所さんの目がテン! 「病院の科学」~実は痛くない予防注射・手術着はなぜ白衣じゃない?~ | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

所さんの目がテン! 「病院の科学」~実は痛くない予防注射・手術着はなぜ白衣じゃない?~

私の腕は採血しづらいんですよね。
14歳の時に交通事故で
左大腿骨の開放性複雑骨折で入院しましたけれど、
なかなか静脈が探し当てられないんです。

新人の看護師(当時は看護婦)さんだと酷いことになり、
針を刺しては失敗(場所違い、血液漏れ)というのを繰り返し、
何十分もトライを繰り返され、
ついには橈骨茎状突起、
足首で言えば、くるぶしの親指側の骨ですね。
手首のここに針を刺されて痛かったですねえ。

そして、6年前の内疾患で入院した時にも、
担当の看護師さん全滅で、
病棟で一番採血が上手いらしい医師が登場して、
やっと採血完了。

退院後、定期健診での採血室で、
そのような話を採血専門の看護師さんにしますと、
採血は看護師のほうが上手いに決まっていると反論、
でも、やっぱり難しいらしく、
血管は見つかったものの上手くいきません。
そこで登場したのが、これ。

翼状針


翼状針とかいう針で、
これは翼の部分が折れ曲がるようになっていて、
持ちやすさで安全性に優れています。
そして、看護師さんは赤ちゃん用だと仰っていました。
極細の針だったのでしょうか。
私が体験した針では、全く痛みはありませんでした。
触れている感覚があるぐらい。
目で見ていなければ、信じられないぐらいでした。



どうでもいい話が長くなりましたが、
子供たちにとって、一大事なのが注射。
病気ではなくても、予防注射は必要になりますので、
この試練に耐えなければならない事態が訪れることになります。

でも、そもそも注射は痛いのでしょうか?
大人になりますと、痛いのは痛いにしても、
大騒ぎするような痛みではありません。
おそらくそれは、大人の分別というよりは、
注射の痛みというものを
正確に想像できているからなのではないでしょうか?



やっと番組の記事に入ります。

インフルエンザの予防接種を行っている病院、
院内には既に泣き声が。
そういった特に大泣きの注射嫌いの子供4人を対象に実験です。

日を改めまして、そして場所も改めます。
とあるビルの一室には絵を描いているおねえさんが。
ここにお母さんに連れられて女の子がやってきました。

女の子には目隠しをしてもらい、
おねえさんは、女の子の右腕に絵を描き出しました。
描き終わると、目隠しを取ると、
そこには花の絵が。
女の子は「かわいい」と喜んでいます。

この番組や、この記事をご覧の大人の方はおわかりになるでしょうけれど、
これはトラップ。
次も目隠しをしてもらい、
左腕に絵を描き始めますが、
今度は途中から登場した医師に注射を打ってもらいます。

診察室では大泣きだった女の子。
注射が痛いのであれば、大泣きするはず。
しかし、目隠しを外した時には既に予防接種は完了。
女の子は「鉛筆かと思った…」と感想を話すものの、
最後まで問題は起こりませんでした。

以降、あと3人も泣くような子はいませんでした。

注射は子供にとっても泣くような、
あるいは大騒ぎするようなものではないんです。

実は、予防接種の皮下注射はボールペンで押された時よりも、
少しだけ痛い程度。
では、なぜ子供たちはあんなに泣いたりするのでしょうか?

男の子の脳を見てみます。
お母さんが腕をつねりますと、前頭前野が活性化しました。
痛いと前頭前野が活発に働くようです。
次にボールペンの先を強く押し当てます。
前頭前野に反応が見られたものの、
ごく弱い反応に過ぎませんでした。
さほど痛みを感じていないのでしょう。

そして、注射針。
しかし、刺さずに彼に見せます。
すると、彼の前頭前野は活性化。
痛みはないはずなのに、痛い時の反応が出ました。

さらによく見ますと、海馬も活発に働いていることがわかりました。
海馬は記憶に関わる場所。
この男の子は、注射針を見ることで、
恐怖とともに、過去の記憶を呼び覚ましていたのでした。

でも、過去に受けた注射もそれほど痛くなかったのでは?

ここが面白いところで、
乳幼児の頃は、痛点の感覚がとても狭いんだそうです。
痛点、皮膚上の痛みを感じる点ですね。
その密度が高いため、乳幼児にとって注射はとても痛いのです。

でも、乳児期を過ぎればもうさほど痛くないはずなんですが、
その記憶を呼び起こしてしまうため、、
ありもしない痛みまで感じてしまっているのではないかというお話でした。


腕の痛点では、こんな実験で実感出来るかも、
ということでお書きしておきます。

ピンセットを誰か協力者に渡します。
自分は目を閉じます。
協力者にはピンセットを閉じた状態か、
開いた状態で自分の腕に当ててもらいます。
自分はその感覚でピンセットが開いていたのか、
閉じていたのかを答えます。

そんなものは簡単だとお思いかもしれませんが、
なかなかわからないものですよ。
ピンセットの先ぐらいの距離ですと、
腕の痛点の分布密度では拾いきれないはずですから。



次。

病院の医師といえば白衣。
しかし、手術の時には白衣ではありません。。
手術着というものを着ます。
それは緑とか青の服ですが、
なぜ白ではないものを着るのでしょうか?

それは危険だからなんだそうです。

手術室では白衣が危険とはどういうことでしょうか?

実験です。

手術室を想定して、
被験者には赤い光を5分間見つめてもらいます。
そして、緑色の皿の上に乗せられた多数の緑色の豆を、
緑色の器に移してもらいます。

そして、開始から完了まで時間を計測しておきます。

次も同じように赤い光からスタート。
ただし、今度は白い皿の上に乗せられた多数の白い豆を、
白い器へと移してもらいます。
タイムの変化を見ようというのが実験の目的です。

この被験者は全てが「緑」の時、1分32秒のタイムでした。
そして、全てが「白」の時には、1分59秒と、
二度目の慣れがあるはずなのにタイムが落ちてしまいました。
他の被験者でも同様の実験を行いましたが、
やはり、「白」のタイムはよくないものとなりました。


スタジオで実験していたものを再現してみようと、
私も画像を作ってみました。

下の画像をご覧下さい。
中央の白い点をじっと集中して見続けて下さい。
15秒ほどです。
このブログのカラムですと、
横幅に限界がありますので、
画像を画面の中央に置き、
画面に顔を近づけていただけると、効果が高くなるはずです。

赤と緑が表示されたところから見つめて下さい。











補色


















色が変わりましたけれど、
おわかりになりましたか?
切り替わった色はグレーなんですけれど、
左は青~緑、右は赤っぽく見えたでしょうか?

もしも、上手くいかない場合は

800×600

のリンクからご覧下さい。
800×600で作成しましたけれど、
画像上から拡大も可能です。

そして、まばたきをすれば正しいグレーが見られたはずです。

色相環

こういうものを色相環といいますけれど、
私たちの眼は、長時間一定の色を見続けると、
脳は色残像を見せてきます。
上の色相環ですと、赤の反対の緑の色を見せてきたという訳ですね。

豆つまみの実験では、
赤い光を見続けた直後では、
全て緑の場合は問題が起こりませんでしたが、
全てが白の場合は、色残像、
この場合は緑の色を見ることになってしまったため、
記録が悪化したという訳なのでした。

手術の場合、医師は赤い色を見続けることになります。
そして目を上げた時に、白衣なんかが目に入りますと、
そこに色残像を見てしまうことに。
これを避けるために、
手術の時には白衣を着ないという訳ですね。



ねてしてタペ