご注意を。

平清盛と源義朝が友誼を交わしているシーンで、
お互いが抜刀していましたが、
この時、義朝が抜いたのが源氏重代の刀「友切」でした。

大河ドラマ 平清盛

ドラマでは、清盛が

髭切にせい!

と言っていますが、伝承ではこういう話になっています。

友切は劇中、義朝の父・為義が義朝の弟・義賢に与え、
そして義朝が長男・義平に義賢を襲わせ殺し、
強奪した刀です。
義朝の命令で義平が義賢を襲ったのは事実のようですが、
この時、この刀がどこにあったのかはわかっていないみたいで、
それ以前に、為義が義賢に与えたのかも不明のようです。

ともあれ、この刀のお話。

源為義から5代ほど前に、源満仲という人がいました。
清和源氏の礎を築いた人なんですけれど、
彼が作らせた二振の刀が

髭切



膝切

でした。
なんでも、罪人を試し斬りした際に、
髭ごと斬り落とした一振を「髭切」と名付け、
膝ごと斬ったもう一振を「膝切」と名付けたんだそうです。

髭切は、この満仲の子の頼光の代になると、
その家臣の渡辺綱がこの刀で美女に化けた鬼の腕を斬り落としているとか。
(その他、大江山で酒呑童子を斬っただとか、羅生門で鬼を斬っただとか)
この時、髭切は

鬼切

と名を変えます。
そして、為義の代。
夜、彼が剣を帯びて歩いていると、
鳴いたんだそうです。この刀が。
その泣き声が獅子のようであったことから、

獅子ノ子

と名前が変わります。

一方、この獅子ノ子の兄弟刀である膝切は、
こちらはこちらで、夜に蛇の鳴くような声で吠えたので

吠丸

と名前を変えられており、
この吠丸を為義が娘婿に譲る際に、
代刀として、「小烏」なる刀を打たせます。
この小鳥は獅子ノ子よりも2分ほど長かったそうなんですが、
この二振を障子に立てかけていた時に、
誰も触らないのに突然倒れ、
見てみると、同じ長さになっていたそうです。
よく見ると小鳥の目貫(柄のあたり)が2分短くなっており、
これは獅子ノ子が小鳥を斬ったためと考え、

友切

とまた改名。

そして、義朝の代には源氏重代の宝刀がこの手にあるのに、
何故、戦が思うようにならぬのかと嘆いていると、
八幡大菩薩が現れ

友切という名のせいである。
剣の力を欲するのであれば髭切に戻すがよい。


と告げたので、義朝はこの刀を

髭切

としたのでした。
再び力を蘇らせたこの髭切は、頼朝へと伝えられ、
鎌倉幕府を開かせた、とのことです。


なお、この髭切は現代にも伝わっており、
京都の北野天満宮が所蔵していて、
重要文化財に指定されています。

北野天満宮蔵「太刀 銘 國綱(鬼切)」








ねてしてタペ