オジいサン | とどのつまりは桶屋がもうかる。

とどのつまりは桶屋がもうかる。

徒然なるその日暮らしの記録。

京極夏彦 「オジいサン」を読んだ。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の日常を描いた老人小説である。この手の小説にありがちな、病気や死への不安だったりなんてものはない。独居老人で家族もいないので、家族小説でもない。事件もなにも起きない。カセットテープは燃えるゴミか否かで悩んだり、料理を作っては落ち込んだりといったただただ平凡な日常を京極夏彦特有の回りくどく理屈っぽく書かれている。ただそれだけなのに楽しく読めた。


途中、自分はいったい何を読んでいるだろうとか思ったけれど、なんか自分も独居老人街道まっしぐらなんで他人事でない感じで読めたのだろうか。

 

オジいサン (中公文庫)

新品価格
¥821から
(2018/3/5 09:43時点)