魔人様のリクエスト。
「湯気の中で(仮)」←便宜上つけただけ
蓮からの告白済みで、キョーコの返事待ちという微妙な時期。季節は冬。
マンションの前で言い争いになり、土砂降りの中、キョーコ走り去る。
そしてそれを蓮が追い、近くの公園で捕まえるがそこでも言い争い。
二人共ずぶ濡れで、震えが止まらない程冷えてしまう。
なんとかキョーコを連れてマンションの部屋に帰った蓮。
服を着たままキョーコを連れ、お風呂場に直行。
つるっとどぼんで、行ってきます★
魔人様に捧げます
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「だから言ったのに・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思いが通じ合った翌日。蓮はベッドの住人だった。
長いこと雨に当たっていたにもかかわらず、着替えもせず温まりもせず。無理ばかり重ねた結果だ。
流石のキョーコも、呆れ顔で。
「ちゃんと温まってって言ったのに・・・」
自分の怪我に気を取られ、甲斐甲斐しく手当をしてくれた蓮。その手が冷たい事は気づいていたけれど、両想いになれたのが嬉しくて・・・。
「はい、お水飲めますか?」
うんうんと魘される蓮に、そっと水を差しだすけれど。
「くちうつしがいい・・・」
カサカサの唇が、カサカサの声で紡ぐ言葉はキョーコの顔を紅潮させるに十分。
「・・・・ばか・・・・。風邪、移っちゃうじゃないですか・・・」
「くちうつし・・・。きょーこと、付き合えたらあれもしよう、これもしようって・・・。いっぱい考えてたのに・・・」
ベッドの中から差し出された手が、そっとキョーコの髪に差し入れられる。
「いっぱ、かんがえたんだよ?」
「もう・・・、治ったらいくらでもできるじゃないですか・・・。私は逃げませんよ?」
その、熱っぽい手に自分の手を添えて。
「実感が、ほしい・・・。夢じゃないんだって・・・、実感が・・・」
「ばか・・・・。私に移ったら、看病してくださいね?」
水を口に含み、ひび割れたそこにそっと押し付ける。
少しずつ、少しずつ。移して。離れるとき、ほんのり湿ったそこをちろっと舐める。
「・・・・・・・・・・・・・・・もっと・・・・・・・・・・・・」
「もう、我儘ですよ?」
「うん。恋人なんだから・・・。いっぱい我儘いうよ? キョーコ・・・も、一回・・・」
「しょうがない人ですね・・・・。その代り、私の我儘も聞いてくれますか?」
「うん」
また口に含み、そっと。そっと。蓮が満足するまで何度も繰り返して。
「今日は私もここで寝ますから。ね?」
「移るよ?」
「今更です。その時は。ちゃんと、看病してくださいね?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いちゃいちゃdays。
お粗末★