魔人sei様よりお預かりした、罠ww
このプロローグは、魔人様作
アメンバ様300人突破祭りとして、魔人様のお話の続きを書いて行きたいと思います~(-^□^-)
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それは突然のことだった。
轟くような雷鳴が大気を振るわせた次の瞬間、冷たい石で覆われた地下道の中で、俺たちの足下を僅かに照らしてくれていた明かりがすべて消え失せてしまった。
今回の映画のロケ先である森の中の古城。安全の為にと控えめながらも灯されていた城内の明かりが消え失せたその場に闇のみが残されていた。
地下にあたるそこには他よりも数段濃い闇が。
夏の海外旅行で趣味の廃墟巡りをしていた8名の男女のグループが森の中の古城で体験する恐怖をリアルに撮りたいからと、この城での撮影は廊下のあちこちに仕掛けられた暗視カメラとマイク、そして役者2人が持つビデオカメラで成される予定で。今は役者だけでその撮影ポイントまで移動している最中だった。俺達の手元には1台のトランシーバーがあるだけ。懐中電灯などの撮影小物は移動先にしかない。
そして、8人のうち俺と最上さんを除いた6人は、10分程早く、その移動を開始していた。主演の俺たちはロケ隊の本部と化した城の1階ホールで行われた監督との打ち合わせに手間取り、移動が遅れてしまっていた。先に出発した役者同様、念のためにと持たされたトランシーバー以外、この窮地を助けてくれるアイテムは持っていなかった。
「最上さん、大丈夫?」
暗闇になった瞬間、小さな悲鳴が聞こえたような気がするのだか。
先程まで振り返ればほのかに見えていたその存在が・・・・・・・・・・今はまったく感じられない。もしかして、近くにいない?
「最上さん?どこ、返事して?」
「ああ、落雷で電源が落ちたな。おーい、敦賀くん、大丈夫か?」
移動しながら会話を続けていた監督の声がトランシーバーから響いた。
「あ、監督。すみません、俺は大丈夫です、でも、一緒に歩いていた筈の京子さんがいないようなので・・・・・・・・」
「いない?横歩いてなかったのか?」
「それが、これでの会話に気を取られていたので・・・・・・・・もしかして早く歩きすぎていたのかも」
「おいおい・・・・・・・・・紳士な君にしては珍しいミスだな。こっちも懐中電灯の数があんまりないし、先に電源の復旧をしたいから、京子を見つけたらその場で待機していてくれ」
「わかりました」
トランシーバーの通話をオフにし、最上さんを探すために再び声をあげる。
危険なことは無い筈だが、暗闇で怯えているかもしれない。
早くこの手で抱きしめて、安心させてあげたい。
「最上さん?最上さん?お願い、返事して?」
片手を壁につけながら、少しづつ引き返す。
なかなか返事を返してくれないことに不安を覚えだしたその時。
「つ、敦賀さん?あ・・・・の、私は大丈夫ですので」
「最上さん、よかった!!無事だね?姿は見えないけど」
「だ、大丈夫です。それより、何故明かりが消えたんですか?」
「ああ、落雷で電源がね。復旧するまで、俺たちにはここで待機してくれっていってたよ。それより、早く俺の近くに来て?」
声を頼りに前に進むが、何故か彼女の声が遠ざかって行く。
「最上さん?」
「あ、の!来ないでください!」
「どうして!!?」
「あの、その、服が、その・・・・・何かに引っかかって・・・・・・・や、破れちゃったみたいなので・・・・・・明かりが付いたら、その・・・お目汚しを・・・・・・・・」
彼女の今日の衣装はホルターネックのキャミソールに、ショートパンツとシアー素材のオーバーニーサイハイソックス(パンスト素材の太もも中央までの丈のソックス)、足下はミュールという、古城の地下を歩くには相応しくないが、考えなしな役柄をよく表現したものだった筈。
背中のラインと、巷で絶対領域と言われている太ももが見える様が色っぽくて、その魅力的すぎる姿を直視できず、なるべく視界に入れないようにしていたのが仇となったのか。
「汚れないから!それより、破れたって、何が?怪我は?」
「キャミソールが裂けてしまって、怪我はしてません!その・・・・・・・・・・あ、あの、だから、近づかないで!」
冗談じゃない!そのままにしておいたら、探しにきた奴らに君の肌を見られてしまうじゃないか!
かと言って。俺が貸せるのは今身につけているタンクトップくらいしかなく、この少ない布で彼女の身体を隠せる自信はなかったが。
それでも、いざとなったら、腕の中に抱き込んで隠せるように、君を捕まえておきたかった。
捕まえたあと2時間も、生殺しの目に遭うとも知らずに。
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この続きを、書いて行きたいと思います~