第38回俳優祭・夜の部 その①@歌舞伎座 | 明日もシアター日和

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 行ってきました、俳優祭ぃ~。夢のひとときでした!

 入場してすぐ、ロビー横の筋書売り場に直行。目指すは亀三郎が売り子をしている列。筋書の表紙にしっかりサインしてもらい、昼の部よかったですと声をかけ、なのに、写真撮るの忘れた! 亀三郎は今回実行委員をしていて、耳にイヤホン姿で座内を走り回っていました。この実行委員が亀三郎の名での最後のお仕事なのだそうです。

 荷物を座席に置いてから、模擬店案内図を片手に探索開始。誰がどこで何を売るのか、1~3階を往復して場所を確認しました。

 前回あった、役者さんたちが描いた絵や書などの即売は、今回はなし。押隈の販売はありましたが入札方式で、最低入札がン十万円って、私の世界ではありませんでした。今回、大幹部たちは模擬店に出ていません(幸四郎は昼の部のみ)。素の仁左さん見られないのはちょっと寂しいです。

 様子がわかったところで金券を購入して着席し、観劇準備態勢に入る~。

 

舞踊二題

「二つ巴」

 二つ巴は大石家の家紋ってことで、「仮名手本忠臣蔵」を題材にした素踊りです。前半は祇園一力茶屋の場。素顔の役者さんたち、とくに普段は女方をされる役者さんたちが新鮮でした。由良之助は芝翫。中居は門之助と笑也と笑三郎で、とくに笑也と笑三郎が清々しい感じ。やっぱり女性に見える。おかるは扇雀で、しっとりと見せてくれました。

 後半は討入の場で、泉水での松緑と亀寿の立ち回りが見もの。雪合戦こそなかったけど、あとはフルで、スピード感があり、キビキビと激しく美しく、力が入って時々声が出たりします。亀寿のゆる~い側転(?)が可愛かった。塩治浪士は、男女蔵を筆頭に以下若手がずらり(歌昇/種之助/萬太郎/新悟/中村福之助/歌之助/虎之助/千之助/梅丸)。眩しい! 千之助くん、大人の顔になり「いい男」路線を行っているようで、よかった。

「石橋」

 若手花形たちによる毛振りスペシャルヴァージョン。華々しくてものすごい勢いがあり、観ていて熱くなりました。本舞台の中央にかかる橋の上にせりあがってきたのは、白毛をつけた雄仔獅子たち4頭(松也/巳之助/隼人/橋之助)。おおーっ! 勇猛壮観。松也が仕切っていたみたいです。次いで花道に出てきたのは、赤毛をつけた雌仔獅子たち4頭(壱太郎/児太郎/尾上右近/米吉)。はぁぁ……、優美華麗。雌仔獅子たちの床を踏み鳴らす足が力強く、特に尾上右近の力強さにびっくり。米吉は人生初の毛振りだったそうです。

 最後は全員が本舞台に並んで、8人による総毛振り。い、いつまで回すのか、失神しないのか、と心配になるほどの、凄まじい迫力、ダイナミックでスペクタクル。完全に圧倒されました。感動して涙出そう。こういうの、オリンピックの開会式パフォーマンスで是非! 毛の色はもちろん五輪の色で。

 

模擬店

 亀三郎の模擬店説明を聞き終わったところで、戦闘開始です。まずは、私の席から近い、海老さん×獅童×市蔵の店へ直行。すでにすごい人だかりでした。前回の海老さんは澄まし顔というか仏頂面というか、近寄りがたい雰囲気があって、お客さんは遠巻きだった。他では写真も握手もサインもオッケーだったんだけど、海老さんとこだけ写真規制がすごくて、もう興ざめ(お祭りなのに)。今回はその反省もあってか、写真に関してはうるさく言わなかったし、何より、海老さん、笑顔だった(笑)。獅童さんと一緒だったからかな、機嫌良さそうでした。

 正面ロビーでは俳優祭Tシャツを染五郎×金太郎くん×愛之助が売っていました。金太郎くん、美男子への道まっしぐら。少し大人しい感じでしたね。そのあと、売り切って楽屋に戻る染さんとすれ違い、思わず握手を求めてしまいました。染さん、なんだかわからないまま手を握ってくれた。スラリとスマートでした。

 さて3階の菊之助(と鴈治郎)の店へ急げ。でも、途中、2階に寄り道してみたら、写真館の周りがすごい人だかり。撮影ブースは2つあって、1つは巳之助×児太郎×尾上右近、もう1つは壱太郎×米吉×隼人×橋之助。先の毛振りの衣装のまま一緒に写真を撮ってもらえるのです(松也は不在)。役者さんたちはブースの中にいるから、その辺うろうろしていてもお会いできず、残念。

 その2階の廊下には勘九郎×七之助×亀蔵の店があり、通路でもあるのでスタッフが交通整理に必死。もう、何が何やら状態で、通り抜け不可能。引き返して大急ぎで3階へ。

 しかし、菊之助(と鴈治郎)の店も当然ながらもみくちゃ状態。なんとかたどり着いたものの、もうヘトヘトでした。菊之助は始終笑顔で、爽やかで美しかった。

 反対側ロビーには澤瀉屋の面々(中車×笑也×笑三郎×團子×寿猿)。Tシャツは早々に売り切れたようで、手拍子で締めていました。澤瀉屋はいつも威勢がいいし、チームワーク抜群です。

 売店街を通ります。錦之助×鷹之資が売るめでたい焼きは大盛況。並んでる暇ないのでパスです。ドリンク店では雀右衛門×男女蔵&男寅親子が。男寅くんイケメンになりつつあるなあー。写真撮らせてもらいました。ちょっとおとなし目の性格みたい。

 再び1階へダッシュ。いつものお土産処「木挽町」はなかなか渋い顔ぶれ(歌六×團蔵、彦三郎×権十郎、家橘……)。その奥のBar櫓では、1幕「泉水」で闘った松緑×亀寿がバーテンダーをやってました。下手のドリンクカウンターでは、時蔵×梅枝×萬太郎が大人気。中村福之助×鶴松×梅丸という綺麗どころの売るパニーニは、あえなく売り切れで間に合わず。他にも回りましたが割愛。

 さて、お食事処「花篭」のある3階へ再び。ここは今回もカオス状態で、楽しいのなんのって。おでんを必死で売る歌之助&芝翫がいい感じ。個人的には市川右近ちゃんのキュートさがハイライトでした。丸っこいお顔にキリッとした目元口元。一生懸命フランクフルトの袋をもってアピールする姿が可愛いい。パパ(右團次)とお揃いのジャケットにもほのぼのしました。ここでしばらく時間をかけ、ようやく満足・満腹して客席へ~。

→その②へ続く。