- だってだってのおばあさん/佐野 洋子
この表紙、なんだかとっても惹かれませんか?
おばあさんとネコ坊やの醸し出す雰囲気、
とても温かくて安心感を感じてしまいます。
それもそのはず。
『だってだってのおばあさん』の作者は、
『100万回生きたねこ』の佐野洋子さん。
これはもう、間違いない~。期待感が高まります。
このおばあさん、なんと御歳、98歳!!
すばらしい。さすが長寿大国ニッポンの生み出した絵本です。
おばあさんの口ぐせは「だってわたし98だもの」。
同居人のネコ君が遊びや魚釣りなど、いろんなことを誘うのですが、
この口ぐせを連発し、なかなか動こうとしません。
そりゃ、そうですよね。
だって98ですよ。
100年近く生きているんだから、もういろいろと疲れちゃって、
なんでも達観しているから、些細なことでは動きたくないでしょう。
元気に身の回りの世話を自分でしているだけで、
十分スゴイおばあさんだと感心してしまうのですが・・・。
あるアクシデントをきっかけに、
「わたし5歳だもの」に口ぐせが変わってしまい、
魚釣りでもなんでも、フットワーク軽くトライしてしまうようになります。
これだこれ!
この暗示のチカラって、かなり効果があるんですよね。
たとえばアラフォーの人が、
「もう40歳」と考えるのと、「まだ40歳」と考えるのとでは、
老け方にけっこう違いが出るのだそう。
後者の考えの人は、前者の人よりも、老けるのが遅い。
体のなかの細胞が「まだまだ若い」と勘違い?をしてしまうので、
皮膚や髪の毛、体力、気力などにも表れてくるそう。
こんなほのぼの絵本には、
さいごのオチが、バッチリあります。
ネコ君の「なるほど、そうきたか!」と思わせる、純粋な一言。
ぜひ、2人の楽しいかけあいを味わってみてくださいね!