組織検査結果とMRI検査 | 乳癌の値段

乳癌の値段

2012年6月に若年性乳癌の温存手術したダメ人間によるお金と食生活なんかの話

組織検査結果の日

いつも通りにクリニックに行くと
待っている人がいるのに一番に名前を呼ばれた

・・・

嫌な予感しかしない


そしてK先生は私の顔をみると開口一番
「一人で大丈夫?」
と言った

ああ
ダメだったんだ

私はそれを理解すると共に
「これでもう【また来週】は聞かなくて済む
分からないよりは全然いい」

と思いながら私は机の上に置かれた紙を眺めていた


結果は
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湿潤癌 Grade1


K先生は分かりやすく

乳癌には非湿潤と湿潤性のものがあり
非湿潤は全体の10%程度なので
湿潤性のほうがデフォであること
私もそれであること

Gradeは1なので
わかりやすくいうと
【非常に穏やかで性格のおとなしい癌】
であること

腫瘍が小さいので多分温存手術で大丈夫だろうということ

私は今から大学病院に行って
MRI検査を受けなくてはならないこと

これから行く大学病院に
先日2度目の細胞検査をしてくれた先生がいるので
その先生に全て頼んでおいてくれたこと

手術するにあたり
他に行きたい病院があるのなら
いつでも紹介状を書いてくれるということ

を説明してくれて
質問はあるか訊ねてくれた


「私、抗癌治療したくないんです」
質問でもなんでもない言葉を発する私

K先生は特に気にする様子はなく
「この病理を診る限りでは
多分しなくても大丈夫だと思う
でもね【絶対にしない】っていうのはよくない
癌には色んな種類があって
君の癌に非常に有効なものがあるかもしれないし
詳しい結果が出て
それでも大丈夫なら勿論しなくていいと思う
それは大学のほうにも伝えておくよ」

と言ってくれた

そして
「病気になれば誰だって不安になる
そこにつけ込んだ悪質で高額なものが存在する
それに気をつけて欲しい
変な健康食品とかで【癌が治った】と謳っているものも
沢山あるけど
本当に治ったら病院で使ってるからね」

と私の目を見て言った


私が
「ネットで温熱療法というのを見ました」
と言うと
K先生は
「あれね
一応最初だけ保険が効くから
やってる人もいるみたいなんだけど
完治したって症例は実際はないんだよ
治療すると一時的に腫瘍が小さくなるけど
時間が経つと元に戻ってしまう上に
保険が効かなくなってからが凄く高額なんだ」

と説明してくれた


そして
「じゃあ
血液検査の結果はオールクリアだったから
このまま大学病院に行ってね」

と健康診断の結果を受け取り
私はお礼を言ってお会計
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1,870円
を済ませ
私が診察を受けていたクリニックと大学病院が非常に近かったので
タクシーに乗って大学病院へ向かった


タクシーの中で

【私は癌なんだ

ダメだったんだ

仕事どうしよう

ネットにホルモン治療には5年以上掛かるって書いてあった

ホルモン治療してたら子供産めないなぁ

私は癌なんだ】


と思ったら涙が出てきたので慌てて涙をぬぐい
さっきもらった健康診断の結果を眺めていたら
本当に結果が全て非常に良好で
「すごいな
私癌以外すごい健康」

と思わず呟いた


タクシーが大学病院に到着し
指示通りに受付に行って
MRIの説明を受ける
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念のためスッピン&眼鏡で行ったので
メイクを落としたりコンタクトを外す必要はなかった

そして指示された衣服に着替えて
簡単な説明を受け
造影剤の同意書にサインをする


「大きな音が鳴るのですが
磁石の音なので何も心配はありません
ヘッドフォンは要りますか?」


もちろん要るに決まってる

私は「はい」と答え
指示に従いヘッドフォンをして
穴の開いたベッドの穴の部分に胸を入れる形でうつ伏せになる

部位にもよるらしいが
私は胸の検査なのでバンザイの状態でうつ伏せ

「ちょっとでも動くと撮影が難しくなるので
極力動かないでくださいね
首の筋肉と胸の筋肉は繋がってるので
首も動かさないでください」

と背中を固定される


右の手の甲に注射を刺され
左手に
「気持ち悪くなったり
何かあったら鳴らしてください」

と握ると音が鳴る玩具のようなものを握らされると
ヘッドフォンから
「それでは検査を始めます
途中で造影剤を入れるときにまた声を掛けます」

という声が聞こえて機械が動くのを感じた

うつ伏せなので何も見えない

「このヘッドフォン意味あんの?」
と聞きたくなるくらいに大きな音がしてきた

金属をハンマーで叩いてるみたいな音

一定ではなく
カーン・・・カーン・・・カーン・・・
と穏やかな時もあれば
ガンガン!ガンガン!
と癇癪を起こしているような時もあり
カンカンカンカカンカンカカンカン♪
とリズミカルな時も


不安より身動きが出来ない不快さのほうが勝り
何も見えないので時間の経過も分からず
仕方ないので数を数えることにする私

数を数えるのに飽きてきた頃に
ヘッドフォンから
「それでは造影剤を入れます
気持ち悪くなったり何かあったら
すぐに言ってください」

という声が聞こえてきた

私が小さく「はい」と返事をすると
手の甲に冷たい感触が走る

その感触は腕から肩に走り胸に届く頃には消えていた


することがないのでまた数を数える

手の甲が地味に痛い

ジンジンする

もうちょっと痛くなったら言おう
もうちょっと痛くなったら言おう


そう思っていたら
「ハイ終了です
お疲れ様でした」

という声が聞こえてきた


またベッドが動いて背中の拘束が解かれる

注射の針が抜かれた時は本当にホッとしたが
立ち上がると軽く目眩がした


着替えが終わって外に出ると
「明日の外来の予約を入れてあります
気をつけて帰ってくださいね」

と予約の紙を渡された

時計を見るとMRIに入ってから1時間半を経過していた


お会計は
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10,520円


迎えに来てくれた父の車に揺られながら
「【また来週】が
【また明日】になっちゃったなぁ」

とボンヤリ考えていた

不思議ともう涙は出なかった




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