「こちらブルームーン探偵社」の魅力 | ネコ人間のつぶやき

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 1980年代に一世を風靡したアメリカABC放送制作「こちらブルームーン探偵社」。以前にもこのブログで紹介しましたが、見直すとヤッパリ良いですね。


 このドラマの大ヒットにより、特にブルース・ウィリスは世に知られ、その後「ダイ・ハード」の主役への道を歩むことになるのです。


 マディ(シビル・シェパード)は元一流モデル。今は屋敷にひとり住んでいる。ところがあるとき会計士に全財産を持ち逃げされ、マディは仕方なく投資先のブルームーン探偵社を売りに出すことに。


 それを社の探偵・デーブ(ブルース・ウィリス)が阻止すべく、マディを説得して、マディは社長、デーブは副社長としてブルームーン探偵社を営むことになります。


 一話完結型の探偵ものです。難事件・珍事件をマディとデーブが引き受けて、この凸凹コンビがドタバタしながら解決する姿をコメディータッチで描いています。


 マディは熱心で面倒見が良いし、情がある女性。探偵業は全くの素人ですが社を立て直すために依頼を積極的に引き受けて頑張る。


 一方デーブはテキトー男。で、マシンガンのように喋りまくる。腕っ節も強いわけでもないし、何か卓越した才能があるというわけでもない(本人の自己評価は才能ある探偵と思っているフシがある)。少年が大人になったような男ですが、そこが何とも言えない魅力。


 仕事依頼の場合もありますが、探偵社の誰かが成り行きで事件に巻き込まれたりして、結果的に引き受けるはめになるパターンが多いのです。ハプニング→ドタバタ→事件解決という感じ。


 ともかくマディとデーブの掛け合いがたまらなくオモシロイ。ケンカもしょっちゅうだけれども、この二人の場合は明らかに「喧嘩するほど仲が良い」。


 そして男女二人の相棒ものにはつきものの徐々に芽生えるロマンス。このあたりは「キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿」に通じるものがあります。


 笑い満載なんだけれども、人情にあふれている。そして二人のやりとりが軽妙なだけでなく、オシャレなんですよね。今の世の中に必要で、憧れている要素が満載な気がしちゃいますね。


 でもご覧になったことのない方には伝わりにくいと思います。ですので、その雰囲気をお伝えするために、今回は一例として「ブルームーン探偵社」の第15話のお話をしたいと思います。

 


※以下に第15話のあらすじを紹介しますので、この回のネタバレになります。ですので、まだご覧になられていない方は、お読み下さる際はその点ご注意・ご了承ください。



第15話 「紳士と淑女の賭け」 あらすじ


 出社したマディは、そそくさと自前の朝食セットふたり分を社長室に用意してデーブを待っている。デーブが出社し、ジョークを言いながら頬張る。そしてデーブは「何か魂胆があるんでしょ?」。


 マディは大企業の顧問を数々行っている大手同業者、ルー・ラサールにブルームーン探偵社を大金で売らないか、と持ちかけられた、心の中では答えは「イエス」だ、とデーブに伝えると、デーブは「この10ヶ月間二人で頑張ってきたのに!」と珍しく本気で憤慨し、退社してひとり出てゆく。


 とは言ったものの行くあてもないデーブはそのまま朝っぱらからバーでヤケ酒をあおる。すると隣で若い男・フィルが同じくヤケ酒をあおっている。デーブが声をかけるとフィルは「今日で失業だ」と嘆く。そして自分の真面目な勤労態度をボスが全く認めてくれない、とグチが出る出る。


 フィルの勤め先である大手銀行家・ウェルマンの会社で一昨日の夜強盗が入り、すべてゴッソリ盗まれたが、中でも社長の重要な顧客の直通電話を控えたロール・インデックスがついでに持って行かれてしまったのが一番堪えた。フィルはこの6年間で運悪く1回だけ、金庫にしまい忘れた夜がたまたま事件の夜だった、と。


 フィルからウェルマンの警備担当がルー・ラサールであることを聞いたデーブは、ルー・ラサールの鼻をあかし、ウェルマンに自分を認めさせたく思い、自分は同じく失業中だが探偵だ、とフィルに言い、「内緒で一緒にロール・インデックス今日中に探そう」と伝える。そしてふたりは質屋を経由して粗大ゴミ処理場に行く。


 マディはルー・ラサールに身売りしたブルームーン探偵社に出社するも、自分の社員が全員異動されており、何から何まで全て入れ替わり、自分のデスクさえなくなっていることに失望。ルー・ラサールには「前の生活に戻ればよい」と言われ、落胆しながら帰宅する。


 ロール・インデックスをゴミ処理場から見つけたデーブ。しかしウェルマンにその報告に行くと、ウェルマンとルー・ラサールは、フィルは今日無断欠勤、ロール・インデックスもない、と告げられ、デーブが犯人と誤解される。


 逃げるデーブ。でも行く先はないので結局マディの邸宅に身を潜める。事情をマディに話したデーブ。マディとデーブは二人でこの困難を解決しよう、と決意。マディは「私がデーブ探偵社の社員になるわ」。


 真犯人が指定した場所にマディとデーブが行くと、ロール・インデックスを手にしたフィルが銃を持って立っていた。フィルは長年の勤めを認めてくれないボスのウェルマンに不満があるのだ。フィルを必死で説得するマディとデーブ。フィルはそれに応じる。


 ふたりは会社に行き、犯人は取り逃がしたがロール・インデックスは見つかったこと、そして代わりにフィルを昇進させてやってくれ、とうまく交渉。事件はこれにて一件落着。


 マディはブルームーン探偵社を手放さないことにした、とルー・ラサールに伝える。そしてすべてが元通りになる。マディは社長室に、デーブも出社していつものように自分のデスクに両足をのっけてオモチャで遊ぶ。


 そこへデーブに配達が来る。配達された箱の中も見ずに、すぐゴミ箱に捨てるデーブ。マディに箱の中身を聞かれると、デーブは今や必要のない「デーブ探偵社の新しい名刺だよ」と笑う。


 マディはゴミ箱からその名刺を1枚手にしてデーブに言う。「1枚貰っておくわ。女にはいざって時に頼りになる男が必要だから」。


・・・


 いかがでしょうか?マディとデーブの絆、そして互いに生きがいを取り戻すというこの回。誰も傷ついていないし、皆ハッピーエンド。そして何てオシャレな結末。好きなんだけどなあ~こういう感じ。


 今回はこれ以上のコメントはせずにこのあたりで。またいつか「こちらブルームーン探偵社」の話題をするかもしれないですね。