タイムスクープハンター「われら時の番人」 | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

タイムスクープハンター「われら時の番人」

今回は、文化四(1807)年四月二十一日、下総。

時太鼓打を取り上げています。



城内で時刻を城内、城下に報せる役目、
時太鼓打、3人の話でした。

香時計


まず、「香時計」なるものが登場しました。

私もレプリカを見た事があるんですが、
その展示物を見ても、それが何かわかりませんでした。
説明文を読んで、
これが時計だとわかった次第です。

上の画像がそれですが、
枠付きの板に蛇行するスリットが切られてあり、
このスリットに香を入れ、
板を外すと、下に香の畝が残ります。

香時計

この畝の端に火を付け、
香はほぼ等速で燃えていきますので、
特定の位置までの燃え移りで時を知る事が出来ます。

機械による時計が普及していなかったこの時代、
意外なほど人々は時間に正確だったといいますから、
こういう時計や、その役目の人たち、僧侶たちによって
広く時が報されていたのでしょうね。


この後、ドラマでは櫓時計が登場し、
それが壊れていて、返品することになります。


欲しいんですよね~
レプリカでもいいんで、和時計、
憧れますよね。

何が素晴らしいって、この時代の時間は不定時法。
日の入りから日の出までを夜、
日の出から日の入りまでを昼として、
そのそれぞれを6等分して、それぞれの正時としています。

昼夜の長さは、季節によって違うので、
それに合わせるシステムが必要です。

その工夫は、文字盤の一刻の角度を代えて調節できるようにしたり、
また、機械的に天桴の振動周期を変えられるようにしていたりしますが、
驚くべきは、からくり儀右衛門こと、
田中久重が作った(万年自鳴鐘)万年時計なる代物です。

一度巻けば1年動き続けるという触れ込みで、
京からの太陽と月の動きを見る事が出来、
また、文字盤を自動的に変化させることで不定時法による時刻表示も出来、
私たちが用いている定時法の時刻表示も表示し、
二十四節気も表示し、月齢も知る事が出来、
十干十二支をも表示するという、
とんでもない時計です。

万年自鳴鐘

田中久重がこの万年自鳴鐘を作ったのが、
1851年といいますから、
ペリーらが浦賀沖に現れる2年前。
「龍馬伝」的にといいますか、
坂本龍馬の人生でいいますと、父・八平が隠居した年です。

この時代に、これほどの機械を作り上げるとは。

田中久重は後に田中製造所立ち上げますが、
これは芝浦製作所となり、
今は東芝だというのも、
歴史が確実に現代へ繋がっていることが実感出来、
とても面白いです。


…全然関係のない話になりましたが、
最後に、こちらのサイトをご紹介させていただいて、
終わりにします。

こちらのサイトでは、
和時計が再現され、
不定時法による現在の時刻を見ることが出来ます。
Flashを用いた表示で、
ダウンロードしてローカル上でも使用する事が出来ますので、
ご興味がございましたら、ご覧下さいませ。

ねてしてタペ

追記 ローカル上での画面です。
左が定時法、右がかつての日本での不定時法です。
正刻に鐘も鳴らせるようです。
除夜の鐘が鳴るようで…

江戸の和時計