ギリシャ危機 ドラクマからユーロへ。そして真の危機が訪れた… | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

ギリシャ危機 ドラクマからユーロへ。そして真の危機が訪れた…

あんまり他所の国の事で偉そうにいえる日本でもないんですけれど、
外国人から見れば、ギリシャは無責任に見えますよね。

ギリシャの債務を半分にするなどの包括支援策で、
そのためには、一層の緊縮財政への転換が必要となる訳ですが、
この支援を受け入れるかどうかを、
パパンドレウ首相は国民投票で、
民意を問うと言いだし、世界がまた混乱してしまいました。

結局、国民投票にはならないようですが、
投票も何も、現実は現実なので、
これまでも大規模デモが起きていたりするんですけれど、
何度デモを繰り返しても、
ギリシャ財政の惨状は変わらないでしょう。


昨年春の「たかじんのそこまで言って委員会」では、
ギリシャの財政危機がテーマになっていました。

おそらく、世界中の誰しもが、
通貨ユーロに問題点があると考えているのではないでしょうか?
この時もそういう話でした。

そもそも、ユーロ導入以前のギリシャの通貨はドラクマでした。
宮崎哲弥さんは、過去200年ぐらいの間に、
ギリシャでは債務不履行、
または債務条件の変更が頻繁に起こっていたと仰っていました。
2年に1度ぐらいではないかとも。

辛坊治郎さんは、そのようなギリシャでも、
国家的に財政が悪化すれば、通貨ドラクマも安くなるので、
安く旅行できるという理由から、
東ヨーロッパからでも観光客が多数訪れていた、と。
世界中から観光客が来れば、またギリシャの財政は盛り返し、
そして、やがて財政破綻かその寸前になると、
ドラクマ安から観光客がたくさんやって来て…
と繰り返してきたそうです。

ドラクマが安くなることで、
なんとなくやってきていたギリシャが、
通貨発行権を放棄して、
欧州中央銀行が発行するユーロを導入したことで、
このドラクマ安でなんとなく乗り越えてきたここまでの危機を、
今回は乗り越えられなくなったという訳ですね。
同じ理由で、お札を刷りまくって、
ハイパーインフレを起こして
なんとか切り抜けるという賭けも不可能となりました。

よく言われるように、ギリシャは公務員天国です。
労働人口の4分の1が公務員だとされますが、
その実数は不明なんだそうです。
国家や自治体が雇っているのが公務員ですから、
数がわからないなどという事自体が信じられませんが、
誰も数えようとはしなかったそうです。
縁故採用も多く、パパンドレウも、
首相になる諸段階で、選挙等で世話になった人たちを
公務員として採用していて、
そして、これは何も彼のみのことではなくて、
ギリシャ中の常識であるようです。

民間企業で、若い世代の社員が受け取る月給が10万円前後だとしますと、
公務員は平均で20万円以上も手にしているそうで、
さらに年金の支給は58歳からと早く、
しかも、月給の8割の金額が支給されるという極楽ぶり。

これだけの公務員を養わなくてはなりませんので、
相応の税収がなければなりませんが、
どうも、領収書が発行されないことが多いそうで、
つまり、そもそもがその商取引は存在していなかった、
即ち、税金を納めない、脱税が横行しているようです。

この問題で、一番厄介なのは、
これが企業ではなく、主権国家である点かもしれません。
企業なら、社長や監査役を送り込んで、
財政健全化を図るのでしょうけれど、
国家である限り、それは出来ず、
結局のところ、ギリシャ国内のことは、
ギリシャの人たちが自発的になんとかしなくてはならないようです。


さて、ユーロ加盟国には加盟国のルールというものがあります。
年間の財政赤字がGDPの3%以内であるというのがその一つです。
ギリシャは前々から、財政については疑問が多かったので、
その点が問題視されたんですけれど、
対GDPの財政赤字は3~6%だとして、
3%以内だとはいえないものの、
諸外国が心配するほどの赤字ではないとしていました。

それが一昨年の選挙での全ギリシャ社会主義運動の勝利で、
この新政権が公表した数字が国際社会に
大きな波紋を呼ぶ事となりました。
なんと、財政赤字は12%だったのです。

偽装工作が行われたといわれています。
それにはアメリカの私企業が関わっているとも。


まあ、最初にお書きしましたように、
我が国も対岸の火事という訳でもないんですよね。
たとえば、日本のGDPは460兆円ぐらいですけれど、
もしも、日本が欧州圏に存在し、
ユーロに加盟しようとしたならば、
赤字はその3%程度の14兆円程度に収めていなければなりません。
しかし、毎年40兆円超の国債を発行している訳ですから、
日本はユーロ加盟国にはなれないということになります。

救いはこの借金がギリシャ政府がそうであるように、
外国の金融機関が債権を持っている訳ではない点ぐらいでしょうか。
日本政府が借りているのは、
国民それぞれなんですよね。
私たちが政府にお金を貸しているという勘定になりますけれど、
だからといって、このまま放置できるものではないとは思います。

…とはいえ、国内での議論も済んでいないのに、
G20で突然、国際社会に向けて、

2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる

と公約したのはどういう了見でしょうか?
ずっとそんな総理大臣ばかりが続いているって…






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